7 / 32
第一章
蜥蜴━5
しおりを挟む
「気分はどう?」
「良いわけねえだろ、このクソジジイ」
「イキがいいねえ。死のうとしてたはずなのに」
「…」
何も言えない。
「この薬はね、『生きたいのに、死ななきゃいけない人間』には効果ないんだ」
「どういう意味だよ」
「自殺するにはいろんな理由があるだろう?その中には、他人のために死を強制されることもある」
「…」
「君だってそうだ。本当は生きたいのに、誰も君の生存を喜ばない」
「黙れ」
「でも、そういう子にはチャンスをあげたいじゃない?この薬、相当苦しかったでしょ?でも、君は生を諦めなかった。君はよく頑張ったよ。そんな君に、天からプレゼントだ」
「は?」
「生き抜くための力と、居場所だよ。着いておいで。蜥蜴ちゃん」
この言葉の意味は、すぐに身をもって知ることとなる。
「良いわけねえだろ、このクソジジイ」
「イキがいいねえ。死のうとしてたはずなのに」
「…」
何も言えない。
「この薬はね、『生きたいのに、死ななきゃいけない人間』には効果ないんだ」
「どういう意味だよ」
「自殺するにはいろんな理由があるだろう?その中には、他人のために死を強制されることもある」
「…」
「君だってそうだ。本当は生きたいのに、誰も君の生存を喜ばない」
「黙れ」
「でも、そういう子にはチャンスをあげたいじゃない?この薬、相当苦しかったでしょ?でも、君は生を諦めなかった。君はよく頑張ったよ。そんな君に、天からプレゼントだ」
「は?」
「生き抜くための力と、居場所だよ。着いておいで。蜥蜴ちゃん」
この言葉の意味は、すぐに身をもって知ることとなる。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる