蛇の狂人図鑑

ハライツキ

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写るもの

写るもの 似顔絵

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  「刑事さん、こんにちは。そちらは?」
  「はい、こんにちは。今日は、仕事の仲間を連れてきたんだ。君が誰なのか探すためにね。」
   同僚の山田さんを、連れて病院を訪れた。今回の目的は、彼女から出ている一つの情報を探るためだった。 
  「山田さんは、似顔絵がうまいんだ。君だけが見えてる人を、探してみようと思うんだ。」
   彼女だけが見えてる人間。何かしら、彼女と接点があるのだろう。それを探るために、似顔絵の上手い山田を呼んだのだ。
   


  「よし、こんなんでどうかな?」
  「山田さん、すごいですね‼写真みたい‼」
   彼女と山田は、同性だからというのもあるのか、いつもと違う雰囲気で和気藹々としていた。監視は女性警官の方が良いのではと、小宮は考えていた。病室の外の廊下に目をやると警官が中を観察していた。
   山田が描いた似顔絵を、小宮は確認する。年齢は彼女と同じくらいの好青年の顔があった。
  「へえ、結構なイケメンだね。」
  「ね、そうでしょ‼」
   彼女は、ニッコリと笑う。その笑顔に、警護の警官は胸を押さえていた。小宮は、その似顔絵を持ち病室を後にする。 
   「小宮君、約束忘れないでね。」
   「わかってますよ、甘いものおごりますよ。」
   こうして、小宮は似顔絵に高い代償を払ったのだった。
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