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ダイエット after
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「すいません、私、あなたにサプリメントを送った会社の人間なんですが、もう飲んでしまわれましたか?」
スーツ姿の男は、ペコペコしながら、彼女に話しかけた。
「飲んだわよ。あんたのところのサプリメント良いわね、おかげでスッキリしたわ。」
男の顔は青ざめる。
「飲んでしまいましたか。いやあ、あのサプリメントには、問題がありまして。」
男の言葉に、女はドキッとした。確かに、これだけの効果があるものだ、何かがあるに違いない。
「なんなのよ・・何があるのよ。」
「カプセルの中に、異物が混入してまして、それが・・虫の卵なんですよ・・」
その言葉に、彼女の胃がざわめく。そういえば、オペラ歌手が寄生虫を飲んでダイエットをしたというエピソードがあった。もしそうならば、彼女は心臓をぎゅうっと捕まれた気がした。
「どうすんのよ‼あたしの中に虫だなんて‼」
「本当に申し訳ありません。ですけども、これさえ飲めば大丈夫です。サプリメントの効果打ち消せて、虫も体からだせます。」
そういうと、彼は錠剤のビンを取り出した。
「サプリメントの効果を消す?」
彼女は、眉をひそめた。もし、ここでサプリメントの効果が消えれば、彼女は元の自分になる。それの方が恐ろしく感じた。
(せっかくのチャンスを、ここでなくすわけにはいかないわ)
彼女は、セールスマンから薬を受けとる。
「わかったわ、これ飲むわ。それとこの事は、黙っといてあげる。」
「ありがとうございます‼ありがとうございます。本当に申し訳ありません。また、謝罪の品を持って伺わせていただきます。」
男は、頭を下げながら帰っていった。彼女は部屋に入ると、ビンをゴミ箱に捨てた。サプリメントの効果がなくなるくらいなら、体に虫を飼っていた方が良いと考えた。
「今日は、誘ってくれてありがとう。」
「いえいえ、どういたしまして。」
スーツの男が来てから、数日経って彼女は、レストランで彼との食事を楽しんでいた。普段、来ないような場所に気圧される。一つ気になったのは、胃に少し痛みがあったことだ。最近、食べ過ぎたぐらいにしか、彼女は思っていなかった。
「お酒は、飲まないんですか?」
彼女に、男は問いかけた。
「あんまり強くないの。」
男は、寂しそうな顔をした。
「だけども、今日は一杯位飲もうかな。酔ったら責任とってね。」
彼女はそういうと、彼と同じワインを口に運んだ。
「飲む姿も、キレイですね。」
「ありがとう。」
二人の視線が交差する。
その瞬間だった。彼女は胃に激痛が走る。胃を中から食い破るような感覚が、脳に伝わっできた。彼女の体は激痛のため、テーブルにうなだれた。
「だ、大丈夫ですか?」
「がっ・・はっ・・・・がっ・・」
彼女のうめき声が店内に響き渡る。彼女は胃の痛みと、腹から這い上がるものに恐怖を感じた。
「うげええ・・あがが・・」
彼女の口から、血と一匹の虫が吐き出された。テーブルは、紅に染まる。
「うわああ、なんだ。虫があ、血があ!!」
その様子を見ていた、周りの客達は一斉に逃げ出す。もちろん、同席していた彼も。
彼女の口からは、虫が何匹も這い出していた。彼女は、うめきをあげながら、虫を吐き出す。痛みで意識が飛びそうなのか、白目がちになりながら痙攣していた。皿には、虫と血と吐瀉物が盛り付けられた。
「ああああ・・・・うげぇぇ・・がああ・・・・苦しいよおっ・・がっ・・」
のたうちまわりながら、床に倒れる。テーブルの上のものが、床を汚していく。床の上の彼女は、大きな痛みから逃れたいがために、自殺しようと首もとにナイフを突き刺す。食用のナイフでは、首の皮膚を傷つけるだけだ。そこの血を目指し虫は、彼女の体を這う。そして、彼女の体を貪りはじめる。
彼女はもう意識がない。体からは、皮膚を食い破り、新たな虫が溢れてきていた。血のシミが床を侵食していく。
ブチュッ・・グチャッ・・キーキー
騒動後にそこにあったのは、多数の蟲と、血に濡れた人のかたちをした肉塊だった。
スーツ姿の男は、ペコペコしながら、彼女に話しかけた。
「飲んだわよ。あんたのところのサプリメント良いわね、おかげでスッキリしたわ。」
男の顔は青ざめる。
「飲んでしまいましたか。いやあ、あのサプリメントには、問題がありまして。」
男の言葉に、女はドキッとした。確かに、これだけの効果があるものだ、何かがあるに違いない。
「なんなのよ・・何があるのよ。」
「カプセルの中に、異物が混入してまして、それが・・虫の卵なんですよ・・」
その言葉に、彼女の胃がざわめく。そういえば、オペラ歌手が寄生虫を飲んでダイエットをしたというエピソードがあった。もしそうならば、彼女は心臓をぎゅうっと捕まれた気がした。
「どうすんのよ‼あたしの中に虫だなんて‼」
「本当に申し訳ありません。ですけども、これさえ飲めば大丈夫です。サプリメントの効果打ち消せて、虫も体からだせます。」
そういうと、彼は錠剤のビンを取り出した。
「サプリメントの効果を消す?」
彼女は、眉をひそめた。もし、ここでサプリメントの効果が消えれば、彼女は元の自分になる。それの方が恐ろしく感じた。
(せっかくのチャンスを、ここでなくすわけにはいかないわ)
彼女は、セールスマンから薬を受けとる。
「わかったわ、これ飲むわ。それとこの事は、黙っといてあげる。」
「ありがとうございます‼ありがとうございます。本当に申し訳ありません。また、謝罪の品を持って伺わせていただきます。」
男は、頭を下げながら帰っていった。彼女は部屋に入ると、ビンをゴミ箱に捨てた。サプリメントの効果がなくなるくらいなら、体に虫を飼っていた方が良いと考えた。
「今日は、誘ってくれてありがとう。」
「いえいえ、どういたしまして。」
スーツの男が来てから、数日経って彼女は、レストランで彼との食事を楽しんでいた。普段、来ないような場所に気圧される。一つ気になったのは、胃に少し痛みがあったことだ。最近、食べ過ぎたぐらいにしか、彼女は思っていなかった。
「お酒は、飲まないんですか?」
彼女に、男は問いかけた。
「あんまり強くないの。」
男は、寂しそうな顔をした。
「だけども、今日は一杯位飲もうかな。酔ったら責任とってね。」
彼女はそういうと、彼と同じワインを口に運んだ。
「飲む姿も、キレイですね。」
「ありがとう。」
二人の視線が交差する。
その瞬間だった。彼女は胃に激痛が走る。胃を中から食い破るような感覚が、脳に伝わっできた。彼女の体は激痛のため、テーブルにうなだれた。
「だ、大丈夫ですか?」
「がっ・・はっ・・・・がっ・・」
彼女のうめき声が店内に響き渡る。彼女は胃の痛みと、腹から這い上がるものに恐怖を感じた。
「うげええ・・あがが・・」
彼女の口から、血と一匹の虫が吐き出された。テーブルは、紅に染まる。
「うわああ、なんだ。虫があ、血があ!!」
その様子を見ていた、周りの客達は一斉に逃げ出す。もちろん、同席していた彼も。
彼女の口からは、虫が何匹も這い出していた。彼女は、うめきをあげながら、虫を吐き出す。痛みで意識が飛びそうなのか、白目がちになりながら痙攣していた。皿には、虫と血と吐瀉物が盛り付けられた。
「ああああ・・・・うげぇぇ・・がああ・・・・苦しいよおっ・・がっ・・」
のたうちまわりながら、床に倒れる。テーブルの上のものが、床を汚していく。床の上の彼女は、大きな痛みから逃れたいがために、自殺しようと首もとにナイフを突き刺す。食用のナイフでは、首の皮膚を傷つけるだけだ。そこの血を目指し虫は、彼女の体を這う。そして、彼女の体を貪りはじめる。
彼女はもう意識がない。体からは、皮膚を食い破り、新たな虫が溢れてきていた。血のシミが床を侵食していく。
ブチュッ・・グチャッ・・キーキー
騒動後にそこにあったのは、多数の蟲と、血に濡れた人のかたちをした肉塊だった。
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