蛇の狂人図鑑

ハライツキ

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監視カメラ

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  最近、この街も物騒になって来たから、監視カメラを設置することにした。手痛い出費だが、安全のためには、仕方がない。中年と言えど女の一人暮らしには、危険がつきものだ。
   両親は、私に孫を見せろと言っていたが、結局は見せることなく、二人とも亡くなってしまった。その事は、いまだに申し訳ないと思う。
   今の私は、その二人が残した家で、元気に過ごすのが、罪滅ぼしと考える。そのためにも、安全を手にいれなければ。




  監視カメラを設置してから、数日が経った。同じ手が見切れている。私は、怖くなった。ならば、犯人の顔を見てやろう。監視カメラを増やしてやる。私は、新しい監視カメラを購入した。


   監視カメラを増やして、数週間経った。何度も見切れている手の犯人はわからなくなっていた。かわりに、庭の植木鉢が倒されていた。私は、また一つ監視カメラを設置した。


   監視カメラをまた増やしてから、数ヵ月経った。カメラは、私の敷地から見える、周りの土地をカメラで確認できるようになっていた。だが、私の恐怖心はまだ、取り払えない。そうだ、一日中家にいれば、恐怖は消えるかも。
    私は、職場に退職願をだした。




  

  なぜだ、監視カメラには、犯人が映らない。私の恐怖は消えない。なぜだ、なぜだ。もしかして、もう家の中にいるのか?ならば、家の中に監視カメラを仕掛けよう。仕掛けないと、仕掛けないと、仕掛けないと、仕掛けないと。









  私の部屋にも、カメラを仕掛けよう。唯一の死角を見つけた。多分、見つかる。


 






   階段、異常なし。風呂、異常なし。玄関異常なし。居間、異常なし。庭、異常なし 。裏口、異常なし。道路、異常なし。キッチン、異常なし。トイレ異常なし。異常なし、異常なし、異常なし 異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし異常なし。








  ワタシヲダレカガミテル、ワタシヲダレカガミテル。ダレカ・・ダレカ・・ダレカ・・









  ワタシハ  シンデソラカラ  カンシ カンシ ダレカ      カンシ
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