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かくれんぼ
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「もーいーかい?」
「まーだだよ。」
いずみちゃんの声に、僕は大きな声で返事をした。そして、隠れる場所を探さなければと、僕は辺りを見回した。
学校の先生から、立ち入ってはいけないと言われている工場は、かくれんぼをするには、絶好の場所だった。冒険心と危険な香りで、僕の心はドキドキが止まらなかった。そのドキドキを抑えながら、僕は機械の物陰に隠れた。
「もーいーよー。」
僕の安易な、隠れた場所は、案の定すぐに見つかった。
「次は、あなたの番だよ。」
いずみちゃんに言われて、僕は目を閉じた。
「いーち、にっ・・」
突然、体が濡れてしまった。目を開けると、いずみちゃんが、工場の容器を持っていた。僕の鼻に、刺激が伝わってきた。
「いずみちゃん!!なにするの⁉」
「鬼さん、目を開けちゃ駄目よ。」
彼女は、笑ってどこかへ行ってしまった。僕は、体にぬめりを感じ始めた。彼女のかけた液体のせいだろう。急いでなんとかしないと、僕は、体を水で洗い流すために出口へ向かった。しかし、工場の入り口は閉ざされていた。おかしい、来たときは開いていたのに。
「いずみちゃん!!何をしたの?出て来てよ‼」
僕は、大声で叫んだ。工場の中で、ぼくの声は、虚しく響き渡る。
「いずみちゃん!!」
「まーだだよ。」
彼女の返答が帰って来た。僕の言葉が届いていていないのか、彼女はかくれんぼを続けていた。
「いずみちゃん!!違うんだ‼」
体の肉が見え始める。なんなんだ、何が起きているんだ。僕の頭は、痛みと恐怖で混乱してきた。早くなんとかしなければ、いずみちゃんが気づくと信じて、体の底から声をだす。
「いずみちゃーん!!」
「まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。」
彼女の声が繰り返し聞こえてくる。反響なのか、幻聴なのか、今の僕にはわからない。ただ、彼女の声は楽しそうで、僕の意識は暗闇に沈んでいく。ただそれだけ・・・・ただ、そ・・・・・・
「もーいーよ。鬼さんが、溶けていなくなったら、かくれんぼ出来ないじゃない。つまらない。」
「まーだだよ。」
いずみちゃんの声に、僕は大きな声で返事をした。そして、隠れる場所を探さなければと、僕は辺りを見回した。
学校の先生から、立ち入ってはいけないと言われている工場は、かくれんぼをするには、絶好の場所だった。冒険心と危険な香りで、僕の心はドキドキが止まらなかった。そのドキドキを抑えながら、僕は機械の物陰に隠れた。
「もーいーよー。」
僕の安易な、隠れた場所は、案の定すぐに見つかった。
「次は、あなたの番だよ。」
いずみちゃんに言われて、僕は目を閉じた。
「いーち、にっ・・」
突然、体が濡れてしまった。目を開けると、いずみちゃんが、工場の容器を持っていた。僕の鼻に、刺激が伝わってきた。
「いずみちゃん!!なにするの⁉」
「鬼さん、目を開けちゃ駄目よ。」
彼女は、笑ってどこかへ行ってしまった。僕は、体にぬめりを感じ始めた。彼女のかけた液体のせいだろう。急いでなんとかしないと、僕は、体を水で洗い流すために出口へ向かった。しかし、工場の入り口は閉ざされていた。おかしい、来たときは開いていたのに。
「いずみちゃん!!何をしたの?出て来てよ‼」
僕は、大声で叫んだ。工場の中で、ぼくの声は、虚しく響き渡る。
「いずみちゃん!!」
「まーだだよ。」
彼女の返答が帰って来た。僕の言葉が届いていていないのか、彼女はかくれんぼを続けていた。
「いずみちゃん!!違うんだ‼」
体の肉が見え始める。なんなんだ、何が起きているんだ。僕の頭は、痛みと恐怖で混乱してきた。早くなんとかしなければ、いずみちゃんが気づくと信じて、体の底から声をだす。
「いずみちゃーん!!」
「まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。まーだだよ。」
彼女の声が繰り返し聞こえてくる。反響なのか、幻聴なのか、今の僕にはわからない。ただ、彼女の声は楽しそうで、僕の意識は暗闇に沈んでいく。ただそれだけ・・・・ただ、そ・・・・・・
「もーいーよ。鬼さんが、溶けていなくなったら、かくれんぼ出来ないじゃない。つまらない。」
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