蛇の狂人図鑑

ハライツキ

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女友達

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  「ねえ、千秋。早く来なよ‼」
  「全く、男の子なのにトロイなあ。」
  「ごめんね‼今、行くよ。」
   美雪と夏菜に呼ばれて、僕は足を早める。彼女達は、大学からの友達だ。趣味が女の子っぽい僕は、男より女の子と一緒に過ごすのが、気が楽だった。千秋という、名前がまさか、生活まで決め手しまうとは、思わなかった。
   彼女達も僕を異性として見ていなんだろう。美雪が、僕と夏菜を夜に部屋に招き入れた。映画を見て、話をして終わりだろう。
    アルコールや、食べ物、新しく買った包丁など、色々入ったビニール袋を持たされた、荷物持ちの僕は、あまり期待をせずに美雪の部屋にお邪魔した。













  「ねえ、下を脱いでよ。男って言うんなら。」
    部屋に入って、僕達をお酒を飲んだ。二時間もすれば、美雪は酔いがまわり。僕が本当は女だと言い、ズボンを脱げと絡んできた。酒を飲んでない夏菜も、ゲラゲラ笑っている。
「いやいや、男だから。」
「そんなこと、言ってえ・・本当はないんでしょ‼」
「ちょっと、やめてよ。」
   美雪は、僕の股間をまさぐり始めた。あまりのことに、僕はのけぞり後ろに倒れてしまった。美雪は触るのをやめない。その行為に、僕の股間に血がたまっていく。
   美雪が僕の、ズボンをするりと下ろす。そそりたった、僕のモノが美雪と夏菜の瞳にうつる。
  「なんだあ、男じゃない。」
  「美雪、やめなよ。困ってるじゃん。」
   夏菜は、笑いながら美雪をたしなめた。僕は、恥ずかしさから、ズボンをあげようとしたが、美雪に阻まれた。
  「これからでしょ?期待しちゃってるのに。」
  「美雪・・あなた、まさか・・」
    美雪は、自分の割れ目に、僕のものをいれる。彼女の中の感触が、粘膜を通じて、僕に伝わる。初体験をいきなり奪われた衝撃と、快楽に僕の体は支配された。腰をふる彼女の息は荒く、その吐息から、アルコールの匂いがした。夏菜は、驚きのためか黙って僕らを見ていた。肌がぶつかり合う音が部屋に響き渡る。



   しばらくすると、彼女の体は痙攣した。彼女は昇天したみたいだ。僕も、彼女の中に欲望を吐き出した。彼女は、僕の体に覆い被さる。汗で濡れた肌の湿り気が心地良かった。彼女は寝息をたてる。
    僕は、ゆっくりと彼女から自分を抜いた。





   美雪が寝てから、僕と夏菜は沈黙を迎えた。今まで、意識しなかった異性の部分。それの出現が僕達の口を閉ざす。
   「私はね、この三人の中で、こういう関係がないことを願ったの・・」
    夏菜が、沈黙を破る。その一言は、静かな水面に垂れた滴のように、僕の心に波状を作る。
  「まさか、目の前で起きるなんて。やはり、男の人と友達グループって無理だよね・・」
   彼女の一言、一言が心の奥を刃物で撫でるようだった。 
 「だからね、千秋が男だから、いけないと思うの・・」
   僕は、彼女が何を、言っているのかわからなかった。彼女は、僕の鼻に布を押し当てた。右手には、包丁が握られていた。


















   この前の事件から、大分経った。警官をやめようと、本当に考える。いまだに、たっくんが起こしたことが、信じられない。俺は、頭を抱えながら、家路を歩く。
    
  「ねえ、千秋早く来なよ‼」
  「全く、千秋はトロイなあ。」
   三人組の女の子達が、俺の近くを通る。一人だけ背の高い、千秋という子に目を奪われた。
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