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オラネコBL編
10.自覚
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今日も沢山観光して、最終日だからただでさえ体力的に疲れていた。それなのに最後の最後にアーティから買春相手として子供を紹介された。もう、それだけで精神的にドッと疲れた。ホント勘弁してくれよ。
まだ童貞を捨てる覚悟さえできてないのに。相手が子供とか、マジあり得ない。
来る前は、出来れば百戦錬磨のゲイバーのお兄さんに、筆おろしをして貰えたらなぁと淡い期待は持っていた。日本人は乱暴じゃないからモテるらしいし。あわよくば、なんて。
でも、予想に反してゲイバーでも若い子ばかりだった。この国は若者であふれかえっている。普段日本の超高齢化社会に身を置いている俺としては驚きだ。
いや、問題は年齢じゃないな。アーティが居るのに、他の男は目に入らなかったという方が正しい。
その当のアーティが俺に若い子を宛がおうとするんだから驚いた。自分を買ってくれと言っていたじゃないか。なんで他の奴を紹介するんだよ。と若干ムカついても居た。
クイでしかできない遊びを善意で紹介してくれただけなのは解る。あれ?なんで俺は相手の親切にムカついているんだ?まぁ、いい。
早いもので、俺はもう明日の朝にはバンポクを発つ。今夜は最後の夜だ。
あ~~帰りたくないなぁ~~~。アーティと離れたくないなぁ~~。アーティの太陽の様な笑顔を、もっとずっと見ていたいなぁ~~。
あれ?俺…今…。
オイオイオイオイ。
確かに、アーティの太陽の様な笑顔をもっと見ていたい。
でも、パスポートがあるかすら怪しいアーティを、日本に連れ帰る事は出来ない。それに、彼は携帯も持ってないみたいだし、一度別れてしまったらもう連絡も取れない。今後彼に会う事は、実質不可能だろう。
どうしよう…。どう、しようか。いや。どうも出来ないんだ。まだ働いていない俺では、どうにも出来ないんだ。
確かに、俺は学生時代ずっとアルバイトをしていたし、元来無駄遣いはしない性格だから、貯金はそれなりにある。でも、学生の俺では、アーティにお金を送って囲う事すらできない。
……でも、二か月後。俺が働きだした後なら?
またアーティに会いたい。これで、最後にはしたくない。もし、少しでも希望があるのなら…。
俺は、シャワーから上がってきたアーティに聞いた。
「ねえ、アーティ。ここで狭い家を借りるには、最低どれくらいかかるんだ?」
「んん?そんな事聞いてどうするんだ?」
「全部聞いてから話す。」
もし金額的に無理だったら、余計な期待は持たせたくない。
「う~ん。一人用って事か?じゃあ、5千バー位が日本人が住める最低かな。」
「クイ人が一人で暮らす場合は?」
アーティは怪訝な顔だ。
「まぁ、選ばなきゃ4千とか、もっと安くからでもあるかもな。」
「じゃっじゃあ、水道光熱費や食費は?」
「え?食費は7千位で、光熱費は千位でいいんじゃないか?俺もあんま詳しくないけど。」
「ってことは、一月1万5千バーツもあれば、アーティは暮らしていけるのか?」
という事は、今の為替で7万円行かない位か。切り詰めれば、養えるな。
「え?僕?僕だったら全然そんなに掛からないけど?そんな高いもん食わないし。」
アーティは困惑している。
「ねぇ、アーティ。アーティは身分証みたいなものは持ってる?銀行口座は?」
「いや…ちょっと待ってくれ。アンタ、俺をどっかに売るつもりか?」
アーティが失望したと顔に書いて、出口に向かって後ずさっている。
まだ童貞を捨てる覚悟さえできてないのに。相手が子供とか、マジあり得ない。
来る前は、出来れば百戦錬磨のゲイバーのお兄さんに、筆おろしをして貰えたらなぁと淡い期待は持っていた。日本人は乱暴じゃないからモテるらしいし。あわよくば、なんて。
でも、予想に反してゲイバーでも若い子ばかりだった。この国は若者であふれかえっている。普段日本の超高齢化社会に身を置いている俺としては驚きだ。
いや、問題は年齢じゃないな。アーティが居るのに、他の男は目に入らなかったという方が正しい。
その当のアーティが俺に若い子を宛がおうとするんだから驚いた。自分を買ってくれと言っていたじゃないか。なんで他の奴を紹介するんだよ。と若干ムカついても居た。
クイでしかできない遊びを善意で紹介してくれただけなのは解る。あれ?なんで俺は相手の親切にムカついているんだ?まぁ、いい。
早いもので、俺はもう明日の朝にはバンポクを発つ。今夜は最後の夜だ。
あ~~帰りたくないなぁ~~~。アーティと離れたくないなぁ~~。アーティの太陽の様な笑顔を、もっとずっと見ていたいなぁ~~。
あれ?俺…今…。
オイオイオイオイ。
確かに、アーティの太陽の様な笑顔をもっと見ていたい。
でも、パスポートがあるかすら怪しいアーティを、日本に連れ帰る事は出来ない。それに、彼は携帯も持ってないみたいだし、一度別れてしまったらもう連絡も取れない。今後彼に会う事は、実質不可能だろう。
どうしよう…。どう、しようか。いや。どうも出来ないんだ。まだ働いていない俺では、どうにも出来ないんだ。
確かに、俺は学生時代ずっとアルバイトをしていたし、元来無駄遣いはしない性格だから、貯金はそれなりにある。でも、学生の俺では、アーティにお金を送って囲う事すらできない。
……でも、二か月後。俺が働きだした後なら?
またアーティに会いたい。これで、最後にはしたくない。もし、少しでも希望があるのなら…。
俺は、シャワーから上がってきたアーティに聞いた。
「ねえ、アーティ。ここで狭い家を借りるには、最低どれくらいかかるんだ?」
「んん?そんな事聞いてどうするんだ?」
「全部聞いてから話す。」
もし金額的に無理だったら、余計な期待は持たせたくない。
「う~ん。一人用って事か?じゃあ、5千バー位が日本人が住める最低かな。」
「クイ人が一人で暮らす場合は?」
アーティは怪訝な顔だ。
「まぁ、選ばなきゃ4千とか、もっと安くからでもあるかもな。」
「じゃっじゃあ、水道光熱費や食費は?」
「え?食費は7千位で、光熱費は千位でいいんじゃないか?俺もあんま詳しくないけど。」
「ってことは、一月1万5千バーツもあれば、アーティは暮らしていけるのか?」
という事は、今の為替で7万円行かない位か。切り詰めれば、養えるな。
「え?僕?僕だったら全然そんなに掛からないけど?そんな高いもん食わないし。」
アーティは困惑している。
「ねぇ、アーティ。アーティは身分証みたいなものは持ってる?銀行口座は?」
「いや…ちょっと待ってくれ。アンタ、俺をどっかに売るつもりか?」
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