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学園ロワイヤル編 9・10日目
1-10-4 鬼畜?外道?
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佐竹たちとの会談まで1時間の時間がある。その間にどう行動するかの話し合いをしようと思う。
「もう一気に俺が蹴りをつけていいか? 教頭は表面上は話し合いとか言ってきてるけど、向こうは俺を殺す気満々みたいだし、自分でけじめも付けたいからね」
「龍馬君はダメって言ってるでしょ。実は龍馬君が寝てる間にもう話し合いは終わってるの……」
「え? 桜どういう事だ?」
「前にも言ったけど、これ以上龍馬君は佐竹たちと拘らないでほしい」
「兄様は見てて。菜奈たちで何とかするから」
「ん、龍馬は何もしちゃダメ」
「そうじゃ……妾たちに任せておればよい」
「先生前回は見逃してあげたのにな……やはり全然懲りてなかったんですね。3回目はないです」
桜に続いて、菜奈・雅・フィリア・美弥ちゃん先生の発言だが、俺に何もするなという。
「え~と、俺に何もするな、只、見ていろと?」
「「「うん」」」
正直納得いかない。だが、嫁たちが怖い……目が怖い! 俺が寝てる間にどんな話し合いがされたんだ? ナビーに聞くか。
『……秘密だそうです……フィリア様に口止めされています』
『はぁ? なんだよそれ? ナビーって俺よりフィリアの方を優先なの? やっぱ元神には逆らえないの?』
『……そういうのではないですが、ナビーも今は言いたくないのです』
あの従順なナビーが裏切った! 元女神のフィリアには逆らえないのかな……。
そういやフィリアのステータスは種族のところ、『人族?』になってたな。ひょっとしてまだ女神なんじゃないのか? う~ん、解らん。
でも、嫁が増えるとこうなっちゃうのか……数の暴力というやつかな。既に俺って尻に敷かれてるというやつなの? 嫁たちにお尻を叩かれてあくせく働かないといけないの? 皆、可愛いからいいけどね! 超頑張っちゃうけどね! 美味しい物を食べさすために頑張って働きますよ!
はぁ~、ちょっと虚しくなってきた……。
「もういいです……解りました。何もしません、ず~っと見ています」
「そう拗ねるでない。其方を想っての事じゃ、嫁を信じないでどうする? 龍馬、今回は見ておるのじゃ」
「解った。皆あまり無茶はしないようにね」
「「「はい」」」
そろそろ時間だ、この場で皆に各種パッシブを張っておく。現場近くでシールドを張ると、魔力探知でシールドを張ったのがばれる可能性もある。俺だけはシールドを張っていない。物理防御と魔法防御だけ掛けておく。
皆には内緒だが、即死しない程度に怪我を負う気でいるのだ。正当防衛にしておいて、返り討ちにしてやる。
嫁たちは怒るだろうが、やっぱ自分で片を付けたいのだ。
体育館は生活魔法の【ライト】が10個ほど天井付近に浮かんでいて凄く明るい。以前の薄暗かった頃とは大違いだ。皆のレベルを底上げしたので、魔力量に余裕ができたおかげでもある。
体育館はカレーの良いにおいが充満している。うっ……この匂いはすきっ腹にしみる。格技場の男子たちも、う~~とか言っている。その気持ち分かるぞ! 俺も今そんな感じだ!
体育館に入ったら、高畑先生がすぐにやってきた。
「森里先生、ご馳走様でした。皆、喜んでいたわ。料理部のカレーって凄いのね。食堂のとは比べ物にならないくらい美味しいわ」
そうなのだ。同じカレールウを使っているのに、何種類かのスパイスと調味料を加えて、食堂のモノとは別物のカレーができあがるのだ。
「高畑先生、私は何もしていません。お礼なら料理部員の娘たちに言ってあげてください」
「「「料理部の皆さん、ご馳走様でした! 美味しかったよ!」」」
料理部は中等部の部活だ。自分たちより年上のお姉様方に口々にお礼や感謝の言葉をもらって嬉しそうだ。
良い雰囲気なのにな……今からあいつらに壊されると思うと腹立たしい。
「「あ~~ハティちゃん! 逢いたかったよ!」」
おや? ハティ人気も増えているな。ハティは超可愛いからな。沙希の手にうだかれていたハティが、皆の声に答える。
「ミャン!」
「「「キャー! 可愛い!」」」
相変わらず愛想の良いことで……お前はセラピー犬か!
佐竹たちが教頭を伴って体育館に時間通りやってきた。
「森里先生、態々集まってもらってすまないね~」
「坂下さん、今日はどういった御用でしょうか?」
「おやおや、もう教頭先生とは言ってくれないのかな?」
「いつまでそのような肩書きに固執なされるのです? もう給金を払ってくれる者もいないのですよ」
「お金が払われないからといって、生徒を見捨てて良いという話ではないだろう? 教師として生徒を守る義務があるのだよ?」
「どの口が言う! 兄様を見捨てておいて! その口、二度と開かないように縫い付けるわよ!」
菜奈が既に切れそうだが、佐竹が間に割って入ってくる。
「まぁまぁ教頭先生、話が進まないので少しお静かに願います。白石、久しぶりだな?」
「そうだな? 俺が怖くて男子寮から出てこれなかったのか? 随分引きこもっていたじゃないか?」
「うっ……お前あれだけやられてまだ懲りてないのか?」
「俺が1回でも参ったとかすまないとかお前に言った事あったか?」
「そうだったな。くくくっ、嫌な目で睨んで絶対詫びなかったよな? でも、お前の前で直美とやった時は流石に泣いていたじゃないか? しかも、フル勃起! ひゃはは! 思い出しただけで笑える!」
あ! ヤバい! 後ろの嫁たちから凄まじい殺気が放たれている。田中と泉本は殺気に気付いたが、他のやつらは気付いていないようだ。こいつらレベルが高いのに全然ダメだな。
ハティなんか嫁たちのあまりの殺気にビビッて、沙希の膝の上に逃げてフルフル震えているぐらいなのに。
「で、何の用があるんだ?」
「いや~俺も悪かったって思ってよ。お前があまりにも詫びを入れないから、だんだんエスカレートしちまって、ついついやり過ぎちゃったんだよなぁ~。一応謝っておこうと思ってよ。何でも明日の朝、ここを出て行くんだって?」
「ああ、ここに居ても生産性がないからな。いずれ飢えて死ぬ。食料のあるうちに、近くの街を目指す」
「ああそれそれ、それに俺たちも連れて行ってくれよ」
一緒に行く気なんかないくせに、よくもまぁ。拒否するのを分かっていて俺を煽る気だ。お前たちの計画では謝っておいて、俺が油断したところで隙を突いて不意打ちするんじゃなかったのか?
「ここに居る女子全員の総意で却下だそうだ」
「全員って事はないだろう? ここには俺の女の直美も居るしな。なぁ~直美! また、皆の前でヒーヒー言わせてやるからな! お前は人に自分のヨガってる声を聴かれると感じるんだろ? ひゃはは!」
こいつアホだな……俺も~し~らね。さっきまで腹立たしかったけど……今は後ろの嫁たちが怖い! マジで怖い! それが分からないこいつはある意味羨ましい! この恐怖はホラーだ! ハティ、お漏らししてなきゃいいけど……チラッと見ると、やっぱ沙希の太ももに顔を突っ込んでブルブル震えてる。だが、頭隠して尻隠さず状態だ……可愛いけどね。やっぱ野性の本能があるハティのほうが敏感に分かっちゃうんだな。
皆にはもう少し殺気を抑える練習をさせよう。
「他に何か言いたいことは? ないなら俺たちは戻らせてもらう、明日早いからな」
「俺たちは連れていかないってか? ところで何で俺と会うのに手ぶらなんだよ?」
「話し合いがしたいって言ってきたのはそっちだろ? 何で武器が要るんだよ?」
「ひゃはは! 教頭さんよ~聞いたか? 俺の言ったとおりだろ? こいつは甘いんだよ! レベルも19しかないのに、なに偉そうにリーダーぶってるんだ? さっさと死ね!」
佐竹はいきなり剣を抜いて心臓めがけて突いてきた! 【身体強化】をレベル10にしているようで、一瞬のできごとだった。
俺はさっと体をずらして、肩口に剣を貫通させた。
「「「キャー!」」」
女子たちの悲鳴が体育館にこだまする!
「ん! 龍馬何やってるの!?」
「兄様!?」
「え? 龍馬君? どうして?」
シールドを張ってなく俺の肩に剣が貫通してるのを見て、嫁たちが疑問と驚きを見せている。
だが俺は強烈な痛みとは裏腹に、内心ガッツポーズをとっていた! これで合法的に殺せる……。
「ひゃはは! ホレみろ! 白石なんかこの程度なんだよ! お前ら、なにビビッてたんだ!? 俺に蹴られまくって、好きな女がやられてる前でシクシク泣いてた奴が強いわけないだろうが!」
奴は俺に刺した剣をグリグリ捻りながらそうほざいた……グリグリ攻撃は痛い!
真っ先に動いたのは、嫁たちではなくハティだった。沙希から飛び退き、佐竹の前で鼻に皺を寄せ可愛い唸りを上げ威嚇している。初めてみるハティの怒った威嚇顔だ。でも、ちょっと可愛い。
「ウッゥゥ~~ミャン!」
おお! ハティお得意の風魔法攻撃だ! バシュっと首元を刎ねたが、シールドが張られていて弾かれた。
ハティは初めて見たシールドに首をかしげて悩んでいる。初見のシールドなので、何で首が落ちないのか分からないのだ。キング戦に連れていってなかったからね。後でちゃんと教えてやらないとな。
でも偉いぞ! 主人の危機に真っ先に動くとは可愛いやつめ! あとで、ミックスジュースを作ってやろう!
「なんだ? このチビスケ、魔法を撃ってきたぞ! 只の仔犬じゃないのか?」
目視しにくい風魔法だったが、何か攻撃を受けたのは流石に分かったようだ。
「お前ら何ボーっと見てんだ、桃源郷だ! 酒池肉林だ! 男とブスは殺して数を減らせ! くれてやる餌が勿体ない! そらっ、とっとと間引きを始めろ!」
佐竹がそう叫んだのだが―――
食事じゃなく、餌? あきれてなんも言えんわ、もう殺そう……。
「もう一気に俺が蹴りをつけていいか? 教頭は表面上は話し合いとか言ってきてるけど、向こうは俺を殺す気満々みたいだし、自分でけじめも付けたいからね」
「龍馬君はダメって言ってるでしょ。実は龍馬君が寝てる間にもう話し合いは終わってるの……」
「え? 桜どういう事だ?」
「前にも言ったけど、これ以上龍馬君は佐竹たちと拘らないでほしい」
「兄様は見てて。菜奈たちで何とかするから」
「ん、龍馬は何もしちゃダメ」
「そうじゃ……妾たちに任せておればよい」
「先生前回は見逃してあげたのにな……やはり全然懲りてなかったんですね。3回目はないです」
桜に続いて、菜奈・雅・フィリア・美弥ちゃん先生の発言だが、俺に何もするなという。
「え~と、俺に何もするな、只、見ていろと?」
「「「うん」」」
正直納得いかない。だが、嫁たちが怖い……目が怖い! 俺が寝てる間にどんな話し合いがされたんだ? ナビーに聞くか。
『……秘密だそうです……フィリア様に口止めされています』
『はぁ? なんだよそれ? ナビーって俺よりフィリアの方を優先なの? やっぱ元神には逆らえないの?』
『……そういうのではないですが、ナビーも今は言いたくないのです』
あの従順なナビーが裏切った! 元女神のフィリアには逆らえないのかな……。
そういやフィリアのステータスは種族のところ、『人族?』になってたな。ひょっとしてまだ女神なんじゃないのか? う~ん、解らん。
でも、嫁が増えるとこうなっちゃうのか……数の暴力というやつかな。既に俺って尻に敷かれてるというやつなの? 嫁たちにお尻を叩かれてあくせく働かないといけないの? 皆、可愛いからいいけどね! 超頑張っちゃうけどね! 美味しい物を食べさすために頑張って働きますよ!
はぁ~、ちょっと虚しくなってきた……。
「もういいです……解りました。何もしません、ず~っと見ています」
「そう拗ねるでない。其方を想っての事じゃ、嫁を信じないでどうする? 龍馬、今回は見ておるのじゃ」
「解った。皆あまり無茶はしないようにね」
「「「はい」」」
そろそろ時間だ、この場で皆に各種パッシブを張っておく。現場近くでシールドを張ると、魔力探知でシールドを張ったのがばれる可能性もある。俺だけはシールドを張っていない。物理防御と魔法防御だけ掛けておく。
皆には内緒だが、即死しない程度に怪我を負う気でいるのだ。正当防衛にしておいて、返り討ちにしてやる。
嫁たちは怒るだろうが、やっぱ自分で片を付けたいのだ。
体育館は生活魔法の【ライト】が10個ほど天井付近に浮かんでいて凄く明るい。以前の薄暗かった頃とは大違いだ。皆のレベルを底上げしたので、魔力量に余裕ができたおかげでもある。
体育館はカレーの良いにおいが充満している。うっ……この匂いはすきっ腹にしみる。格技場の男子たちも、う~~とか言っている。その気持ち分かるぞ! 俺も今そんな感じだ!
体育館に入ったら、高畑先生がすぐにやってきた。
「森里先生、ご馳走様でした。皆、喜んでいたわ。料理部のカレーって凄いのね。食堂のとは比べ物にならないくらい美味しいわ」
そうなのだ。同じカレールウを使っているのに、何種類かのスパイスと調味料を加えて、食堂のモノとは別物のカレーができあがるのだ。
「高畑先生、私は何もしていません。お礼なら料理部員の娘たちに言ってあげてください」
「「「料理部の皆さん、ご馳走様でした! 美味しかったよ!」」」
料理部は中等部の部活だ。自分たちより年上のお姉様方に口々にお礼や感謝の言葉をもらって嬉しそうだ。
良い雰囲気なのにな……今からあいつらに壊されると思うと腹立たしい。
「「あ~~ハティちゃん! 逢いたかったよ!」」
おや? ハティ人気も増えているな。ハティは超可愛いからな。沙希の手にうだかれていたハティが、皆の声に答える。
「ミャン!」
「「「キャー! 可愛い!」」」
相変わらず愛想の良いことで……お前はセラピー犬か!
佐竹たちが教頭を伴って体育館に時間通りやってきた。
「森里先生、態々集まってもらってすまないね~」
「坂下さん、今日はどういった御用でしょうか?」
「おやおや、もう教頭先生とは言ってくれないのかな?」
「いつまでそのような肩書きに固執なされるのです? もう給金を払ってくれる者もいないのですよ」
「お金が払われないからといって、生徒を見捨てて良いという話ではないだろう? 教師として生徒を守る義務があるのだよ?」
「どの口が言う! 兄様を見捨てておいて! その口、二度と開かないように縫い付けるわよ!」
菜奈が既に切れそうだが、佐竹が間に割って入ってくる。
「まぁまぁ教頭先生、話が進まないので少しお静かに願います。白石、久しぶりだな?」
「そうだな? 俺が怖くて男子寮から出てこれなかったのか? 随分引きこもっていたじゃないか?」
「うっ……お前あれだけやられてまだ懲りてないのか?」
「俺が1回でも参ったとかすまないとかお前に言った事あったか?」
「そうだったな。くくくっ、嫌な目で睨んで絶対詫びなかったよな? でも、お前の前で直美とやった時は流石に泣いていたじゃないか? しかも、フル勃起! ひゃはは! 思い出しただけで笑える!」
あ! ヤバい! 後ろの嫁たちから凄まじい殺気が放たれている。田中と泉本は殺気に気付いたが、他のやつらは気付いていないようだ。こいつらレベルが高いのに全然ダメだな。
ハティなんか嫁たちのあまりの殺気にビビッて、沙希の膝の上に逃げてフルフル震えているぐらいなのに。
「で、何の用があるんだ?」
「いや~俺も悪かったって思ってよ。お前があまりにも詫びを入れないから、だんだんエスカレートしちまって、ついついやり過ぎちゃったんだよなぁ~。一応謝っておこうと思ってよ。何でも明日の朝、ここを出て行くんだって?」
「ああ、ここに居ても生産性がないからな。いずれ飢えて死ぬ。食料のあるうちに、近くの街を目指す」
「ああそれそれ、それに俺たちも連れて行ってくれよ」
一緒に行く気なんかないくせに、よくもまぁ。拒否するのを分かっていて俺を煽る気だ。お前たちの計画では謝っておいて、俺が油断したところで隙を突いて不意打ちするんじゃなかったのか?
「ここに居る女子全員の総意で却下だそうだ」
「全員って事はないだろう? ここには俺の女の直美も居るしな。なぁ~直美! また、皆の前でヒーヒー言わせてやるからな! お前は人に自分のヨガってる声を聴かれると感じるんだろ? ひゃはは!」
こいつアホだな……俺も~し~らね。さっきまで腹立たしかったけど……今は後ろの嫁たちが怖い! マジで怖い! それが分からないこいつはある意味羨ましい! この恐怖はホラーだ! ハティ、お漏らししてなきゃいいけど……チラッと見ると、やっぱ沙希の太ももに顔を突っ込んでブルブル震えてる。だが、頭隠して尻隠さず状態だ……可愛いけどね。やっぱ野性の本能があるハティのほうが敏感に分かっちゃうんだな。
皆にはもう少し殺気を抑える練習をさせよう。
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「ひゃはは! 教頭さんよ~聞いたか? 俺の言ったとおりだろ? こいつは甘いんだよ! レベルも19しかないのに、なに偉そうにリーダーぶってるんだ? さっさと死ね!」
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俺はさっと体をずらして、肩口に剣を貫通させた。
「「「キャー!」」」
女子たちの悲鳴が体育館にこだまする!
「ん! 龍馬何やってるの!?」
「兄様!?」
「え? 龍馬君? どうして?」
シールドを張ってなく俺の肩に剣が貫通してるのを見て、嫁たちが疑問と驚きを見せている。
だが俺は強烈な痛みとは裏腹に、内心ガッツポーズをとっていた! これで合法的に殺せる……。
「ひゃはは! ホレみろ! 白石なんかこの程度なんだよ! お前ら、なにビビッてたんだ!? 俺に蹴られまくって、好きな女がやられてる前でシクシク泣いてた奴が強いわけないだろうが!」
奴は俺に刺した剣をグリグリ捻りながらそうほざいた……グリグリ攻撃は痛い!
真っ先に動いたのは、嫁たちではなくハティだった。沙希から飛び退き、佐竹の前で鼻に皺を寄せ可愛い唸りを上げ威嚇している。初めてみるハティの怒った威嚇顔だ。でも、ちょっと可愛い。
「ウッゥゥ~~ミャン!」
おお! ハティお得意の風魔法攻撃だ! バシュっと首元を刎ねたが、シールドが張られていて弾かれた。
ハティは初めて見たシールドに首をかしげて悩んでいる。初見のシールドなので、何で首が落ちないのか分からないのだ。キング戦に連れていってなかったからね。後でちゃんと教えてやらないとな。
でも偉いぞ! 主人の危機に真っ先に動くとは可愛いやつめ! あとで、ミックスジュースを作ってやろう!
「なんだ? このチビスケ、魔法を撃ってきたぞ! 只の仔犬じゃないのか?」
目視しにくい風魔法だったが、何か攻撃を受けたのは流石に分かったようだ。
「お前ら何ボーっと見てんだ、桃源郷だ! 酒池肉林だ! 男とブスは殺して数を減らせ! くれてやる餌が勿体ない! そらっ、とっとと間引きを始めろ!」
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