女神様から同情された結果こうなった

回復師

文字の大きさ
上 下
49 / 184
学園ロワイヤル編 3日目

1-3-14 美弥ちゃんの口撃?龍馬の家出?

しおりを挟む
 優ちゃんの【クリスタルプレート】は教員棟の地下施設内にいる友人と繋がったままだ。
 内部はいまだに騒然とした状態のようだが、中の女子に美弥先生率いる料理部の面々が第三者として相談に来たと伝えてもらうと、急に静まりかえり入口が解放された。

「これはこれは森里先生、何度も連絡を入れたのですが一向に繋がらなく心配していました。直接来ていただけるとは予想外です」

「ええ、大谷先生。繋がらないのではなく、男性教師陣は全て着信拒否リストに入れていましたの。最初に掛けてきた男性教師のもの言いが凄く失礼でしたので、ごめんなさい」

「そうでしたか……で、別館の方々もこちらに来る気になられたのですね?」
「いいえ、こちらにその気は全くないですわよ? どうしてそう思われたのかさっぱりです」

 今度は高等部の教頭がやってきて、美弥ちゃんを責めたてる。 

「森里先生、あなた教師として恥ずかしくないのですか? あのような狂った生徒と一緒に行動を共にして! 中等部の女子たちをあのような狂犬からすぐに救い出してあげないと危険です! 見てください、私の目を! あいつはいきなりくり抜いたのですよ!」

 これには菜奈と雅が切れたのだが、美弥ちゃんと桜に手で止められ我慢したようだ。

「あらあら、わたくし教師として恥ずかしい事はしていませんわよ。むしろあなたこそよく教頭をやっていられましたね。大谷さん、あなたもそうです。教師とか言うのも烏滸がましいですわ。菜奈ちゃん例の録音を……」

 菜奈は龍馬のノートパソコンからスマホのメモリーに、会話と動画を龍馬が隣でふて寝してる間に全てコピーしていたのである。それをボリューム最大で流したのだ。密閉された地下空間でそれはよく響き渡った。

「な、な、なぜそのようなものを君が持っているのだ! 寄こしたまえ!」

「あらあら、何を慌てているのでしょう? これはあくまでコピーですよ。龍馬君は何度相談しても無視され続けたので、独自に自衛を始めたのです。それからあなたの目をくり抜いたのは、さっきの発言であなたが見てみぬフリをしろと言ったからですよね? 見ないならその眼は要らないだろうという事だそうですよ。それから龍馬君の担任は聞く耳を持たなかったから耳をもらうと言ってました。体育教師は1時間ほど前に龍馬君が既に殺害したみたいですね。高等部の教師陣は気を付けた方がいいですよ。龍馬君は本気です。あえてあなたを殺さず、目だけ抉って皆にメッセージとして生かしているのですからね」

 雅は美弥ちゃんの龍馬並の口撃に感心したのか、嬉しそうな笑みを浮かべている。
 桜や他の女子たちも、いつもの美弥ちゃんと違って頼もしく見えたのか嬉しそうだ。

 美弥ちゃんは、龍馬の意図して行った皆へのプレッシャーとしてのメッセージを、最大限に効果が出るように煽ったのだ。これで高等部の先生たちは、ついさっき本当に殺人を犯した龍馬の陰にびくつきながら過ごさないといけないことになる。事実、龍馬の担任だった者は気絶寸前にまで追い込まれている。

「ん! 美弥ちゃん、カッコ可愛い! 後でナデナデしてあげる!」



「中等部の別館は学校の所持するものだ。君たちは勝手に占拠している。すぐに明け渡してこちらに来なさい!」

「あらあら、まだそのような事を言うのですか? そもそも、もうここは学園の物ではなく、異世界に来ちゃったのですから、この土地の領主、もしくはこの国の国王のものですよ。それにあなた、いつまで教頭面するのですか? もし私に教頭面するのでしたら給料を払ってくださいな。勿論この世界の通貨でですよ。もうあちらに二度と帰れないそうなので、日本のお金を貰ってもしょうがないですからね」

「美弥ちゃん先生、なんか龍馬君が乗り移っちゃったみたいになっているよね?」
「ん、でもカッコ可愛いから問題なし」
「兄様の調子いい時の口撃ですね」
「攻撃じゃなく口撃なのね……」

「帰ったら、兄様に同じ目に遭うかも……泣くまでまた責められるかな」
「あの調子で泣くまでとかマジで怖いわね……ちょっと私、不安になってきた」

「ん、桜が言いだしっぺ!」
「あうっ……そうなのよね……」


 美弥ちゃんが頑張っているのに、後ろでボソボソとそんな会話がなされている。 


「屁理屈ばかりこねおって!」
「屁理屈ではなく事実でしょう。もう、ここは異世界なのですよ? どういう理由で女子を解放しないのかは知りませんが、もう貴方たちに教師面して拘束する権利はないのです。生徒の前で刃傷沙汰までして、いい大人が恥ずかしくないのですか? あなたたちと話し合うのも時間の無駄ですので、希望者の女子は体育館に連れて行きます」

「何を勝手な事を! そんな事、許すはずないだろう!」
「あらあら、何故大谷さんに許可を貰う必要があるのですか?」

「俺はここのリーダーだ! 勝手な事は許さない!」
「あなたがそう言っているだけで、女子生徒はあなたに監禁されていると言っていますわよ? 日本でもこの世界でもそれは犯罪行為です。それにあなたや教頭、他の男子生徒にいやらしい目で見られて、もうここに居たくないそうです。体育館で強姦事件があったように、あなたにレイプされると言っています」

「な! そんな事するはずがないだろう! 誰が言っているのだ!」
「そんな事とか言っていますが、あなたさっき中等部の校長を刺したでしょう。日本でもこちらの世界でも傷害罪が適用されます。と言うより、こちらの世界では相手が刃物を抜いた時点で殺しちゃってもいいそうです。龍馬君が相手だったら、あなた死んでいますね。龍馬君、凄く強いですよ~」

「あれは、ついカッとなって……反省してる」
「あなたの反省なんて、既にどうでもいいのです。移動希望をしている女子は連れて行きますね。女教師の方も希望者はどうぞ」


 美弥ちゃん先生は、これ以上話す事はないという感じに大谷を無視して女子生徒の誘導を始めた。

「ふざけるな!」

 かっとした大谷は美弥ちゃん先生に掴みかかろうとしたのだが―――

 ズン!

 雅の腹パンが大谷に炸裂する!

「あらあら、ごめんなさい。うちの娘たちは手が早いので注意してくださいね」

「森里先生待ちなさい! 少し話し合おうではないか」
「あら、教頭さん。あなたが話し合わなくちゃいけなかった龍馬君の案件はもう手遅れでしょ? この件は話し合う余地すらないですよ? 嫌がる女子を監禁しているのですから……問答無用です。抵抗するなら強制排除です」

「君みたいなちびに負けるはずがないだろう!」

 教頭が手を伸ばした瞬間―――

 ズン!

 美弥ちゃんの蹴りが炸裂する!
 145cmほどのちみっこの美弥ちゃんが、175cmほどの教頭を3mも蹴り飛ばしたのだ。

「手出ししてこなければ何もしませんが、抵抗するなら容赦はしません! 監禁なんて絶対許しませんからね!」

 美弥ちゃんたちに殴りかかろうとする奴らは他には居なかった。
 龍馬が出張っていたらここまで穏便に片付かなかっただろう……間違いなく修羅場になっていたはずだ。


 全員確保できると思っていたが、女教師1名と女子生徒3名が残るそうだ。

 男子の性欲があちらの世界の3倍もある事、女子の排卵周期には良い匂いのフェロモンが出てさらに危険になる事も伝えたのだが、理解したうえで残るそうだ。

 残ると言う4名のうちの2名は好きな男子がいるからだとのこと。彼氏の居ない美弥ちゃんがちょっと不機嫌なのは言うまでもない。


 一方その頃、龍馬はフィリアを華道室に呼び出し尋問中だった。

「妾は止めたのじゃ! 嘘じゃないぞ!」

 龍馬君、激オコである。

「言いだしっぺは桜なんだな?」

 あまりの龍馬の迫力に、すぐにゲロってしまったフィリアだった。

「皆、龍馬の事を思ってした事じゃ、許してあげてほしいのじゃ!」
「これを許したら、規律なんてないのと一緒だろ。俺というリーダーの意味がないじゃないか」

「その事もちゃんと言ったのじゃが、其方の事を心配してのぅ。桜は其方だけが汚れ仕事をするのが嫌なんだそうじゃ」

「ふぅ、気持ちはありがたいが、これじゃあこの先やっていけない。俺の信用を裏切ったんだ。それなりに反省してもらう必要がある。菜奈と雅が付いていったのなら無傷で制圧できるだろうけど、さてどうしようか?」

「許してはやれぬのか?」
「ダメだね。ここで許すとまたやりかねない。中途半端ではダメなんだよ。佐竹で懲りた……きっちり反省してもらう」

「ふむ、どうする気じゃ?」
「少し俺も自由にさせてもらう事にする。レベルが後1つで20になるからセカンドジョブが選べるようになる。そうするともっと強く強化できるから、ちょっとレベル上げに出掛けてくるよ。皆には怒って出ていったって言ってくれるか?」

「家出した事にするのか?」
「いや、出ていったとだけ伝えてくれればいい」

「それだと菜奈が発狂して探し回るかもしれぬの……」
「余計な事は言うんじゃないぞ。俺に心配させるような事を勝手にやったんだ。俺なしで行動するなら俺は要らないのだろうって言ってたと伝えてくれ。それから万が一の為に俺の【インベントリ】内の食料と武器は置いていく。何かのミスで死んでしまったら、ここが一気に食糧難になっちゃうからね」

「其方はそう言うが、それも只の嫌がらせじゃろ? 万が一など有り得ぬ。態と食料を残して本気度アピールの為じゃろ?」

「まぁ、そうだけどね。皆には秘密だぞ……でも、状況次第でバラしていいから、その辺はフィリアの判断に任せるよ。俺が居なくなったことで、体育館組と合併する可能性もあるから、そういう話がでた場合はフィリアにネタばらしして阻止してほしい」

「了解じゃ。念のために聞いておくが、どのくらいの予定で帰ってくるのじゃ?」

「木材も大量に欲しいし、草原地帯にはないだろうから、薬草やキノコ類も街までの移動で必要な分を確保してくる。遅くても2日ほどで戻ってくるよ。オーバーするようならこっそりフィリアにメールを入れるようにする」


 【インベントリ】内の食料と水や武器などを華道室の隅に大量に積み上げていく。

「どうやら、上手く制圧したようだな。女子を引き連れて体育館に移動中みたいだ。帰ってくる前に俺は行くね」

 【周辺探索】のスキルを発動しMAPを見ながらそうつぶやいた。

「大丈夫とは思うが、気を付けるのじゃぞ」
「一応MAPとナビーでここの警戒はしておくけど、フィリア以外を着信拒否リストに入れるからそのつもりでいてね。オークの襲撃があったらすぐに転移魔法でここに飛んでくる」

「ふむ、了解じゃ」
「じゃあ、行ってくる」

「夜だから狼に気を付けるのじゃぞ。奴らは鼻と夜目が利くからの」 
「解った。気を付ける」


 そっと別館を抜け出し、闇夜の森に怖がる事もなく、ちょっとウキウキしながら闇に溶け込むのであった。 
しおりを挟む
感想 523

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

処理中です...