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学園ロワイヤル編 1日目
1-1-3 妹確保?保護完了?
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俺は目の前で爪先立ち状態にぶら下がっているオークを木から降ろした。
さて、ここからは急がないと、すぐにオークやゴブリンが集団でやってくる。
まずはフィリア様から幸が薄くて可哀想だと同情で貰ったユニークスキルだ。
俺がダメもとで言ってみたスキルは【魔法創造】、つまり俺専用のオリジナル魔法を創りだすユニークスキルだ。これがどれだけチートなのか解るだろうか?
かの有名な魔法のランプの魔人ジーニー様でも願いは3つまで、願いを増やすというズルい願いは受け付けないと先に断言しているほどだ。
なのに、【魔法創造】は実質俺の発想次第で無限にスキルを増やせるのだ、ズルいどころではないだろう。
神のシステムが良いというのだから、勿論有難くいただきますけどね。
時間も無いのでさっそくオリジナル魔法を創る事にする。
魔法を創るに際して、アビリティポイントを1消費するのが分かっている。
レベルアップ時に貰った3ポイントで俺は【身体強化】をレベル2にしたかったのだが、スキル作製の為に我慢したのだ。
どういう風にオリジナルを創るかだが、大体こんな感じだ。
【魔法創造】開始の始点
1、スキル名を記入
2、どんな魔法か、できるだけ具体的なことを書き込む
3、事前・事後・発動・現象・効果・効能・威力など、どういう風なスキルかイメージする
4、イメージできたら、【魔法創造】のスキル発動
(特に3のイメージがスキルの威力や効果に左右するので、すごく集中するべし)
とりあえずすぐに要るものから創るかな。
【魔法創造】
1、【インベントリ】
2、・空間魔法の応用で亜空間に倉庫を創る
・収納数及び重量制限は無制限
・ユグドラシルシステムの管理で【クリスタルプレート】上で確認できる
・1枠が横5×縦10の表示とする
・倉庫内は時間停止状態とする
・生物は植物や微生物以外保管できない
3、イメージ
4、【魔法創造】発動
どうだ? よし成功だ!
既存魔法に【亜空間倉庫】という同じようなスキルがあるが、俺の【インベントリ】に比べたら劣化版としか思えない。重量制限や時間経過による経年劣化があるからだ。
この【インベントリ】は、中の時間が経過しない……これもかなりズルいのでダメかと思ったがシステムが許可したようだ。結構神様のシステムも俺たちに寛容なのだろうか?
じゃあ、ダメもとでもう1つお願いしてみようかな。
【魔法創造】
1、【ナビシステム】
2、・ユグドラシルシステムをトレースして情報を音声ナビしてくれる俺専用システムナビ
・疑似人格を持ち独自に思考し、俺に危険がないよう音声ナビゲートしてくれる
3、疑似人格だからな……よし、ユグちゃんおいでー愛してるよー! 強くイメージ!
4、【魔法創造】発動
かなり集中してイメージしてみたがどうかな?
「ナビゲイトさん居ますか? おーい? ユグちゃんやーい!」
返事無し。
やっぱりダメか……神のシステムに関与とか流石にないですよねー。気を落とさずに次だ!
他にすぐ要りそうな魔法……やっぱ周りの状況が詳細に分る事。これがあれば危険がかなり回避できる。つまり探索魔法だ。
神の作ったシステムにも勿論既存で探索系スキルは何種類かあったのだが、大雑把なものだった。
俺は詳細に判る魔法が欲しいのだ。良いのが無ければ創ればいい。
【魔法創造】
1、【周辺探索】
2、自分を中心にサークル状に詳細探索する
MAP化し光点で敵味方をリアルタイムに確認できる
光点の色分けで敵味方の判別可能
魔獣:赤
敵(人):赤点滅
PT:緑
無関係者(接点なし者):白
3、よしこんなもんかな………………イメージ!
『……マスター、マーキング機能もあったほうが良いのでは?』
「ふぁっ! ユグちゃん!?」
『……はい』
「なんで? 【魔法創造】成功してたの? どうしてすぐ返事してくれなかったの?」
『……恥ずかしかったのです』
「女の人の声だね。可愛いアニメ声?」
『……マスターのイメージどおりです』
「マスターっていうのは?」
『……イメージどおりです』
「あー、それも俺がスキル創造時に抱いたイメージなのか、ユグちゃんが恥ずかしいのも?」
『……わかりません。でも愛してるってマスター言いました』
「えっ!」
『……言いました!』
「あー! 了解です! 『ユグちゃんおいで愛してるよー』って言ってる動画、俺の網膜に直接リピート再生しないでね。羞恥プレイ禁止!って、なんで動画で記録しているの!」
なんか、ヤバいのできちゃったかな。感情とかあるのか?
『……創るだけ創っておいて3分で捨てられる可哀想な私……』
「げっ! 思考も読めるって女神と一緒ジャン! 俺のプライベートは? あのう、24時間常時発動型でしたよね?」
『……マスターがそうイメージで創ったはずです……私、3分で捨てられる』
「もうぶっちゃけて聞くね……若いリビドーに負けて弾けたい時、俺のプライベートは?」
『……ナビします! ナビシステムだけに!』
「上手い事言ってないからね! 後、直リンクで俺の網膜上にエロ動画送ってこないで。しかもこれモザイク無いじゃん! ダメだからコレ!」
『……マスターのPCの隠しフォルダに入っていました。再生回数の1番多いヤツです! 前回再生終了位置から再生しました』
「えっ! 俺ちゃんとエッチなのは全部消したよ?」
『……ハードディスクはただデリートしただけでは実際にはまだ消えていないのですよ。ほら……』
「ごめんなさい……もう許してください。再生しないでください」
『……あの、急いだ方が宜しいのでは? オークたちの偵察部隊がすぐ上まで迫ってきてますよ?』
「おぉ! そうだった! その辺は優秀なんだね。これからよろしくね!」
『……はいマスター、こちらこそよろしくお願いします』
【魔法創造】
1、【周辺探索】
2、・自分を中心にサークル状に詳細索敵する
・MAP化し光点で敵味方をリアルタイムに確認できる
・オリジナル地図が作れる(通過したエリアの自動マッピング・転移地点の登録)
・罠、宝物の探知警告
・マーキングできる。永久的に追跡可能、MAP範囲内に入ると警告
・光点の色分けで判別可能
・魔獣:赤
・敵(人):赤点滅
・PT:青
・無関係者(接点なし者):白
・マーキング:緑点滅
・罠:黄色点滅
・宝物:青点滅
3、イメージ!!
4、【魔法創造】発動
よし、さっそく発動【周辺探索】 ゲッ! マジで近くまで来てるじゃん!
俺は慌ててオークの死体を創ったばかりの【インベントリ】内に放り込み、槍を持って中等部の方に走った。
クソッ! 時間を食い過ぎた! だが妹の所に行く前にあれだけは確保しないと!
本来の目的の物ではないのだが、目に留まったので通り道にあった弓道場に向かった。
今日は日曜なので、確か弓道部は午後4時には部活は終えているはずだ。
部室にある強い弓を5つ、替えの弓弦をあるだけ、矢も悪いと思ったのだが全部頂いた。
俺の本当の目的地はここだ。
俺は中等部の別館横にある小屋の鍵を壊し、中にある災害用食糧をほんの少しだけ残して根こそぎ【インベントリ】に放り込んだ。そこにあった発電機や懐中電灯、電池、ランタン、テントや飯盒などキャンプ用品やガソリンなどの燃料も、あった物全て確保した。要らない物は後で捨てればいい。とにかく時間が無い。
俺の妹は現在部活中で、ちょうど目の前の中等部の別館の中にいる。
妹の菜奈は料理部に所属していて、学園転移時、調理室で料理を作っていたそうだ。
この情報は優しい女神様が特別に教えてくれたもので、調理室で夕飯を作って部員で食べるというのが今日の部の活動内容らしい。
そういえば昨日妹からそんな内容のメールをもらっていた。
本来上履きに履き替えないといけないのだが、土足でそのまま調理室に駆け込んだ。
「菜奈居るか!? 菜奈!」
「兄様? 慌ててどうしたのですか? って土足で何してんのよ!」
「とりあえず今から言う事を全部信じろ! 時間が無い。この停電はただの停電じゃない。学園ごと異世界に転移された為に断線で起こったものだ。さっきの地震はその時の余波で起きたものだ」
「兄様? 本当にどうしたのです?」
あまり慌てる事のない、いつもと違う俺の態度に困惑気味だ。
それ以上に部活中の女子たちが驚いている……面識のない高等部の男子がいきなり土足で入ってきて喚き散らしているのだから当然か。
「後で必ずゆっくり説明する。ここは20分もしないうちに戦場になる。お前たちはただ狩られるだけの獲物だ」
話しながら包丁やら武器になりそうな物をどんどん【インベントリ】内に放り込んだ。鍋やコップや皿なども適当にぶち込んでいく。目に付いた調味料なども手当たり次第だ。
「兄様! それどうやっているのですか! 得意の手品にしてもちょっと異常ですよね?」
「【インベントリ】だ。この世界の魔法の1つだが、説明は後だ。危険な敵が来る! 4階の階段横の倉庫に避難するぞ。そこで説明する。皆も状況が解らずびっくりしているだろうが、別に俺は気がふれているわけではない。時間がマジでないんだ。危険な奴らが来る。悪いが付いてこない者は見捨てる。ここにいたら確実に死ぬ。菜奈の友人を見捨てるのは忍びないのでとりあえず付いてきてくれ! 説明はそこで必ずする!」
時間が無いという事で喚き散らしてしまい、ちょっと皆が引いている。
菜奈の兄じゃなかったら、話すら聞いてもらえず追い出されていただろう雰囲気だ。
「菜奈行くぞ!」
俺は菜奈の腕を強引に引っ張って上の階を目指した。料理部の皆は訝しげな顔をしながらもゾロゾロ付いてきている。先に4階に着いた俺は倉庫内の荷物を全部【インベントリ】に放り込んで皆が入れるスペースをつくった。
「菜奈、皆いるか?」
「うん、ちゃんといるよ、説明してくださいね?」
「ああ、勿論だ。その前に確認だ」
【周辺探索】を使い網膜上にMAPを出して見てみる。
「まずいな、偵察部隊がそのまま襲ってくると思ったのに、山の中腹で纏まっていやがる。クソッ、あいつら増援を掛けて根こそぎやる気だ」
「兄様! 早く説明してください! 私の立場もちょっとは考えてくださいね!」
「菜奈、騒ぐな。敵は耳が良いので絶対に悲鳴や大声は出さないように! 他の人もいいね? 大声出したら殴って気絶させるからね。襲ってくるまでにまだ少し時間はありそうだ……ここじゃ暗いから、一度廊下に出ようか。まずはこれを見てくれ、百聞は一見に如かずだ」
俺は【インベントリ】からオークを廊下に出した。ヒッ! っと言う声が漏れたが、驚きすぎて声も出ないようだ。もしくは現実味がなく何が起きてるか理解していないのだろう。
「作りモノじゃないからな。ちゃんと血も出るし、さっき殺したばかりなのでまだ温かい。信じられない人は触って確認してくれ。ここにこいつらが集団で来るまでにまだほんの少しだけ時間がありそうだ。詳しく説明する前に全員トイレに行ってきてくれ。今を逃すと今後何時間トイレに行けなくなるか分からない」
いきなり初対面で女の子にトイレに行って来いと言ったが、何だコイツみたいな顔をされてしまっている。
皆の為に言ってるのだけど、説明前なので変態を見る目で見られてしまい、めげそうだ。
「悪いが水は流さないように。音で気付かれるかもしれない。ドアの開け閉めも静かにする事、鍵もかけないように。とにかく音を出すな。後、こいつらは鼻がとてもいい。香水やコロンや化粧をしている者はこれ以上匂わせないように。今から10分以内にトイレを済ませてきてくれ。なんだったらそこの屋上でしてもいい。命が掛かっているので恥ずかしいとか言ってる場合じゃないのは理解してほしい。それと10分で戻らない場合は悪いが鍵をかけて締め出すので別の所に行って自分で何とかして生き残ってくれ」
「兄様、それ本物なのです? オークですよね?」
「そうだ。でも、質問は後にしろ。菜奈、先にトイレに行ってこい。後で行きたいと言っても絶対行かせないぞ。垂れ流すのが嫌なら今のうちに行ってこい。説明はそれからだ」
とりあええず妹の菜奈を無事確保できた。
他にも部員が10人居るが、菜奈の友人たちを見捨てる訳にもいかない。
俺もトイレを済ませ皆が揃うのを待つ事にする。
さて、ここからは急がないと、すぐにオークやゴブリンが集団でやってくる。
まずはフィリア様から幸が薄くて可哀想だと同情で貰ったユニークスキルだ。
俺がダメもとで言ってみたスキルは【魔法創造】、つまり俺専用のオリジナル魔法を創りだすユニークスキルだ。これがどれだけチートなのか解るだろうか?
かの有名な魔法のランプの魔人ジーニー様でも願いは3つまで、願いを増やすというズルい願いは受け付けないと先に断言しているほどだ。
なのに、【魔法創造】は実質俺の発想次第で無限にスキルを増やせるのだ、ズルいどころではないだろう。
神のシステムが良いというのだから、勿論有難くいただきますけどね。
時間も無いのでさっそくオリジナル魔法を創る事にする。
魔法を創るに際して、アビリティポイントを1消費するのが分かっている。
レベルアップ時に貰った3ポイントで俺は【身体強化】をレベル2にしたかったのだが、スキル作製の為に我慢したのだ。
どういう風にオリジナルを創るかだが、大体こんな感じだ。
【魔法創造】開始の始点
1、スキル名を記入
2、どんな魔法か、できるだけ具体的なことを書き込む
3、事前・事後・発動・現象・効果・効能・威力など、どういう風なスキルかイメージする
4、イメージできたら、【魔法創造】のスキル発動
(特に3のイメージがスキルの威力や効果に左右するので、すごく集中するべし)
とりあえずすぐに要るものから創るかな。
【魔法創造】
1、【インベントリ】
2、・空間魔法の応用で亜空間に倉庫を創る
・収納数及び重量制限は無制限
・ユグドラシルシステムの管理で【クリスタルプレート】上で確認できる
・1枠が横5×縦10の表示とする
・倉庫内は時間停止状態とする
・生物は植物や微生物以外保管できない
3、イメージ
4、【魔法創造】発動
どうだ? よし成功だ!
既存魔法に【亜空間倉庫】という同じようなスキルがあるが、俺の【インベントリ】に比べたら劣化版としか思えない。重量制限や時間経過による経年劣化があるからだ。
この【インベントリ】は、中の時間が経過しない……これもかなりズルいのでダメかと思ったがシステムが許可したようだ。結構神様のシステムも俺たちに寛容なのだろうか?
じゃあ、ダメもとでもう1つお願いしてみようかな。
【魔法創造】
1、【ナビシステム】
2、・ユグドラシルシステムをトレースして情報を音声ナビしてくれる俺専用システムナビ
・疑似人格を持ち独自に思考し、俺に危険がないよう音声ナビゲートしてくれる
3、疑似人格だからな……よし、ユグちゃんおいでー愛してるよー! 強くイメージ!
4、【魔法創造】発動
かなり集中してイメージしてみたがどうかな?
「ナビゲイトさん居ますか? おーい? ユグちゃんやーい!」
返事無し。
やっぱりダメか……神のシステムに関与とか流石にないですよねー。気を落とさずに次だ!
他にすぐ要りそうな魔法……やっぱ周りの状況が詳細に分る事。これがあれば危険がかなり回避できる。つまり探索魔法だ。
神の作ったシステムにも勿論既存で探索系スキルは何種類かあったのだが、大雑把なものだった。
俺は詳細に判る魔法が欲しいのだ。良いのが無ければ創ればいい。
【魔法創造】
1、【周辺探索】
2、自分を中心にサークル状に詳細探索する
MAP化し光点で敵味方をリアルタイムに確認できる
光点の色分けで敵味方の判別可能
魔獣:赤
敵(人):赤点滅
PT:緑
無関係者(接点なし者):白
3、よしこんなもんかな………………イメージ!
『……マスター、マーキング機能もあったほうが良いのでは?』
「ふぁっ! ユグちゃん!?」
『……はい』
「なんで? 【魔法創造】成功してたの? どうしてすぐ返事してくれなかったの?」
『……恥ずかしかったのです』
「女の人の声だね。可愛いアニメ声?」
『……マスターのイメージどおりです』
「マスターっていうのは?」
『……イメージどおりです』
「あー、それも俺がスキル創造時に抱いたイメージなのか、ユグちゃんが恥ずかしいのも?」
『……わかりません。でも愛してるってマスター言いました』
「えっ!」
『……言いました!』
「あー! 了解です! 『ユグちゃんおいで愛してるよー』って言ってる動画、俺の網膜に直接リピート再生しないでね。羞恥プレイ禁止!って、なんで動画で記録しているの!」
なんか、ヤバいのできちゃったかな。感情とかあるのか?
『……創るだけ創っておいて3分で捨てられる可哀想な私……』
「げっ! 思考も読めるって女神と一緒ジャン! 俺のプライベートは? あのう、24時間常時発動型でしたよね?」
『……マスターがそうイメージで創ったはずです……私、3分で捨てられる』
「もうぶっちゃけて聞くね……若いリビドーに負けて弾けたい時、俺のプライベートは?」
『……ナビします! ナビシステムだけに!』
「上手い事言ってないからね! 後、直リンクで俺の網膜上にエロ動画送ってこないで。しかもこれモザイク無いじゃん! ダメだからコレ!」
『……マスターのPCの隠しフォルダに入っていました。再生回数の1番多いヤツです! 前回再生終了位置から再生しました』
「えっ! 俺ちゃんとエッチなのは全部消したよ?」
『……ハードディスクはただデリートしただけでは実際にはまだ消えていないのですよ。ほら……』
「ごめんなさい……もう許してください。再生しないでください」
『……あの、急いだ方が宜しいのでは? オークたちの偵察部隊がすぐ上まで迫ってきてますよ?』
「おぉ! そうだった! その辺は優秀なんだね。これからよろしくね!」
『……はいマスター、こちらこそよろしくお願いします』
【魔法創造】
1、【周辺探索】
2、・自分を中心にサークル状に詳細索敵する
・MAP化し光点で敵味方をリアルタイムに確認できる
・オリジナル地図が作れる(通過したエリアの自動マッピング・転移地点の登録)
・罠、宝物の探知警告
・マーキングできる。永久的に追跡可能、MAP範囲内に入ると警告
・光点の色分けで判別可能
・魔獣:赤
・敵(人):赤点滅
・PT:青
・無関係者(接点なし者):白
・マーキング:緑点滅
・罠:黄色点滅
・宝物:青点滅
3、イメージ!!
4、【魔法創造】発動
よし、さっそく発動【周辺探索】 ゲッ! マジで近くまで来てるじゃん!
俺は慌ててオークの死体を創ったばかりの【インベントリ】内に放り込み、槍を持って中等部の方に走った。
クソッ! 時間を食い過ぎた! だが妹の所に行く前にあれだけは確保しないと!
本来の目的の物ではないのだが、目に留まったので通り道にあった弓道場に向かった。
今日は日曜なので、確か弓道部は午後4時には部活は終えているはずだ。
部室にある強い弓を5つ、替えの弓弦をあるだけ、矢も悪いと思ったのだが全部頂いた。
俺の本当の目的地はここだ。
俺は中等部の別館横にある小屋の鍵を壊し、中にある災害用食糧をほんの少しだけ残して根こそぎ【インベントリ】に放り込んだ。そこにあった発電機や懐中電灯、電池、ランタン、テントや飯盒などキャンプ用品やガソリンなどの燃料も、あった物全て確保した。要らない物は後で捨てればいい。とにかく時間が無い。
俺の妹は現在部活中で、ちょうど目の前の中等部の別館の中にいる。
妹の菜奈は料理部に所属していて、学園転移時、調理室で料理を作っていたそうだ。
この情報は優しい女神様が特別に教えてくれたもので、調理室で夕飯を作って部員で食べるというのが今日の部の活動内容らしい。
そういえば昨日妹からそんな内容のメールをもらっていた。
本来上履きに履き替えないといけないのだが、土足でそのまま調理室に駆け込んだ。
「菜奈居るか!? 菜奈!」
「兄様? 慌ててどうしたのですか? って土足で何してんのよ!」
「とりあえず今から言う事を全部信じろ! 時間が無い。この停電はただの停電じゃない。学園ごと異世界に転移された為に断線で起こったものだ。さっきの地震はその時の余波で起きたものだ」
「兄様? 本当にどうしたのです?」
あまり慌てる事のない、いつもと違う俺の態度に困惑気味だ。
それ以上に部活中の女子たちが驚いている……面識のない高等部の男子がいきなり土足で入ってきて喚き散らしているのだから当然か。
「後で必ずゆっくり説明する。ここは20分もしないうちに戦場になる。お前たちはただ狩られるだけの獲物だ」
話しながら包丁やら武器になりそうな物をどんどん【インベントリ】内に放り込んだ。鍋やコップや皿なども適当にぶち込んでいく。目に付いた調味料なども手当たり次第だ。
「兄様! それどうやっているのですか! 得意の手品にしてもちょっと異常ですよね?」
「【インベントリ】だ。この世界の魔法の1つだが、説明は後だ。危険な敵が来る! 4階の階段横の倉庫に避難するぞ。そこで説明する。皆も状況が解らずびっくりしているだろうが、別に俺は気がふれているわけではない。時間がマジでないんだ。危険な奴らが来る。悪いが付いてこない者は見捨てる。ここにいたら確実に死ぬ。菜奈の友人を見捨てるのは忍びないのでとりあえず付いてきてくれ! 説明はそこで必ずする!」
時間が無いという事で喚き散らしてしまい、ちょっと皆が引いている。
菜奈の兄じゃなかったら、話すら聞いてもらえず追い出されていただろう雰囲気だ。
「菜奈行くぞ!」
俺は菜奈の腕を強引に引っ張って上の階を目指した。料理部の皆は訝しげな顔をしながらもゾロゾロ付いてきている。先に4階に着いた俺は倉庫内の荷物を全部【インベントリ】に放り込んで皆が入れるスペースをつくった。
「菜奈、皆いるか?」
「うん、ちゃんといるよ、説明してくださいね?」
「ああ、勿論だ。その前に確認だ」
【周辺探索】を使い網膜上にMAPを出して見てみる。
「まずいな、偵察部隊がそのまま襲ってくると思ったのに、山の中腹で纏まっていやがる。クソッ、あいつら増援を掛けて根こそぎやる気だ」
「兄様! 早く説明してください! 私の立場もちょっとは考えてくださいね!」
「菜奈、騒ぐな。敵は耳が良いので絶対に悲鳴や大声は出さないように! 他の人もいいね? 大声出したら殴って気絶させるからね。襲ってくるまでにまだ少し時間はありそうだ……ここじゃ暗いから、一度廊下に出ようか。まずはこれを見てくれ、百聞は一見に如かずだ」
俺は【インベントリ】からオークを廊下に出した。ヒッ! っと言う声が漏れたが、驚きすぎて声も出ないようだ。もしくは現実味がなく何が起きてるか理解していないのだろう。
「作りモノじゃないからな。ちゃんと血も出るし、さっき殺したばかりなのでまだ温かい。信じられない人は触って確認してくれ。ここにこいつらが集団で来るまでにまだほんの少しだけ時間がありそうだ。詳しく説明する前に全員トイレに行ってきてくれ。今を逃すと今後何時間トイレに行けなくなるか分からない」
いきなり初対面で女の子にトイレに行って来いと言ったが、何だコイツみたいな顔をされてしまっている。
皆の為に言ってるのだけど、説明前なので変態を見る目で見られてしまい、めげそうだ。
「悪いが水は流さないように。音で気付かれるかもしれない。ドアの開け閉めも静かにする事、鍵もかけないように。とにかく音を出すな。後、こいつらは鼻がとてもいい。香水やコロンや化粧をしている者はこれ以上匂わせないように。今から10分以内にトイレを済ませてきてくれ。なんだったらそこの屋上でしてもいい。命が掛かっているので恥ずかしいとか言ってる場合じゃないのは理解してほしい。それと10分で戻らない場合は悪いが鍵をかけて締め出すので別の所に行って自分で何とかして生き残ってくれ」
「兄様、それ本物なのです? オークですよね?」
「そうだ。でも、質問は後にしろ。菜奈、先にトイレに行ってこい。後で行きたいと言っても絶対行かせないぞ。垂れ流すのが嫌なら今のうちに行ってこい。説明はそれからだ」
とりあええず妹の菜奈を無事確保できた。
他にも部員が10人居るが、菜奈の友人たちを見捨てる訳にもいかない。
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大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。
が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。
それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。
漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。
生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。
タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。
*カクヨム先行公開
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