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錬金術士の弟子になる

後始末と試験

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 黒猫はクオの森から流れてくる川に来ていた。
 なぜ?と思うかもしれないが、それは体についた血を落とす為だ。
 エリィの家や組合の方で体を洗う事もできたが、血まみれの状態で町に入るのを躊躇したからだ。

  他の使い魔達に見つかって噂になっても困るものね。
  なら、一回川で洗うのがベストよね。

 川に入ろうとすると、近くの浅瀬に横たわる人影を見つけた。
 トーマスが打ち倒した黒ローブではない。
 良く見れば下半身が魚の姿をしていた。

  人魚・・・・・・?
  どうするべきかしら・・・・・・。

 黒猫は悩んだ。通常であれば人魚は魔獣に当たるし、討伐するべき相手。
 友好的な人魚もいるが、基本は南の方にある国に固まって暮らしてて他で現れる人魚は大抵が討伐対象だ。
 ましてや内陸の川に現れるなんて普通じゃない。
 黒猫は人魚に近づいてみる事にした、いざとなればナイトホロウの力を使う事も視野に入れながら。

「酷い有様ね・・・・・・。傷だらけじゃない」
「あ・・・・・・、た・・・・・・」
「よく分からないけど悪い魔獣じゃなさそうね。少し待ってなさい」

 そう言うと、黒猫は川に飛び込み大雑把に血を洗い流す。
 本来ならもう少し丁寧に洗いたいが、人魚を助ける為に急いでエリィの家に向かう必要があった。

  たしかまだアレがあったはず。
  取りに行かないと。

 黒猫が取りに行ったのは、エリィが酒代にする為だけに作った高品質の回復薬。黒猫には自分が怪我した時用だと言い張っていたやつだ。
 それも一般では出回らないような出来の良いもの。高品質よりさらに上の回復薬と言っていいかもしれない。
 だが、名目上は高品質である。理由は使った材料もレシピも高品質の回復薬であるからだ。
 町の入り口で始まった戦闘も無事に終わっていたが、町中では未だに警戒ムードで冒険者達が見回りをしている。
 そんな町中を気にする事無く走り、黒猫はエリィの家で目的の回復薬を咥えて戻る。

「薬を持ってきたけど、これは飲むのも難しいかしら?それに自力では動けなさそうね。・・・・・・仕方ないわね」

 黒猫はナイトホロウの力を使い人型になり、人魚を陸地へ運び寝かせる。

「本来は飲ませる物だけど、高品質の物とりわけご主人様と私が作った回復薬なら体に撒くだけでもいいはず・・・・・・」

 黒猫は人魚の体に高品質の回復薬を振り掛けた。
 人魚の体にみるみる回復薬が吸収されていくのを見て黒猫は驚いた。

「水棲の魔獣だからかしら?凄い勢いで皮膚から吸収しているわね」
「あり、が、とう・・・・・・」
「さっきはよく見てなかったから気が付かなかったけど、あなた使い魔だったのね。でも、その主人は亡くなったようね。大丈夫?」

 主人を亡くした使い魔の首の模様は変化する。通常黒い刺繍のようになっているが、刺繍の枠線だけが残り中が白くなるのだ。つまり一度使い魔になるとその首の模様は一生消える事はなく、また使い魔同士の会話も主人を亡くしても可能である。
 黒猫が言った『主人は亡くなった』という言葉を聞いて人魚は涙を流した。悲しみではない、喜びからだ。

「ほ・・・・・・うに、あり、がと・・・・・・」
「まだ、喋るのは辛そうね。少し残ってるから、これを飲みなさい」

 黒猫は人魚の上半身を起こしてあげて、回復薬の残りを飲ませた。
 すると、人魚の傷口や痣が淡い緑色をおびて目視で分かる程に治癒されていく。

「思ったより効果が出るのが早くて驚いたけど、もう大丈夫そうね。念のため組合・・・・・・、人間達の治療施設で診て貰う事もできるけど?」
「感謝します・・・・・・。ですけど、もう人間に関わりたくありません。私はこのまま海へ帰りたいです」

  無理やり使い魔にさせられていた。
  そういう事・・・・・・ね。

「そうね。でも、覚えておいて人間すべてが悪いわけじゃないの。良い人だっているわ。難しいでしょうけど、すべてを憎む事だけはしないでね」
「・・・・・・割り切れない所はありますが、人間と暮らすあなたが言うのならそうなのでしょうね」
「海へはその川を下れば行けるわ、分岐もないし滝も無いから迷う事はないと思うわ」
「本当にありがとう。最後に一つ伝言をお願い。あの子供たちにとても怖い思いをさせてしまったの。怖い思いをさせてごめんなさいと伝えてください・・・・・・」

 人魚はそう言い残して川の中に消えていった。

「さて、これでやっと体を洗い直せるわね」

 そして、黒猫は念入りに体を洗った。



 町の入り口。




 敵の襲撃を受けた為か、いつもは無い松明が立てられ周囲を明るくしていた。
 戦闘はすでに無事に終わって、息のある敵を縄で縛り捕獲する作業が行われていた。

「ミィナちゃん無事だといいけど・・・・・・。まさか町に来てないなんてね・・・・・・」
「町の入り口にも敵がいたら戻れないよな・・・・・・。大丈夫かな・・・・・・」
「おそらくエリィさんの方に向かったのだろう。ハッハー!犬シロウが匂いで追跡してくれてるが、先程遠吠えでそう教えてくれた!ハッハー!」
「トーマスさん、今日は助けてくれてありがとうございました。それとお借りした服は洗ってお返しします」
「ハッハー!礼には及ばないさ。服のことも気にしなくていい、なんなら記念に差し上げよう!ハッハー!」
「洗ってお返しします!」
「ハッハッハー!」
「なぁ、トーマスさん」
「どうしたのかな?ハッハー!」
「俺も・・・・・・。トーマスさんみたいにみな子やリーヤを守ってやれる錬金術士になりたい。俺は今のままじゃ無力だって分かった・・・・・・。だから――」
「ヤガタはいつも子供だなーと思ってたけど、ちょっとは男らしくなったじゃないの」
「う、うるせー!俺はそんなに子供じゃねーって!」
「なれるさ!ハッハー!まったく厄介な敵だったが、子供たちの成長に繋がった事だけは感謝だな!ハッハー!」



 そして、山の少し開けた所。

「ミィナと猫スケ無事かい?」
「エリィさん・・・・・・」
「いつまでも泣くんじゃないさね。生きているなら大丈夫さ、生きてる限りどんな薬でも作って治してやるよ。死なない限りはどうとでもなるさね。立てるかい?猫スケを治療してやらないとだろ?町へ戻るよ!」

 ミィナは動かない。トラジを見ながら何かを考えてるようだ。

「エリィさん・・・・・・。どうしたら強くなれるんですか?私・・・・・・、強くなりたいです」

  強く、ね。それは無理ってもんさね。ミィナあんたには体を張って戦えるような才能はまったくないさね。
  だがそれも考え方一つさ、補う方法は何かしらあるもんさ。

「無理さね・・・・・・。あんたはどれだけ体を鍛えようが、私のようにはなれないさ」
「じゃぁ、私は・・・・・・、どうすればご主人様を守れるんですかぁ・・・・・・」
「まったく。泣き虫だねぇ。まず泣き虫をどうにかしな。あと、前にも似たような事言ったけどね。それを覆すなら――」
「すごーい使い魔・・・・・・」
「今回は使い魔じゃなく道具だね。何があっても対応できるように準備して道具を駆使しな。たぶんソレがあんたの強くなり方さね」

 ミィナはまた両親から貰ったゴーレムのぷくちゃんとツッチーくんを失った。
 だが、それでは不十分であろう事にミィナは気が付く。
 だって両親から貰ったゴーレム達はそういう用途の物でないのだから。

「猫スケと錬金術士になるんだろ?一緒にたくさん作って一緒に強くなればいいのさ。あんたは一人じゃないんだからね」
「ご主人様と・・・・・・一緒に、強く・・・・・・?」
「無理とか言うつもりかい?」

  ま、ここで無理とか本気で言うなら一発ビンタものだけどねぇ。

「・・・・・・私一人じゃ無理です。でも、もしご主人様が一緒にいてくれるなら・・・・・・。なんだって、きっと大丈夫な気がします」
「それでいいさね。それより立てるかい?あと、猫スケ私が運んでもいいかい?なんだか体が冷えてきちゃってねぇ」
「ご主人様は暖をとる物じゃないんですよ!私が運びます!」

  まったく世話の焼ける娘だねぇ。思ったより元気出るじゃないかい。
  しっかし、猫スケが主人になって大分この娘も変わったもんだねぇ。
  前は自暴自棄になって自殺覚悟でクオの森に行こうとしたってのにさ、守る為に強くなりたいって言うんだからね。
  いい教育してるさね。猫スケは。
 エリィとミィナは山を歩きで降り、犬シロウと合流して町に帰った。



 翌日の昼。組合の一室にてトラジは目を覚ました。

 予想通りのひどい筋肉痛状態だった。
 なぜか黒猫が横で添い寝してたが、気温が高い日だったのもあり『暑苦しい!』とトラジが言ったら『心配して付いててあげただけなんだからね!勘違いしないで!』と黒猫から意味不明の返しを貰い、ミィナは出会い頭にいきなり号泣された。
 先輩様やミケ、他の使い魔達からは人間の子供達を守る為に身を挺して戦ったヒーロー?となってるらしく、ミィナも鼻が高そうだが正直そこまでかっこいい事してないだろうとトラジは思った。

  泡吹かして気絶してただけだしな。

 その次の日。課題のアイテム作りをしようとしたら、しーちゃんあっくんが、どこで聞きつけたのかトラジとミィナの関係を知りやってきた。黒フード連中の目的にも関係してた訳だし、誰かが話してるのを偶然聞いてしまったんだろう。(※1章の昼下がり/間違え/ご主人様)
 そして次の日、いよいよ課題のアイテムを作ったわけなんだが・・・・・・。

「えっと~、失敗してしまったんでしょうか?」
「失敗だとすると、どこで間違ったのかまるで分からんな・・・・・・。材料も再確認したし、手順も問題ないはずだ」

 できたのは、黒い墨のような塊だった。
 なんかもう見事なTHE失敗・・・・・・、秒で分かる見た目だ。

「ミィナ!もう一度作るぞ!」
「は、はい~!次こそ成功させます!」

 でだ、出来たのは先程と同じ物体だった。

「ご、ご主人様~!2回とも失敗してしまいました!ど、どうすれば・・・・・・」
「ミィナ安心しろ、何があろうと地獄の先まで付き合ってやるから」
「ご主人様カッコイイですけど~、私達これで終わりなんでしょうか・・・・・・」

 トラジは考える。
 材料に問題は無い。手順も問題は無い。

  もしかして魔力か?
  錬金術はすべて魔力を使うらしいからな。だが、魔力のコントロールが要求されるような試験は鑑定くらいだという話だ。簡単な物なら周囲の魔力を勝手に使うしそれで十分らしいから使い魔の良し悪し関係ないだろう。
  何かヒントは・・・・・・。

「これを出して~、合格!という事にはならないですよね・・・・・・。もう見るからに失敗ですし」
「ああ!なるほどー!ミィナよくやった!ミィナ天才!!」
「え~と、どういう事ですか?」
「これで、成功なんだよきっと!」

  トーマスのやつの意味深な言葉はこうなる事が前提にあったからか!なるほどな。

 『何が成功で何が失敗なのか。ぜひ考えて試験に臨んで欲しい』

  この黒い物体も何か意味のある物なんだろ。確かに何が出来るかまでは教えられてないし、見るからに失敗でも本当に失敗とは限らないわけだ。
  まったくとんだ引っ掛け試験だぜ!

「ごめんなさい~。ご主人様、どういう事なのかよく分かんないです」
「ミィナは何もミスをしなかったそういう事だ!胸張っていいぞ!」
「は、はい~?」

 よく分からないままとりあえず胸を張るミィナ。
 ポヨンという擬音が聞こえてきそうな揺れをトラジは心で●RECした。



 そして提出日。

「ミィナちゃん。どう?トラジちゃんの様子は?ぐったりしてるの見た時はもう肝が冷えちゃったんだから」
「・・・・・・そ、その~。もう大丈夫ですよ」

 そう言ってミィナはその胸に抱えているトラジを撫でる。
 トラジ的には背中の鞄が一番楽なのだが、ミィナを助けようとして敵に捕まって死に掛けた件を理由に、しばらくの間抱っこされる事を約束させられていた。

「み、みな子もげ、元気そうで良かった、んじゃないか?」
「はぁ。あんたはホントまだまだねー。すらぁっと言えないの?」
「うっせ!」
「ヤ、ヤガタくんも~、大丈夫そうで良かったです」

  日を跨いだせいか?仲良くなったと思ったんだがな。
  ミィナの反応には硬さがあるな。
  リーヤやヤガタを友達と思えるようになるにはまだかかりそうだな。

「ふん」
「ヤガタよかっじゃない。名前覚えててもらえてー」

 リーヤはにんまり顔で顔を少し赤くしたヤガタを観察していた。
 すると、そこへトーマスがやってくる。

「ハッハッハー!おはよう錬金術士候補生諸君、お待ちかねの提出日だ!ハッハー!どうだ?ワクワクが止まらないだろう!ハッハー!そういう私もまたワクワクで一睡もせずに腕立てしたぞ!ハッハー!」
「トーマスさん。少しは休みなって!」
「最初会った時は、このノリについてけなかったけど少しは慣れるものね・・・・・・。トーマスさんお借りした服お返ししますね」
「2人とも元気そうで何よりだ!ハッハー!記念に貰ってくれてもいいんだぞ?ハッハー!」
「いりません」

 リーヤはいい笑顔でそう言った。

「さて、そろそろ。鑑定タイムといこう。これから君達の作った物を鑑定するからね、鑑定の仕方が分からない人はよく見ておくといい!ハッハー!犬シロウ頼むぞ!ハッハー!」

 トーマスは紙とペンを取り出して、犬が咆える度にメモしていく。

「犬が何言ってるかサッパリなんだが・・・・・・」
「大丈夫です~。後で教えますね」
「ん。頼むわ」

 ちなみに、トラジ達と同じ物を提出したのはリーヤだけだった。ヤガタはクッキーみたいな菓子で亀を選んだ子は小さめのタルトのような菓子だった。

「結果が出たぞ!今回レシピ通り作れたのはミィナくんとリーヤくんの2人だな!ハッハー!」
「えー!!あんな黒いのどうみても失敗じゃん!どうしてそんなのが課題なんだよ!」
「私もそう思う」
「ハッハー!言ったはずだぞ?何が成功で何が失敗か考えて欲しいとね!ハッハー!この黒いのはちゃんと意味のあるものなのさ。見た目だけで失敗だと決め付けてしまうのは錬金術士としては三流だぞ?ハッハー!」
「ちなみに、この黒いの何に使うんだ?甘い匂いがしたが?ミィナよろ」
「えっと~、トーマスさんこの黒いの甘い香りがしたんですが、何に使うんですか?」
「なかなか鋭いな!ハッハー!この黒いのは水に溶かして飲むものなのさ!ハッハー!」

 トーマスはコップ一杯の水に対してスプーン3杯ほどいれて掻き回した。

 ジュワ~~~!

 炭酸のいい音がした。

  見た目、まるでコーラだな。
  ちょっと飲みたいなこれは・・・・・・。

「これってオイコーラだったのか!」
「し、知らなかった・・・。てっきりただの失敗だと思ってた」

  コカコーラじゃなくて、オイコーラって言うのかよ!もうコーラでいいだろ!

「納得して貰えた所で続きだ!ハッハー!ヤガタくんのこのお菓子は錬金術で作ってないな?おそらくお店で買ったものだね!ハッハー!そしてアメリーくんは教えたレシピの塩を砂糖に変えたね?ハッハー!だが、先程の反応をみるに1度は黒いのを作ったようだね。いいかい?錬金術は色んな物が作れるし、ちょっと材料を間違うだけで未知の物ができる事も多い。今回のは違うが、明らかな失敗から画期的な物まである。錬金術士は見た目で物事を決めてはいけないんだ、覚えておくように!ハッハー!」

  あの亀選んだ奴アメリーってのか初めて知った・・・・・・。

「ヤガタあんたねぇ、流石に店で買うのはダメでしょ・・・・・・」
「う・・・・・・、だって見て失敗だと思うような黒いのだせるわけないだろ」
「その見栄を張って失敗してちゃ世話無いわよ。やっぱりまだまだ子供ね。男なら失敗でも堂々と出しなさいよ!」
「まぁまぁ、リーヤくんその辺にしてくれないか?ハッハー!まだ、話が終わってないのだからね!ハッハー!」
「すみません」
「では、試験の結果を言うよ!ハッハー!試験は全員通過!ハッハー!おめでとう!候補生から錬金術士の弟子に昇格だ!ハッハー!」
「「えぇ~~~~!!」」
「でも俺――」
「まぁ、本来であれば違う物を提出したら不合格にする所なのだが、今回は試験の一環であった採集中にアルマゲイドの残党の襲撃があってしまったからね!ハッハー!本部の方に話をしたら不測の事態が起こった事を考慮し試験の合格基準を引き下げてもいいと言われていてね!ハッハー!このような結果になったのさ!ハッハー!」

 本部の話を受け、今回の試験の合格条件はサニーフラワー百式の種の調達することにトーマスはしていたのだ。
 仲間と協力しサニーフラワーを探した3人は勿論。その仲間から分けてもらったアメリーも当然合格だった。
 正直ゆるゆるだ。

「だが、次の試験でも同じような事になるとは思わないでほしい!試験は合格ラインを超えなければ問答無用で不合格だ、そこに甘さも温情もないんだ!ハッハー!覚えておいてくれ!解散!ハッハー・・・・・・あ」

 トーマスは力尽きて地面に倒れた。
 そう疲労のせいだ・・・・・・。

「またなのか・・・・・・」
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