1 / 17
プロローグ
しおりを挟む
じめっとした暑さで肌がべたつく・・そんな夏の夜、賑やかな音楽が流れ、多くの人々が集う・・そう今日は年に一度の花火大会の日だ。
俺の横には少女がいる。手をつなぎ、恥じらう俺を少しからかいながら、年に一度の花火大会の日を楽しんでいる。
「あそこの射的で勝負しようよ」
「いいよ」
二人は夜店の射的に夢中になった。
「俺の勝ちだね」
俺は自慢げに答え、射的で手に入れた安物のおもちゃを手に繰り返し自慢をした。
「ハイハイ!私の負けです!」
お互いの負けず嫌いがぶつかり合う他愛のない時間・・すると今度は
「フランクフルト食べようよ?」
「好きなの?」
そう聞く俺の腕を引っ張り
「二本くださ~い」
積極的で人見知りをしない、活発的な少女なのだ。
フランクフルトを頬張る俺を嬉しそうに見つめている。純粋さがその瞳から溢れていた。
「付いてるよ!」
「えっマジで!!」
フランクフルトのケチャップが口の回りに付き、まるで3歳児のような俺・・その口元に手を伸ばし、そのケチャップを指で拭うと少女はその指を自分の口元に持っていき、ペロッと舐めて見せた。
その仕草に息をのみ、そして息が止まる・・生まれて初めて女性を意識した瞬間だった。
次の瞬間・・
『ヒューー』
『バン』『バン』
二人の後ろから、鮮やかで眩いばかりの光の閃光が弾けた・・。
その花火を見つめる少女の横顔を、俺はいつまでもいつまでも見つめ続けていたいそう思った。時間の流れを止められるのならば、そんな力があるならば、このまま・・ずっとこのままいさせてくれ! 強く願った次の瞬間・・少女は俺の中をすり抜け、遠くへ遠くへ・・
「行くな!」
「おい! どこ行くの?」
追いかける・・でも少女の背中は遠ざかる・・そこで目が覚めた!
「また同じ夢を見るようになってしまった」
流れる涙を拭う、ここは冷たい病院のベットの上。息苦しさを補うための酸素吸入の音だけが虚しく響いていた・・。
俺の横には少女がいる。手をつなぎ、恥じらう俺を少しからかいながら、年に一度の花火大会の日を楽しんでいる。
「あそこの射的で勝負しようよ」
「いいよ」
二人は夜店の射的に夢中になった。
「俺の勝ちだね」
俺は自慢げに答え、射的で手に入れた安物のおもちゃを手に繰り返し自慢をした。
「ハイハイ!私の負けです!」
お互いの負けず嫌いがぶつかり合う他愛のない時間・・すると今度は
「フランクフルト食べようよ?」
「好きなの?」
そう聞く俺の腕を引っ張り
「二本くださ~い」
積極的で人見知りをしない、活発的な少女なのだ。
フランクフルトを頬張る俺を嬉しそうに見つめている。純粋さがその瞳から溢れていた。
「付いてるよ!」
「えっマジで!!」
フランクフルトのケチャップが口の回りに付き、まるで3歳児のような俺・・その口元に手を伸ばし、そのケチャップを指で拭うと少女はその指を自分の口元に持っていき、ペロッと舐めて見せた。
その仕草に息をのみ、そして息が止まる・・生まれて初めて女性を意識した瞬間だった。
次の瞬間・・
『ヒューー』
『バン』『バン』
二人の後ろから、鮮やかで眩いばかりの光の閃光が弾けた・・。
その花火を見つめる少女の横顔を、俺はいつまでもいつまでも見つめ続けていたいそう思った。時間の流れを止められるのならば、そんな力があるならば、このまま・・ずっとこのままいさせてくれ! 強く願った次の瞬間・・少女は俺の中をすり抜け、遠くへ遠くへ・・
「行くな!」
「おい! どこ行くの?」
追いかける・・でも少女の背中は遠ざかる・・そこで目が覚めた!
「また同じ夢を見るようになってしまった」
流れる涙を拭う、ここは冷たい病院のベットの上。息苦しさを補うための酸素吸入の音だけが虚しく響いていた・・。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
★【完結】夏空に放物線を描いて消えた恋(作品240502)
菊池昭仁
恋愛
儚い恋の物語です。
そんな恋って誰にもありますよね? ありませんか?
夏のモクモクした入道雲が湧き上がるラピスラズリの空に、放物線を描いて消えた恋って。
私にはありましたよ。たぶんそんな恋が・・・。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる