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4月
5 続お茶会
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そうしていると副会長様が口を開く。
「頼は眩しい人ですね。頼の笑顔は私を照らしてくれます。」
副会長様は私もそんなふうに笑えたらいいのですが、と俯きながら言う。
「僕は好きですよ。」
「え」
「副会長様の笑った顔!たしかにいつもの人形のような綺麗な笑顔ですがも良いのですが生徒会の皆さまとお話しているときは表情豊かになって素敵です。」
「あ、ありがとう、ございます。」
自分が思ったことを言うと、副会長様の俯いた頭がさらに下を向く。照れているようだ。
「も、もうお開きの時間ですね。私たちは生徒会室に行きます。本日もありがとうございました。会長、行きますよ。」
「はぁ、わかった。頼、明日生徒会室に来い。」
「了解!」
ドアの前で手を振りながら遠ざかっていく2人を見送った。
「じゃあ片付けをして僕達も帰ろう。」
「はい!」
テーブルの上のお菓子や食器を片付けていると後ろから声がかかる
「ねえ」
「あ千尋くん!どうしたの?」
「ふん、お2人に話しかけられたからって調子に乗らないでよね」
「えっと、ごめん調子乗ってないよ。僕は千尋くんと話したかったから話しかけてくれてうれしいよ!」
調子に乗ってると思われてしまった。これ以上誤解されないようなるべく優しく言った。
「そんな態度とったって僕はだまされないから。お前みたいな汚いやつより僕の方が隊長にふさわしい。」
不機嫌そうに言い切った後走り去ってしまった。はぁ、今日も仲良くなれなかった。トホホな気分だ。
「隊長、あいつ絞めましょう」
「あんなやつ隊長の足元にも及びませんよ!」
「あ、ありがとう」
尊敬している隊長を悪く言われちょっと物騒な親衛隊達だった。
ーーーーーーーーーーーーー
机を埋めるほど大量に積まれた資料をかき分け目的の紙をとるとはぁ、と深いため息をついた。
風紀委員長内藤龍二は憂鬱だった。
先日同じ風紀に所属している旧友から伝えられたものを、先程直接理事長に話をしに行った。
ーコンコン
どうぞと声が聞こえるのを確認してドアノブに手をかける
「失礼します。理事長、転校生についてお話をお聞きしたいのですが……」
「それね、僕の甥っ子なんだ。前まで海外にいたから特別に入学時期を少し遅らせたんだ。」
「そうですか。それでは丁重に対応させます。」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ。それに君も、その子に会ったことあるはずだからね」
この資料あげるからあとで風紀室で見ておいてよ、と渡された2枚の紙。その1枚に貼ってあるカラーの写真にはたしかに見たことのある人物だった。一目見たら誰もがは 振り返るであろう端正な顔立ち。
そしてもう1枚の紙にはその人物に似ても似つかないが、同一人物である、もじゃもじゃが写っていた。
かわいがっている後輩の頼から聞いた王道転校生というもの。風紀委員に詳しい者がいたので説明を受けると、たしかに、季節外れの転校、理事長の甥であること、もじゃもじゃした変装をしていること、と条件が一致する。
「クソ、」
自分以外誰もいない部屋で独りごちる。
本来ならばこの時間は授業中であるから風紀委員室には誰もいないのは確かなのだが、だからといって必ずしも授業に出ているわけではない。シフト制で決められた校内の見回りをしている。この学園は閉鎖的で外部からの侵入者を好まない。だから自分達でなんとかしなければならない。そのための風紀委員会である。
大切な後輩の健やかな生活のためだ。もうひと頑張りするとしよう。そう思い、気合いを入れ直すため手作りの生姜湯を飲んだ。
「頼は眩しい人ですね。頼の笑顔は私を照らしてくれます。」
副会長様は私もそんなふうに笑えたらいいのですが、と俯きながら言う。
「僕は好きですよ。」
「え」
「副会長様の笑った顔!たしかにいつもの人形のような綺麗な笑顔ですがも良いのですが生徒会の皆さまとお話しているときは表情豊かになって素敵です。」
「あ、ありがとう、ございます。」
自分が思ったことを言うと、副会長様の俯いた頭がさらに下を向く。照れているようだ。
「も、もうお開きの時間ですね。私たちは生徒会室に行きます。本日もありがとうございました。会長、行きますよ。」
「はぁ、わかった。頼、明日生徒会室に来い。」
「了解!」
ドアの前で手を振りながら遠ざかっていく2人を見送った。
「じゃあ片付けをして僕達も帰ろう。」
「はい!」
テーブルの上のお菓子や食器を片付けていると後ろから声がかかる
「ねえ」
「あ千尋くん!どうしたの?」
「ふん、お2人に話しかけられたからって調子に乗らないでよね」
「えっと、ごめん調子乗ってないよ。僕は千尋くんと話したかったから話しかけてくれてうれしいよ!」
調子に乗ってると思われてしまった。これ以上誤解されないようなるべく優しく言った。
「そんな態度とったって僕はだまされないから。お前みたいな汚いやつより僕の方が隊長にふさわしい。」
不機嫌そうに言い切った後走り去ってしまった。はぁ、今日も仲良くなれなかった。トホホな気分だ。
「隊長、あいつ絞めましょう」
「あんなやつ隊長の足元にも及びませんよ!」
「あ、ありがとう」
尊敬している隊長を悪く言われちょっと物騒な親衛隊達だった。
ーーーーーーーーーーーーー
机を埋めるほど大量に積まれた資料をかき分け目的の紙をとるとはぁ、と深いため息をついた。
風紀委員長内藤龍二は憂鬱だった。
先日同じ風紀に所属している旧友から伝えられたものを、先程直接理事長に話をしに行った。
ーコンコン
どうぞと声が聞こえるのを確認してドアノブに手をかける
「失礼します。理事長、転校生についてお話をお聞きしたいのですが……」
「それね、僕の甥っ子なんだ。前まで海外にいたから特別に入学時期を少し遅らせたんだ。」
「そうですか。それでは丁重に対応させます。」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ。それに君も、その子に会ったことあるはずだからね」
この資料あげるからあとで風紀室で見ておいてよ、と渡された2枚の紙。その1枚に貼ってあるカラーの写真にはたしかに見たことのある人物だった。一目見たら誰もがは 振り返るであろう端正な顔立ち。
そしてもう1枚の紙にはその人物に似ても似つかないが、同一人物である、もじゃもじゃが写っていた。
かわいがっている後輩の頼から聞いた王道転校生というもの。風紀委員に詳しい者がいたので説明を受けると、たしかに、季節外れの転校、理事長の甥であること、もじゃもじゃした変装をしていること、と条件が一致する。
「クソ、」
自分以外誰もいない部屋で独りごちる。
本来ならばこの時間は授業中であるから風紀委員室には誰もいないのは確かなのだが、だからといって必ずしも授業に出ているわけではない。シフト制で決められた校内の見回りをしている。この学園は閉鎖的で外部からの侵入者を好まない。だから自分達でなんとかしなければならない。そのための風紀委員会である。
大切な後輩の健やかな生活のためだ。もうひと頑張りするとしよう。そう思い、気合いを入れ直すため手作りの生姜湯を飲んだ。
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