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レプリカ
転生したら王だった
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俺達の前に燦然と輝く宝石が置かれてる。
(これが王妃の首飾りか)
百カラット近い燦然と輝くダイヤ。こんなに大きなダイヤ初めて見た。
周りには装飾でなのだろう、花や葉ののモチーフとして赤いルビーやサファイア、トパーズなどが飾られていたのだろうが、今は切り取られていてわずかしか残っていない。
「本体のダイヤがあっただけでもありがたい」
「しかし、大きなダイヤですね」
「当たり前よ。滅多に出ない最高のダイヤだからね」
「はぁ~。しかし、誰がこのダイヤを・・・。皆んなこの存在を知っているのですか?」
「しってるでしょうね。私が王妃の頃はこのネックレスをつけてパーティに出たし、地方の有力な貴族に招待されれば付けていっのですから」
「そうか・・・」
「それでリューク、あなた何が策はあるの?」
コーデリアさんが俺の方を見た。俺は考えていた作戦を話す。
「リゼットにはしばらく病気と称して休んでもらって、その間にこのダイヤの偽物を用意しようと考えてました」
その俺の作戦を話している間、コーデリアさんが不敵に笑うのが見えた。
「あなた、このダイヤの偽物を用意するのにどの位で出来ると思ったの?」
「えっ、そ、それは・・・」
数日で出来ると思ったが間違いか。
「レナート!」
「はい、ただいま」
レナートが箱を二つ手に持って来た。その一つを開けると、「えええーーーー!!」
その中身を見て俺達は一斉に声を張り上げた。
「こ、こ、こ・・・」
オードリーが言葉にならない声を上げる。「これは」と言いたいのか「コーデリア様」と言いたいのか分からない。
「これは一体?」
(これはだったか)
「レプリカです」
平然とコーデリアさんは答える。もう一つの箱も同じ物が入っていた。
「万が一の事を考えて作っていた物です」
レナートが答える。
「万が一・・・」
「王妃たる者、招待を受けた時、大きな行事には参加せねばなりません。その時は王妃たる象徴の首飾りを付けます。付けますが、いつ何時事故や事件に巻き込まれるやも知れません。その時の為に本物と見分けのつかないレプリカを付ける時もあります」
「なるほど。確かにそうですね。レプリカと言われなければわからない」
「一般人ならそうでしょう」
「あは、ははは・・・」
俺達は見分けの分からない一般人です。
「レナート」
「はい」
レナートはペンチを手にするとレプリカを本物と同じ形に切る。勿体ないと思ったが仕方ない。レプリカと本物は寸分違わない形になった。素人の俺には同時に見せられたらどっちかレプリカでどっちが本物か分からないだろう。それはアンドルーやオードリーも同じ様だ。
「リゼット」
「は、はい」
同じ様に目を丸くして見ていたリゼットがコーデリアさんに名を呼ばれて緊張した声で返事をした。
「貴女はレプリカの方をその・・・」
「ターナです」
「そのターナとやらに渡しなさい」
俺はコーデリアさんがリゼットの方を向いている隙に、レプリカと本物を素早くすり替えたみた。オードリーとアンドルーが驚いた表情を見せたが、目で黙っている様に合図する。
コーデリアさんはチラッと首飾りを見ると本物を手に取った。
(ヤッタァー!)
と、いう気持ちが出てしまったのか、すこし宝石を見ると直ぐに交換した。
「私を欺くのはまだまだ早いですね」
「・・・・」
「では、リゼット。これを渡しなさい。後の事はこの者達が引き受けますから」
「は、はい。リゼット、安心して。君の家族はきっと助けるからね」
「あ、ありがとうございます。だ、大事な首飾りを盗んだかばかりか、バラバラに分解したのに・・・」
リゼットが涙を浮かべて俺達に頭を下げる。
「貴女は一番大事な百カラットもあるダイヤを、家族が命の危険があるのにも拘らず渡さなかった。それだけで十分忠義ある行動です」
「そ、そうです! 流石はコーデリア皇太后、懐が大きい!」
「そんな事当たり前です。それよりしっかり後始末はして下さいね」
「・・・は、はい。任せて下さい」
俺達は直立して返事をする。
リゼットはターナと接触してる。俺達は悟られない様にターナを見張る。
ターナはダイヤを受けとって満足なのか、嬉しそうな笑顔を見せるとリゼットの型を叩いた。
ターナが首飾りを懐にしまい、立ち去って行くと、その後を庶民・・・で良いのか分からないが・・・の服装に着替えたアンドルーが付けていく。
既にリゼットの家ではアンドルーの配下の者によって母親と弟は救出されている。だが、途中で他の仲間に首飾りを渡すこともあるので、尾行をする事になったのだ。
(これが王妃の首飾りか)
百カラット近い燦然と輝くダイヤ。こんなに大きなダイヤ初めて見た。
周りには装飾でなのだろう、花や葉ののモチーフとして赤いルビーやサファイア、トパーズなどが飾られていたのだろうが、今は切り取られていてわずかしか残っていない。
「本体のダイヤがあっただけでもありがたい」
「しかし、大きなダイヤですね」
「当たり前よ。滅多に出ない最高のダイヤだからね」
「はぁ~。しかし、誰がこのダイヤを・・・。皆んなこの存在を知っているのですか?」
「しってるでしょうね。私が王妃の頃はこのネックレスをつけてパーティに出たし、地方の有力な貴族に招待されれば付けていっのですから」
「そうか・・・」
「それでリューク、あなた何が策はあるの?」
コーデリアさんが俺の方を見た。俺は考えていた作戦を話す。
「リゼットにはしばらく病気と称して休んでもらって、その間にこのダイヤの偽物を用意しようと考えてました」
その俺の作戦を話している間、コーデリアさんが不敵に笑うのが見えた。
「あなた、このダイヤの偽物を用意するのにどの位で出来ると思ったの?」
「えっ、そ、それは・・・」
数日で出来ると思ったが間違いか。
「レナート!」
「はい、ただいま」
レナートが箱を二つ手に持って来た。その一つを開けると、「えええーーーー!!」
その中身を見て俺達は一斉に声を張り上げた。
「こ、こ、こ・・・」
オードリーが言葉にならない声を上げる。「これは」と言いたいのか「コーデリア様」と言いたいのか分からない。
「これは一体?」
(これはだったか)
「レプリカです」
平然とコーデリアさんは答える。もう一つの箱も同じ物が入っていた。
「万が一の事を考えて作っていた物です」
レナートが答える。
「万が一・・・」
「王妃たる者、招待を受けた時、大きな行事には参加せねばなりません。その時は王妃たる象徴の首飾りを付けます。付けますが、いつ何時事故や事件に巻き込まれるやも知れません。その時の為に本物と見分けのつかないレプリカを付ける時もあります」
「なるほど。確かにそうですね。レプリカと言われなければわからない」
「一般人ならそうでしょう」
「あは、ははは・・・」
俺達は見分けの分からない一般人です。
「レナート」
「はい」
レナートはペンチを手にするとレプリカを本物と同じ形に切る。勿体ないと思ったが仕方ない。レプリカと本物は寸分違わない形になった。素人の俺には同時に見せられたらどっちかレプリカでどっちが本物か分からないだろう。それはアンドルーやオードリーも同じ様だ。
「リゼット」
「は、はい」
同じ様に目を丸くして見ていたリゼットがコーデリアさんに名を呼ばれて緊張した声で返事をした。
「貴女はレプリカの方をその・・・」
「ターナです」
「そのターナとやらに渡しなさい」
俺はコーデリアさんがリゼットの方を向いている隙に、レプリカと本物を素早くすり替えたみた。オードリーとアンドルーが驚いた表情を見せたが、目で黙っている様に合図する。
コーデリアさんはチラッと首飾りを見ると本物を手に取った。
(ヤッタァー!)
と、いう気持ちが出てしまったのか、すこし宝石を見ると直ぐに交換した。
「私を欺くのはまだまだ早いですね」
「・・・・」
「では、リゼット。これを渡しなさい。後の事はこの者達が引き受けますから」
「は、はい。リゼット、安心して。君の家族はきっと助けるからね」
「あ、ありがとうございます。だ、大事な首飾りを盗んだかばかりか、バラバラに分解したのに・・・」
リゼットが涙を浮かべて俺達に頭を下げる。
「貴女は一番大事な百カラットもあるダイヤを、家族が命の危険があるのにも拘らず渡さなかった。それだけで十分忠義ある行動です」
「そ、そうです! 流石はコーデリア皇太后、懐が大きい!」
「そんな事当たり前です。それよりしっかり後始末はして下さいね」
「・・・は、はい。任せて下さい」
俺達は直立して返事をする。
リゼットはターナと接触してる。俺達は悟られない様にターナを見張る。
ターナはダイヤを受けとって満足なのか、嬉しそうな笑顔を見せるとリゼットの型を叩いた。
ターナが首飾りを懐にしまい、立ち去って行くと、その後を庶民・・・で良いのか分からないが・・・の服装に着替えたアンドルーが付けていく。
既にリゼットの家ではアンドルーの配下の者によって母親と弟は救出されている。だが、途中で他の仲間に首飾りを渡すこともあるので、尾行をする事になったのだ。
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