哀しみの散花

如月はるな

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哀しみの散花

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「ジャンヌさん、元気になって良かったです」
「ありがとう、アナベル」
   五日前、貿易商の接待と言う名ばかりの暴力からやっと傷が回復出来たのだ。
「フローリスはまだかかりそう・・・」
   アナベルに負けたフローリスは剣闘士に犯された。その傷は深くまだ復帰出来ていない。 
「それよりあなた、気づいてる?」
   何の事だかアナベルはすぐ察知した。
「はい」
   振り返ることは出来ない。三日前から異様な視線を感じている。その視線の相手は館長のカールだ。ミランダが居なくなってから三ヶ月、カールはミランダに代わる相手を物色していて、どうやらアナベルに目を付けた様なのだ。
「目つけられてるわね」
「はい。困ってます」
「しつこいわよ。ミランダの時もそうだった。根負けで受け入れてしまった感じだったわ」
「どうしましょう」
「無視よ、無視。近づかないこと」
   それは出来ない事だと分かっている。館長なのだから一日中同じ館内にいるし、用を言いつけられたりもする。あと、新しく開発した淫具の調子を見るためにここにいる女性に試したりするのだ。
   つい先日もアナベルは張り型を装着された。外から空気を入れて伸縮する事が出来るゴム製の張り型だった。

「あうん、あ、あ、あああーー・・・」
   夜ともなるとセックスを求めてくる男は少ない。貿易商人と違って、朝からは仕事があるからだ。
「良いよ、良いよ、アナベル。お前の穴は最高だ!」
   メズールと言う貿易の斡旋をしている外務担当の高官だ。せり出したお腹の上にアナベルを乗せて、下から小振りの乳房を撫で回している。アナベルはメズールの腹の上で一生懸命身体を上下させている。
「もう少しだ、もう少しで・・・イク・・」
「ああん、はぁ、はぁ、あああ・・・」
「おおおーー、出す、出すぞぉぉーーー」
「はあん、いい・・・」
   体内に白濁液を受け、アナベルもメズールの腹の上に倒れこんだ。
「アナベル、君は最高だ」
   メズールは雄芯を引き抜くと、倒れこんだアナベルの額にキスした。
「また、来るからね」
「・・・はい、お待ちしております」
   心にも無い言葉だが、今ではサラッと言う事が出来る様になった。
   部屋から出て行くのを見届けると、流れ出る精液を拭う。
(終わった・・・はやく寝たい)
   湯屋に行こうと奥の扉に手を掛けた時、ドアが開いた。
(えっ? まだいたの?)
   振り返るとカールの姿があった。
「か、館長?」
   カールは大股でアナベルに近づくと、アナベルの顔に布を押し当てた。
「!」
   ツーンとした匂いがしたかと思うと、意識が遠のくのが分かった。
   倒れる寸前でカールはアナベルを抱きとめると、ニヤリと笑った。
「アナベル・・・僕のモノ」
   アナベルを抱きかかえ、暗い館内の奥にある自室に連れ込む。
「アナベル・・・誰にも渡さないよ」 
   ミランダの時は自由にし過ぎたのだと、カールは反省した。今度は部屋から出さない、自分だけのモノにすると。

「風邪・・・ですか?」
   アナベルがいないのを不審に思ったジャンヌがカールに、その事を報告すると、カールから返ってきた返事がこれだった。
「悪性の風邪かもしれないので隔離したから」
「・・・はあ」
   カールの表情は何故か明るい。まさかと思いつつもジャンヌには何も言えない。
(まさか・・・館長がアナベルを・・・)
   だが、館長の部屋には入ることは出来ない。
(アナベル・・・助ける事は出来ないの?)

「うううっ、ううう・・・」
   この部屋に連れ込まられ、気がついた時はカールと繋がっていた。激しいセックスだった。今は朝の挨拶や見回りのために部屋を出ているが、直ぐに戻って来るだろう。その間もアナベルな秘部には張り型を差し込まれている。
(誰か気がついて・・・)
   しかし、気がついた所で誰が助けてくれるのだろうか。
(せめて薬だけでも飲まなければ・・・)
   ずっとこの部屋にとじ込まれ、カールとのセックスを強要されれば妊娠と言う可能性もある。それだけは避けたい。
(ミランダ・・・貴女もこの恐怖と戦っていたの?)
   口にボール状の猿ぐつわをかまされ、声も出せない。手首に革製の手錠。その先はベッドに繋がれている。手首を傷つけない為と思ったかも知らないが、外そうともがいた為、手首は革で擦りむいて傷ができている。

「ご飯持って来たよ」
   満面の笑みでカールが入ってきた。手の上の盆には食事が乗っている。
   アナベルに近づいて来ると、猿ぐつわを外した。
「さあ、食事だよ」
「か、館長、ここから出してください!」
「だめだよ。君は今病気なんだから」
「び、病気?」
「そう、悪性の風邪。皆んなに移したら大変だから、しばらくはここで。ね」
「わ、私は風邪なんて・・・」
「ひいてるの。はい、食事。食べさせてあげる。あ、その前に・・・」
    カールはアナベルの秘所に埋め込んだ、張り型をを抜いた。アナベルの体液に濡れた張り型を見せながら、
「これはね。僕のオチンチンの形を模して作ったんだよ。気持ち良かったでしょう。はい、アーンして」
   カールはスープをすくいアナベルの口元に運ぶ。
「そ、それより、薬、避妊薬をまず飲まないと・・」
「それはダメ」
「えっ?   何故ですか」
「だって、アナベルには僕の子供産んで欲しいから」
「?!」
「僕達は家族になるんだよ。アナベルに僕との子供ができたら、お父さんに頼んでアナベルを僕の奥さんにしてもらおう。楽しみだね。はい、アーン」
   血の気が引くのが分かった。もしかしたら本当に妊娠させられてしまうと言う恐怖。

(い、嫌です、もう、もう・・・)
   言葉を発せられないアナベルは頭“かぶり”を振った
「まだまだだよ。仕事が無ければ一日中アナベルの中にいられるのに」
   何度目のセックスだろうか。カールには限界というものが無いようだ。果てたかと思うと直ぐ回復して、アナベルの秘所の中は常にカールの精液で溢れている。
「アナベル、今度はこの形でしてみようね」
   アナベルを宙に釣った形で、アナベルの片足を上げまぐあう、疲れたら椅子に座り、アナベルの身体を自分の膝の上に下ろしまた、まぐあう。
「最高だよ、最高! やっぱりアナベルは僕の運命の人なんだね」
「うっ、ウウ、ウウウーーーー!」
   言葉は発せない。猿ぐつわから流れ出るヨダレをカールはペロペロと舐めたり、下からはズンズンとアナベルの膣内を抉る。本当なら、愛液など出ない状態なのだが、綱渡りに使用された媚薬を常に塗られる為か、気持ちとは裏腹に身体は高揚し、欲求に歯止めがかからないのだ。
(こ、これでは、私が壊れてしまう・・・)
   そう思いながらも突かれれば反応してしまう。それが激しければ激しいほど、嫌だと思いながらカールの雄芯を締め付け快感を貪る自分がいる。
「アナベルの中、柔らかく、キュッキュッと締め付け来るよ。あああー、気持ち良いよぉーーー!」
(あああーー、だ、だめ、また、くるぅ・・・)
   アナベルはカールの吐露した白濁液が子宮内に広がるのを感じていた。 
(いつまで続くの・・・無限地獄)
   そう思いながらも襞で雄芯をやわやわと包み込み、回復するのを手助けするのだった。
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