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幸せの場所
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「一条華奈子が任意で事情聴取を受けたそうですよ」
「・・・そうか」
英は興味無さそうにパソコンから目を離さずに呟いた。
「でも直ぐに証拠不十分で解放されたようですが」
「だろうな。あの女はしたたかだ。父親の地位もあるしな」
「大丈夫ですか? あの女は執念深いですよ」
「来たらやり返す」
麗央は英の後ろで頷いた。この人は歯向かってくるものは容赦なく叩く男だ。
英はパソコンの蓋を閉めた。
「だいぶ頑張ってるな。売り上げが伸びてる」
「当たり前ですよ。今度、一番下の妹が大学に入るのでその学費だって馬鹿にならないですからね」
「強引な経営はするなよ」
「大丈夫です。僕が見張ってますから」
後ろから声を出したのはフロアマネージャーの敦だ。
「なんだよ、僕がボッタクリ経営するはずなんて無いだろう」
「そうですか」
「頼むぞ、敦」
「はい。お任せ下さい」
「むぅ……」
敦は麗央の弟だ。信頼はどちらかと言えば敦の方を英はしている。大学で経済学を勉強した敦を引っ張って来たのは英だ。
「先ほど小百合さんがお見えになりましたが……」
「ええー、小百合さんが、僕が行く行く!」
麗央は店長なのだが、自分を贔屓にしてくれるお客には店長と言う立場も忘れて直ぐに接待しに行くのがたまに傷だ。
「全く兄さんときたら……」
「ふふ。麗央が過剰な接待をしない様に見張り頼むぞ」
「はい。それは大丈夫です」
英は店には顔を出さず裏口から帰路に向かう。
(一条華奈子……これでおとなしくなれば良いが)
「残暑まだまだ厳しいですね」
「本当。朝夕は少しは涼しくなってきたけどね」
「毎日自転車通勤で暑くない?」
「慣れました。風を切って走ると気持ち良いです」
「じゃあ、気をつけて帰ってね、真柴君」
「また明日」
『HAKU』の事務所で、仕事仲間のおばさん軍団達に別れを告げ、悠は自転車のペダルを踏み込んだ。
(今夜は唐揚げだな)
リクエストはすでに聞いてる。悠は途中路地に入ると商店街に自転車を走らせた。近くのスーパーでも良いのだが、何せ高い。おばさん軍団に教えてもらった商店街は安くて新鮮な野菜や魚が豊富だ。悠の帰宅時間には安売りする店も多い。
精肉屋に向かい鶏肉を購入し、野菜も買う。
「悠ちゃん、魚安くしとくよ」
馴染みになった魚屋のおばさんが声をかけてきた。
「じゃあ、鮭下さい」
「はいよ。オマケしとくからね」
「いつもありがとうございます」
明日の朝食は鮭に決まった。いくつか食材を買い、リュックに入れた。あまり大きなリュックでは無いので多くは買えない。リュックを背負い商店街を後にする。
「あ、悠君」
前から高校生のグループが歩いて来た。
「たっ君」
樹也と樹也の友達なのだろう。
「偶然だね。なに、買い物?」
「そう。たっ君は?」
「僕達はこれからパンケーキ食べに行くんだ」
樹也とその友達がうんうんと頷いてる。
「そうか。楽しみだね」
「今度、悠君も食べに行こう」
「うん。楽しみにしてるね」
樹也に手を振って、悠は自転車に跨がる。
皆んながパンケーキの店へと歩いて行くなか、樹也は悠の姿が見えなくなるまで見送る。
(ん?)
一台の車が悠の自転車を追う様に低速で走り出した。
(・・・つけてる)
そんな筈は無いと、踵を返すと仲間の後を追う。
樹也は悠がたまに仕事帰りに商店街で買い物する事を知ると、わざわざ商店街に出かけ、悠と数分の立ち話をしたり、休みの日に出かける約束をしたりするのを楽しんだ。
今日も数分の立ち話を楽しみ、バイバイと悠の後ろ姿を見送る。
(あれ、またあの車だ)
何度か悠を見送った後、悠の自転車の後を追いかける車を見かけた。一度や二度は偶然かと思ったが、度々重なると樹也の胸に不安がよぎる。
(悠君は気づいているのかな……)
もしかしたらライバル出現かも知れないと思い、樹也は車を尾ける事にした。
何度か悠と別れた後、隠しておいた自転車で車を尾けたが、車は何もせず、悠がマンションの駐車場に入るとそのまま通り過ぎて行くのだ。
(ストーカーか?)
何事も無いのならとやめようか思ったが、どんな人物なのか確かめたいと思う気持ちが強くなった。
(悠君可愛いから……)
それは樹也の欲目だと言われそうだ。
今日もそっと悠を尾ける車を尾ける。何事も無く終わると思ったが、今日はいつもと違った。珍しく通りに人や車が少ない。それを確認したのか急に車がスピードを上げた。
(えっ?)
真っ直ぐに悠の背後に迫る。樹也は声を上げた。
「悠君! よけてェーーー!」
樹也の声に気がついた悠が後ろを振り向く。
「!!」
迫ってくる車に気がついた悠は慌ててハンドルを歩道側に切ったが、間に合わず追突された。
「悠君!!」
自転車は跳ね飛ばされ、悠の身体が宙を舞う。ガシャーンと大きく音を立てて自転車が地面を転がる。悠も同時に床に叩き付けられた。
「うっ……」
小さく悠が呻く。
「悠くーん!!」
樹也が悠と元に駆け寄る。悠を跳ねた車は一瞬停まるが、直ぐに走り出した。
「!!」
樹也は携帯を取り出し、走り去る車を撮影する。
「悠君!」
樹也は悠の側に近寄り、抱き起す。
「う……い、痛い……」
「悠君! 無事なの?」
「い、痛いけど……だ、大丈夫……」
それでも大分痛いのだろう、表情は苦痛に歪む。
「す、直ぐに救急車を……」
数分後、救急車のサイレンの音が響いた。
「病院だと……」
悠の帰りが遅いのを心配していた英達は樹也から連絡を受けた。それは悠が車に跳ねられたと言う連絡だった。青ざめる三人は病院に急ぐ。
「あっ、こっちです」
病院の入り口で樹也が三人を待っていた。
「ゆ、悠君は?」
「大丈夫です。飛ばされた衝撃で全身打撲ですが、命に別状はありません」
「そうか」
安堵の表情が三人に広がる。
「でも、頭を打っているのでCTを撮りました」
「面会は出来るのか?」
「出来ます。まだ眠っているかもしれないけど……」
樹也に案内され悠の病室を目指す。
悠はまだ眠っているようだ。頭には包帯が巻かれ、跳ね飛ばされた時に地面に叩きつけられた身体はあちこち擦り傷だらけで、顔や腕など見える所に何箇所も青あざがある。
「なんでこんな事に……」
「ストーカーです」
「ストーカー?」
樹也は少し前から悠の後を尾けている車の話をする。
「ストーカーかと思った尾けてたんです」
「・・・・」
(お前も完全にストーカーだろう)
と、思いつつも口には出さない。
「一応跳ねた車の写真は撮りました」
英と西脇は携帯の写真を覗き込むと、お互いに顔を見合わせた。見覚えのある車だったのだ。
「失礼します」
看護師が入ってきて、担当医師から説明があると言われ、英は病室を出て行った。
医師の説明は全身打撲でしばらくの入院が必要だと言われた。脳波に異常は無いとの見解だった。お礼を言って診察室を出る。
(あの女……許せない)
病室に戻ると悠が目を開けようとしていた。
「悠君!」
樹也と光が近寄る。
「悠君、痛くない?」
「良かった、目を開けてくれて……」
そんな二人の言葉に悠はキョトンとした顔で、辺りを見渡して思いがけない言葉を吐いた。
「ここは? あなた達はだあれ?」
「!!」
皆んなが一斉に凍りついた。
(ま、まさか……)
皆んながフリーズしたのを見て、悠はプッと吹き出した。
「なんちゃって……」
「お、お前な……」
「本当に頭大丈夫なの?」
「ご、ごめんなさい。変なイタズラしちゃって」
ただ単に脅かそうとしただけなのだが、返って心配をかけてしまったようだ。
「無事で良かった……」
英は悠に近寄りそっと抱きしめた。
「本当、無事で良かった」
「良かったぁ~。これで悠君のご飯また食べられるんだね」
「ハハハ……そうですね」
「・・・そうか」
英は興味無さそうにパソコンから目を離さずに呟いた。
「でも直ぐに証拠不十分で解放されたようですが」
「だろうな。あの女はしたたかだ。父親の地位もあるしな」
「大丈夫ですか? あの女は執念深いですよ」
「来たらやり返す」
麗央は英の後ろで頷いた。この人は歯向かってくるものは容赦なく叩く男だ。
英はパソコンの蓋を閉めた。
「だいぶ頑張ってるな。売り上げが伸びてる」
「当たり前ですよ。今度、一番下の妹が大学に入るのでその学費だって馬鹿にならないですからね」
「強引な経営はするなよ」
「大丈夫です。僕が見張ってますから」
後ろから声を出したのはフロアマネージャーの敦だ。
「なんだよ、僕がボッタクリ経営するはずなんて無いだろう」
「そうですか」
「頼むぞ、敦」
「はい。お任せ下さい」
「むぅ……」
敦は麗央の弟だ。信頼はどちらかと言えば敦の方を英はしている。大学で経済学を勉強した敦を引っ張って来たのは英だ。
「先ほど小百合さんがお見えになりましたが……」
「ええー、小百合さんが、僕が行く行く!」
麗央は店長なのだが、自分を贔屓にしてくれるお客には店長と言う立場も忘れて直ぐに接待しに行くのがたまに傷だ。
「全く兄さんときたら……」
「ふふ。麗央が過剰な接待をしない様に見張り頼むぞ」
「はい。それは大丈夫です」
英は店には顔を出さず裏口から帰路に向かう。
(一条華奈子……これでおとなしくなれば良いが)
「残暑まだまだ厳しいですね」
「本当。朝夕は少しは涼しくなってきたけどね」
「毎日自転車通勤で暑くない?」
「慣れました。風を切って走ると気持ち良いです」
「じゃあ、気をつけて帰ってね、真柴君」
「また明日」
『HAKU』の事務所で、仕事仲間のおばさん軍団達に別れを告げ、悠は自転車のペダルを踏み込んだ。
(今夜は唐揚げだな)
リクエストはすでに聞いてる。悠は途中路地に入ると商店街に自転車を走らせた。近くのスーパーでも良いのだが、何せ高い。おばさん軍団に教えてもらった商店街は安くて新鮮な野菜や魚が豊富だ。悠の帰宅時間には安売りする店も多い。
精肉屋に向かい鶏肉を購入し、野菜も買う。
「悠ちゃん、魚安くしとくよ」
馴染みになった魚屋のおばさんが声をかけてきた。
「じゃあ、鮭下さい」
「はいよ。オマケしとくからね」
「いつもありがとうございます」
明日の朝食は鮭に決まった。いくつか食材を買い、リュックに入れた。あまり大きなリュックでは無いので多くは買えない。リュックを背負い商店街を後にする。
「あ、悠君」
前から高校生のグループが歩いて来た。
「たっ君」
樹也と樹也の友達なのだろう。
「偶然だね。なに、買い物?」
「そう。たっ君は?」
「僕達はこれからパンケーキ食べに行くんだ」
樹也とその友達がうんうんと頷いてる。
「そうか。楽しみだね」
「今度、悠君も食べに行こう」
「うん。楽しみにしてるね」
樹也に手を振って、悠は自転車に跨がる。
皆んながパンケーキの店へと歩いて行くなか、樹也は悠の姿が見えなくなるまで見送る。
(ん?)
一台の車が悠の自転車を追う様に低速で走り出した。
(・・・つけてる)
そんな筈は無いと、踵を返すと仲間の後を追う。
樹也は悠がたまに仕事帰りに商店街で買い物する事を知ると、わざわざ商店街に出かけ、悠と数分の立ち話をしたり、休みの日に出かける約束をしたりするのを楽しんだ。
今日も数分の立ち話を楽しみ、バイバイと悠の後ろ姿を見送る。
(あれ、またあの車だ)
何度か悠を見送った後、悠の自転車の後を追いかける車を見かけた。一度や二度は偶然かと思ったが、度々重なると樹也の胸に不安がよぎる。
(悠君は気づいているのかな……)
もしかしたらライバル出現かも知れないと思い、樹也は車を尾ける事にした。
何度か悠と別れた後、隠しておいた自転車で車を尾けたが、車は何もせず、悠がマンションの駐車場に入るとそのまま通り過ぎて行くのだ。
(ストーカーか?)
何事も無いのならとやめようか思ったが、どんな人物なのか確かめたいと思う気持ちが強くなった。
(悠君可愛いから……)
それは樹也の欲目だと言われそうだ。
今日もそっと悠を尾ける車を尾ける。何事も無く終わると思ったが、今日はいつもと違った。珍しく通りに人や車が少ない。それを確認したのか急に車がスピードを上げた。
(えっ?)
真っ直ぐに悠の背後に迫る。樹也は声を上げた。
「悠君! よけてェーーー!」
樹也の声に気がついた悠が後ろを振り向く。
「!!」
迫ってくる車に気がついた悠は慌ててハンドルを歩道側に切ったが、間に合わず追突された。
「悠君!!」
自転車は跳ね飛ばされ、悠の身体が宙を舞う。ガシャーンと大きく音を立てて自転車が地面を転がる。悠も同時に床に叩き付けられた。
「うっ……」
小さく悠が呻く。
「悠くーん!!」
樹也が悠と元に駆け寄る。悠を跳ねた車は一瞬停まるが、直ぐに走り出した。
「!!」
樹也は携帯を取り出し、走り去る車を撮影する。
「悠君!」
樹也は悠の側に近寄り、抱き起す。
「う……い、痛い……」
「悠君! 無事なの?」
「い、痛いけど……だ、大丈夫……」
それでも大分痛いのだろう、表情は苦痛に歪む。
「す、直ぐに救急車を……」
数分後、救急車のサイレンの音が響いた。
「病院だと……」
悠の帰りが遅いのを心配していた英達は樹也から連絡を受けた。それは悠が車に跳ねられたと言う連絡だった。青ざめる三人は病院に急ぐ。
「あっ、こっちです」
病院の入り口で樹也が三人を待っていた。
「ゆ、悠君は?」
「大丈夫です。飛ばされた衝撃で全身打撲ですが、命に別状はありません」
「そうか」
安堵の表情が三人に広がる。
「でも、頭を打っているのでCTを撮りました」
「面会は出来るのか?」
「出来ます。まだ眠っているかもしれないけど……」
樹也に案内され悠の病室を目指す。
悠はまだ眠っているようだ。頭には包帯が巻かれ、跳ね飛ばされた時に地面に叩きつけられた身体はあちこち擦り傷だらけで、顔や腕など見える所に何箇所も青あざがある。
「なんでこんな事に……」
「ストーカーです」
「ストーカー?」
樹也は少し前から悠の後を尾けている車の話をする。
「ストーカーかと思った尾けてたんです」
「・・・・」
(お前も完全にストーカーだろう)
と、思いつつも口には出さない。
「一応跳ねた車の写真は撮りました」
英と西脇は携帯の写真を覗き込むと、お互いに顔を見合わせた。見覚えのある車だったのだ。
「失礼します」
看護師が入ってきて、担当医師から説明があると言われ、英は病室を出て行った。
医師の説明は全身打撲でしばらくの入院が必要だと言われた。脳波に異常は無いとの見解だった。お礼を言って診察室を出る。
(あの女……許せない)
病室に戻ると悠が目を開けようとしていた。
「悠君!」
樹也と光が近寄る。
「悠君、痛くない?」
「良かった、目を開けてくれて……」
そんな二人の言葉に悠はキョトンとした顔で、辺りを見渡して思いがけない言葉を吐いた。
「ここは? あなた達はだあれ?」
「!!」
皆んなが一斉に凍りついた。
(ま、まさか……)
皆んながフリーズしたのを見て、悠はプッと吹き出した。
「なんちゃって……」
「お、お前な……」
「本当に頭大丈夫なの?」
「ご、ごめんなさい。変なイタズラしちゃって」
ただ単に脅かそうとしただけなのだが、返って心配をかけてしまったようだ。
「無事で良かった……」
英は悠に近寄りそっと抱きしめた。
「本当、無事で良かった」
「良かったぁ~。これで悠君のご飯また食べられるんだね」
「ハハハ……そうですね」
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