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幸せの場所
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悠は戸締りを確認すると仮眠室にはいる。
(うわぁー、ベッドだ)
悠はベッドの上にダイブする。
(フカフカだぁー)
家は貧乏だったので、寝具はぺっちゃんこの布団だった。
(やっぱ、金持ちは違うな。仮眠室でもこんなに豪華なベッドだなんて・・・)
疲れていたのか、悠はそのまま眠りに落ちた。
「・・・よく寝た・・・あっ!」
悠は昨夜頼まれていた事を思い出した。慌てて時間を確認する。
「良かった。未だ七時半か・・・」
普段早起きの悠には、七時半でも寝坊の部類だ。
顔を洗い、鍵を持って階下に降りる。
(綺麗に見えるけど、汚れてるのかな)
しかし、よく見ればスミに細かなゴミやホコリが見える。五分前には鍵を開けて待つ。マイクロバスが通り、しばらくして清掃員らしき数人の男女がやってきた。
悠はドアを開き挨拶する。
「おはようございます」
「あら、初めてのお顔だね」
「おはよう」
中年のリーダーらしき男性が挨拶してきた。
「これからこのビルの清掃に入ります。立ち会い人の方ですか?」
「あ、いや、俺は・・・」
(清掃に立ち会い人なんて、厳しいんだ)
清掃員はどちらかと言えば年齢の高い人が多いように見える。一人の中年女性が脚立を出して来た。どうやら切れた電球を交換するみたいだ。
(危なっかしいな)
悠はついに手を出す。
「俺がやります」
悠は脚立に上り電球を交換する。
「若い人は仕事が早いわね」
「ハハ……終わりました」
重そうなバケツを持っていれば代わりに持ち、椅子や机を脇へ一緒に片す。傍から見れば悠も作業員の一人にしか見えないだろう。
エレベーターが開き、店の中に英が入ってきた。
「今日は順調そうだな」
「あっ、英さん。なんかあの子が手伝ってくれてはかどります」
現場のリーダーらしき中年男性が悠を指した。
「ほお」
英は清掃員達と笑顔で話しながら仕事をしている悠を見つめた。
清掃は予定時間より早く終わった。
「ありがとう。ボクのお陰で早く終わったわ」
「いやぁ、助かったよ」
みんなから口々に礼を言われて恐縮する。
「い、いやぁ、大した事は・・・」
「あら、英さんだわ」
「顔だけは無駄に良いのよね」
「本当、本当」
清掃員のおばさん達がオーナーの噂話をしている。小声で話してる訳では無いので丸聞こえだ。そのオーナーに手招きされる。
「おはようございます」
「おはよう。鍵開けありがとう」
「鍵開けなんて大した事ではありません」
「その簡単な鍵開けにも寝坊するやつが多くてな」
「ハハ。俺、早起きは苦じゃないんで」
「そうか」
オーナーの英は清掃員のリーダーらしき中年男性と話している。そちらが話し終えると今度は悠に向き直った。
「お前働き口欲しいか」
「えっ? はい、それはもう喉から手が出るほどに」
「なら、ここはどうだ」
「ここ?」
清掃員の男性が話しかけてきた。
「清掃です。一緒にはたらきませんか?」
「えっ?」
「嫌か」
「嫌じゃ無いです。俺が田舎では働いてた会社も清掃会社だったので。これは何かの運命でしょうか」
「ただの偶然だろう」
「・・・ですよね」
英の反応はクールだ。しかし、英の助言もあって悠はスンナリ就職が決まった。それを知ったおばさま軍団が悠の周りに集まって来た。
「入ってくれるの? 嬉しいわ!」
「もう、若い子大歓迎よ」
「一緒に頑張りましょう」
「よ、よろしくお願いします」
おばさま軍団に圧倒されながらも笑顔で挨拶する。
「私はこのクルーのリーダーをしている橋本も言います」
そう言うと名刺を悠に手渡す。
「あ、真柴悠です。名刺はありませんけど・・・」
「後で履歴書を届ける」
「そんな・・・英さんの紹介なら・・・」
「こう言う事ははっきりしないとな」
見た目に似合わず、物事はキチンとする人らしい。
悠の側におばさま軍団の一人が近寄ってきた。
「この清掃会社の真のオーナーは英さんって噂よ」
「そうなんですか?」
「損は無いわよ。給料悪く無いし・・・」
「はい」
二人でコソコソ話をしていると、英によばれた。
「行くぞ」
「は、はい?」
清掃のクルーの人達と別れてこのビルの地下駐車場に入る。そこにはテレビでしか見たことのない車が停まっていた。
(うわぁ、高級車だ。それも電気だよ)
乗れと言われて助手席に乗る。革の香りと座った時の座り心地が違う。
「ど、何処へ行くんですか?」
「ホテルとか・・・」
「はぁ……?」
「・・・冗談だ」
「はあ・・・」
車は静かに走り、都会の高いビル街を通りすぎる。
初めに立ち寄ったのは写真館だった。
「あのぉ……ここで何を・・・」
「写真を撮る」
(そうでしょうけど・・・)
そこで悠は履歴書に貼る証明写真を撮った。無人機で撮ったことしか無い悠は緊張しっぱなしだ。
次は履歴書を買った。いや、買ってもらった。払うと言ったが聞き入れてもらえなかった。
「まだ住む所は決まってなかったな」
「・・・はい」
就職は決まりそうだが、肝心の住む所が決まってなかった。悠が車に乗り込むと走り出した。
(今度はアパートかな・・・)
街中を走り抜け、自然が広がる住宅街に入って来た。それも高級な家ばかりだ。車の向かう先に白いマンションが見えてきた。車はそのマンションの地下駐車場に入って行く。
(えっ、ここ?)
地下駐車場に並んでる車も高級車ばかりだ。
地下駐車場の一角に車を止めると降りろと言われる。
「あ、あの~、ここは?」
「俺が住んでるマンションだ」
「た、高そうですね……」
「ああ? ああ、一番安い部屋でも二十五万だ」
(ひぇぇぇーーー!)
「あ、あの、お、お、俺には住めそうにありません!」
慌てて車を降り、駐車場から逃げ出そうとするが、腕を掴まれエレベーターに乗る。
「あ、あの、払えませんから、二十五万なんて、ぜえーったい無理ですから!」
「誰が払えと言った」
「へっ?」
エレベーターは最上階で止まった。エレベーターが開くと正面にドアが二つ。英は左に向かう。鍵はカードだ。
「凄い、カードキーなんて初めて見ました」
「お前は何でも初めてなんだな」
英はそう言って笑った。
ドアが開くと広い玄関、その先はリビング、左にはダイニングとキッチンが一体になってる。右は英の自室なのだろうか。英は一つのドアの前に悠を連れて来て、「ここを使え」と、そのドアを開けた。
その部屋は空き部屋の様だった。
「ここ・・・」
「部屋が見つかるまでここに居ると良い」
「部屋・・・自分の部屋・・・」
家具などは何も無いが、悠は感動していた。
「良いんですか、この部屋俺が使って」
「構わない。ただの空き部屋だからな」
「あ、ありがとうございます! 俺初めてです。自分だけの部屋なんて、嬉しいです!」
「お、おお・・・」
悠は部屋の中に入り、中を見渡す。何も無い部屋だが、小さな一軒家は三人で暮らすのに目一杯で自分だけの部屋なんて持てる筈もなかった。
「じゃあ、向こうで履歴書を書いてしまおうか」
「はい」
ゆったりとしたソファに座り履歴書を書く。
「おい、奨眞“しょうま”帰ってるか」
急に西脇と伊東光が連れ立って入って来た。
「あっ、悠君だ」
光が嬉しそうに悠の横に座った。
「履歴書書いてるの? 働き口見つかったの?」
「はい。英さんの口利きで」
「ふうん。住所はここ?」
悠が書いてる履歴書を覗き込みながら詮索してる。
「お前らと同じだな」
英は皮肉を込めて言う。
「えー、心外、奨眞君はそう思ってたの?」
悠は心の中で思った。
(この三人はどう言う関係なんだ)
西脇がコーヒーを淹れて、英の前に置いた。
「それより昼は何食べる?」
「あっ、僕お寿司が良いなあ」
「そうだな。真柴君の同居を祝して」
「・・・そうだな」
わーいと光は小躍りして喜んだ。西脇が早速電話をかけた。
しばらくして寿司が届いた。それも特上だ。
(うわぁ、ネタが眩しい)
寿司なんて年に一度食べられるかどうかの悠にとっては最高の食事だ。それもその最高の最高の特上だ。
「ほら、悠君も遠慮しないで食べてね」
「は、はい。特上なんて初めてです」
「そう? 何時もは何?」
「並です」
「並?」
「そうです。普通は並です」
そう言いながらも特上の寿司に箸を伸ばす。
「う~ん、凄く美味しいです!」
初めて食べる特上の寿司に箸が止まらない。そして思い出す。昨夜も今朝も食べていなかった事に。
「嬉しそうだな」
西脇は小声で光に囁いた。
「うん。気に入ったみたいだね」
二人は英の顔を見て、ここの主が悠を気に入った事を確信した。
特上の寿司はあっと言う間に空になった。
(うわぁー、ベッドだ)
悠はベッドの上にダイブする。
(フカフカだぁー)
家は貧乏だったので、寝具はぺっちゃんこの布団だった。
(やっぱ、金持ちは違うな。仮眠室でもこんなに豪華なベッドだなんて・・・)
疲れていたのか、悠はそのまま眠りに落ちた。
「・・・よく寝た・・・あっ!」
悠は昨夜頼まれていた事を思い出した。慌てて時間を確認する。
「良かった。未だ七時半か・・・」
普段早起きの悠には、七時半でも寝坊の部類だ。
顔を洗い、鍵を持って階下に降りる。
(綺麗に見えるけど、汚れてるのかな)
しかし、よく見ればスミに細かなゴミやホコリが見える。五分前には鍵を開けて待つ。マイクロバスが通り、しばらくして清掃員らしき数人の男女がやってきた。
悠はドアを開き挨拶する。
「おはようございます」
「あら、初めてのお顔だね」
「おはよう」
中年のリーダーらしき男性が挨拶してきた。
「これからこのビルの清掃に入ります。立ち会い人の方ですか?」
「あ、いや、俺は・・・」
(清掃に立ち会い人なんて、厳しいんだ)
清掃員はどちらかと言えば年齢の高い人が多いように見える。一人の中年女性が脚立を出して来た。どうやら切れた電球を交換するみたいだ。
(危なっかしいな)
悠はついに手を出す。
「俺がやります」
悠は脚立に上り電球を交換する。
「若い人は仕事が早いわね」
「ハハ……終わりました」
重そうなバケツを持っていれば代わりに持ち、椅子や机を脇へ一緒に片す。傍から見れば悠も作業員の一人にしか見えないだろう。
エレベーターが開き、店の中に英が入ってきた。
「今日は順調そうだな」
「あっ、英さん。なんかあの子が手伝ってくれてはかどります」
現場のリーダーらしき中年男性が悠を指した。
「ほお」
英は清掃員達と笑顔で話しながら仕事をしている悠を見つめた。
清掃は予定時間より早く終わった。
「ありがとう。ボクのお陰で早く終わったわ」
「いやぁ、助かったよ」
みんなから口々に礼を言われて恐縮する。
「い、いやぁ、大した事は・・・」
「あら、英さんだわ」
「顔だけは無駄に良いのよね」
「本当、本当」
清掃員のおばさん達がオーナーの噂話をしている。小声で話してる訳では無いので丸聞こえだ。そのオーナーに手招きされる。
「おはようございます」
「おはよう。鍵開けありがとう」
「鍵開けなんて大した事ではありません」
「その簡単な鍵開けにも寝坊するやつが多くてな」
「ハハ。俺、早起きは苦じゃないんで」
「そうか」
オーナーの英は清掃員のリーダーらしき中年男性と話している。そちらが話し終えると今度は悠に向き直った。
「お前働き口欲しいか」
「えっ? はい、それはもう喉から手が出るほどに」
「なら、ここはどうだ」
「ここ?」
清掃員の男性が話しかけてきた。
「清掃です。一緒にはたらきませんか?」
「えっ?」
「嫌か」
「嫌じゃ無いです。俺が田舎では働いてた会社も清掃会社だったので。これは何かの運命でしょうか」
「ただの偶然だろう」
「・・・ですよね」
英の反応はクールだ。しかし、英の助言もあって悠はスンナリ就職が決まった。それを知ったおばさま軍団が悠の周りに集まって来た。
「入ってくれるの? 嬉しいわ!」
「もう、若い子大歓迎よ」
「一緒に頑張りましょう」
「よ、よろしくお願いします」
おばさま軍団に圧倒されながらも笑顔で挨拶する。
「私はこのクルーのリーダーをしている橋本も言います」
そう言うと名刺を悠に手渡す。
「あ、真柴悠です。名刺はありませんけど・・・」
「後で履歴書を届ける」
「そんな・・・英さんの紹介なら・・・」
「こう言う事ははっきりしないとな」
見た目に似合わず、物事はキチンとする人らしい。
悠の側におばさま軍団の一人が近寄ってきた。
「この清掃会社の真のオーナーは英さんって噂よ」
「そうなんですか?」
「損は無いわよ。給料悪く無いし・・・」
「はい」
二人でコソコソ話をしていると、英によばれた。
「行くぞ」
「は、はい?」
清掃のクルーの人達と別れてこのビルの地下駐車場に入る。そこにはテレビでしか見たことのない車が停まっていた。
(うわぁ、高級車だ。それも電気だよ)
乗れと言われて助手席に乗る。革の香りと座った時の座り心地が違う。
「ど、何処へ行くんですか?」
「ホテルとか・・・」
「はぁ……?」
「・・・冗談だ」
「はあ・・・」
車は静かに走り、都会の高いビル街を通りすぎる。
初めに立ち寄ったのは写真館だった。
「あのぉ……ここで何を・・・」
「写真を撮る」
(そうでしょうけど・・・)
そこで悠は履歴書に貼る証明写真を撮った。無人機で撮ったことしか無い悠は緊張しっぱなしだ。
次は履歴書を買った。いや、買ってもらった。払うと言ったが聞き入れてもらえなかった。
「まだ住む所は決まってなかったな」
「・・・はい」
就職は決まりそうだが、肝心の住む所が決まってなかった。悠が車に乗り込むと走り出した。
(今度はアパートかな・・・)
街中を走り抜け、自然が広がる住宅街に入って来た。それも高級な家ばかりだ。車の向かう先に白いマンションが見えてきた。車はそのマンションの地下駐車場に入って行く。
(えっ、ここ?)
地下駐車場に並んでる車も高級車ばかりだ。
地下駐車場の一角に車を止めると降りろと言われる。
「あ、あの~、ここは?」
「俺が住んでるマンションだ」
「た、高そうですね……」
「ああ? ああ、一番安い部屋でも二十五万だ」
(ひぇぇぇーーー!)
「あ、あの、お、お、俺には住めそうにありません!」
慌てて車を降り、駐車場から逃げ出そうとするが、腕を掴まれエレベーターに乗る。
「あ、あの、払えませんから、二十五万なんて、ぜえーったい無理ですから!」
「誰が払えと言った」
「へっ?」
エレベーターは最上階で止まった。エレベーターが開くと正面にドアが二つ。英は左に向かう。鍵はカードだ。
「凄い、カードキーなんて初めて見ました」
「お前は何でも初めてなんだな」
英はそう言って笑った。
ドアが開くと広い玄関、その先はリビング、左にはダイニングとキッチンが一体になってる。右は英の自室なのだろうか。英は一つのドアの前に悠を連れて来て、「ここを使え」と、そのドアを開けた。
その部屋は空き部屋の様だった。
「ここ・・・」
「部屋が見つかるまでここに居ると良い」
「部屋・・・自分の部屋・・・」
家具などは何も無いが、悠は感動していた。
「良いんですか、この部屋俺が使って」
「構わない。ただの空き部屋だからな」
「あ、ありがとうございます! 俺初めてです。自分だけの部屋なんて、嬉しいです!」
「お、おお・・・」
悠は部屋の中に入り、中を見渡す。何も無い部屋だが、小さな一軒家は三人で暮らすのに目一杯で自分だけの部屋なんて持てる筈もなかった。
「じゃあ、向こうで履歴書を書いてしまおうか」
「はい」
ゆったりとしたソファに座り履歴書を書く。
「おい、奨眞“しょうま”帰ってるか」
急に西脇と伊東光が連れ立って入って来た。
「あっ、悠君だ」
光が嬉しそうに悠の横に座った。
「履歴書書いてるの? 働き口見つかったの?」
「はい。英さんの口利きで」
「ふうん。住所はここ?」
悠が書いてる履歴書を覗き込みながら詮索してる。
「お前らと同じだな」
英は皮肉を込めて言う。
「えー、心外、奨眞君はそう思ってたの?」
悠は心の中で思った。
(この三人はどう言う関係なんだ)
西脇がコーヒーを淹れて、英の前に置いた。
「それより昼は何食べる?」
「あっ、僕お寿司が良いなあ」
「そうだな。真柴君の同居を祝して」
「・・・そうだな」
わーいと光は小躍りして喜んだ。西脇が早速電話をかけた。
しばらくして寿司が届いた。それも特上だ。
(うわぁ、ネタが眩しい)
寿司なんて年に一度食べられるかどうかの悠にとっては最高の食事だ。それもその最高の最高の特上だ。
「ほら、悠君も遠慮しないで食べてね」
「は、はい。特上なんて初めてです」
「そう? 何時もは何?」
「並です」
「並?」
「そうです。普通は並です」
そう言いながらも特上の寿司に箸を伸ばす。
「う~ん、凄く美味しいです!」
初めて食べる特上の寿司に箸が止まらない。そして思い出す。昨夜も今朝も食べていなかった事に。
「嬉しそうだな」
西脇は小声で光に囁いた。
「うん。気に入ったみたいだね」
二人は英の顔を見て、ここの主が悠を気に入った事を確信した。
特上の寿司はあっと言う間に空になった。
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