悪役令息、二次創作に転生する

しらす海鮮

文字の大きさ
上 下
15 / 24
ルクシオ皇子×悪役令息

失言

しおりを挟む
前世の記憶を思い返し終わったと同時に、ジェノヴィはサーッと顔が真っ青になった。

すぐさま乱れた服を整えて、窓から出られないかと画策している。しかし、はめ込み型の窓から出られる訳もなく、唯一の出入口である部屋の扉の取っ手に手をかける。

やばい……前世で見させてもらった小説の通りだとしたら……このあとの展開は……!

「に、逃げー」

「今、『逃げる』って言ったのかな?……ジェノヴィ?」

ジェノヴィが手をかけた扉が開かれた瞬間、目の前にルクシオが怖いくらいの満面の笑顔で立っている。

「あ、いや、え、えと……の、喉乾いたから……水……」

「水ならほら、僕が持ってるよ。それに、わざわざ外に出なくても使用人が持ってきてくれるから心配ないよ。……なんでここから出ようとしたのかな?」

キメ細やかな硝子細工がされた水差しを持つルクシオ。水差しを扉近くのサイドテーブルに置いて、ジェノヴィの手首をつかむ。

「もしかして、僕の妻になるのが嫌になったのかな?……僕以外に好きな人ができた……とか?」

キスする直前まで顔を近づけるルクシオ。その美麗な顔を近くで見つめると、普段であればドキッとするところだが、今はなんだか恐怖でいっぱいになる。

「ちちちち違う!違うけど、その、あのえと……逃げたいとかじゃなくて、ちょっと外に……」

「外なら僕と一緒に行こうか。ね?」

「え、えと、1人でちょっと散歩したいなー……って、思っ」

ーバタンッ、ガチャッ

大きな音をたてて、扉と鍵が閉められた。

ジェノヴィはびくり、と肩を震わすとルクシオが口付けをする。

ちゅくちゅくと、舌を絡ませ深いキスをする。

ルクシオによって、口の中もより感じやすくなるように毎日キスをされているジェノヴィは腰を抜かしてへたりこんだ。

ふわふわのカーペットの上で、体も起こせないほどになり、ゆっくり寝転ぶように倒れ込む。

「ふ、あ、……う……イオッ……、や」

「今日はね、特に"特別"なんだよ。ジェノヴィ……絶対に逃がさないからね……僕の可愛いお嫁さん?」

ルクシオは、ジェノヴィを抱き上げてベッドに寝かせる。そして、懐から薬を取り出した。

「これで、僕との赤ちゃんつくろうね……ジェノヴィ?」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

処理中です...