悪役令息、二次創作に転生する

ルクシオ皇子×悪役令息

やり取り(前世回想)

イチガツ

【今日もめっっっっちゃいい小説書けたんで！！ぜひ読んでくれれば！！】


いつも通り、大学生の「俺」は、スマホのSNSサービス『Tmitter(ツミッター)』で繋がっているフォロワー(ネット内の友達)の『イチガツ』さんと、文字上の会話をしている。


イチガツさんとは、乙女ゲーム『ロマネクシア』の事でよく話しており、キャラクターデザインの絵師の話や、『ロマネクシア』の制作会社の次回作のゲーム話など……


基本的には、『ロマネクシア』の二次創作……イチガツさんは特に小説を書いているので、もっぱらその話で持ちきりになっている。


イチガツさんは、推しである悪役令息『ジェノヴィ』を題材にしてよく小説を書いている。

イチガツさんはBLが好きなので、ジェノヴィを『総受け』にした小説をよく書いては、俺に見せてくれた。


俺は基本的に面白ければ何でも読むし、そもそもイチガツさんは俺が男だということは知らないけれど、俺がいつも小説を読んでは感想をくれるから、自分の『同志』だと思ってくれている。

(実際、ロマネクシアは俺も好きだったし、二次創作のイラストや小説はどんなジャンルでもOKな雑食だったから、間違っていない。世間一般で言う腐男子…にも当てはまるのか？)


イチガツさんが小説を俺にみせてくれる時は、決まって文字数制限のないDM(特定の相手同士で会話する空間)の中で会話していた。


俺

【今日はどんな小説ですか？】


イチガツ

【今日は第2皇子が攻めの小説にしてみました！ぜひまた『ツキミ』さんの感想を頂ければ……】


『ツキミ』は、Tmitter内の俺のハンドルネームである。

俺こと『ツキミ』は、基本的にROM専……いわゆる人がネット内で発言したり、絵を載せたり小説を載せたりしているのを眺めたり、感想を送ったりするのを主にしている。(基本的にはROM専というのは見るのが主であるのだが。)


イチガツさんの小説は、Tmitterだけでなく、ウェブのイラスト小説投稿サイトなどでも見ていたので、新しい話ができる度に見ては感想を送っていた。

感想を送っていたある日、イチガツさんが俺に返信をしてくれて、そこから交流が始まり今に至る。


イチガツさんは最近、『ロマネクシア』の二次創作小説を書くのにハマっていて、特に最近は悪役令息の『ジェノヴィ』を受け…つまり女側にするのが好きらしい。


ツキミ【あ、これ…原作で主人公が第2皇子ルートに行った時に流れた過去編のやつですか？】


イチガツ【そう！これをジェノヴィに当てはめてみた！ルクシオを預かってた時の過去編をジェノヴィの家にしてみたら結構楽しくなって…】


ツキミ【いいっすね～。ヒロインが特に可愛くて…大好きですここのシーン】


イチガツ【ツキミさんが好きなシーンなので特に細かく書いてみた！そんでこっからルクシオがどんどん闇堕ちするみたいにして…W】


ツキミ【闇堕ちwwwまあ原作でもちらほら片鱗見せてましたけどwww】


イチガツ【でしょwwwそんで、もうここ完全に妄想なんだけど、ここからはね…】


イチガツ【ジェノヴィがルクシオに軟禁されて、嫁にされるって展開にしました！！！そんでラストが…】






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