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レイフォード皇子×悪役令息

おかしいだろ!

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(いや何でだよ!都合がよすぎるだろ!
てか何その素晴らしき行いって名称!!恥ずかしすぎるんだよお前は厨二か?いや厨二とは違うな……思春期?
いやもうこの際どうでもいいわ。
ていうか素晴らしい行いって……やってることかなりまどろっこしいことしてるよね?

てかはい出ましたよ影~!!!てか王家の影ってマジで何?あらゆる悪役令嬢の小説とか漫画でヒロインをざまぁさせるために暗躍させる影とか、何なん?マジ何なの????暇なの??ああいうの情報収集長けてるくせにほとんどざまぁさせるためだけにヒロインとかのお家情報集めてるだけだよね??
優秀な影ならもっといい使い道あるだろ!!敵国家とかのスパイとか出来そうじゃん!あれ?なんかカッコイイな……)

という大混乱の思考に陥りながらも、18年培われてきた貴族スキル〖貴族フェイス(※ジェノヴィ命名)〗で、表情は崩さずに、少し困ったような顔を演じながら口元を噤む。

「ジェノヴィ、私は君になんとお詫びをすれば……いや、お詫びをしてもしきれない……とにかくすぐにでも君の公爵位を回復させー」

「お気遣いありがとうございます殿下……ですが、レイフォード殿下がそこまで気にかけてくださる事はしておりません。たとえ結果的に善行となったとはいえ、悪行を働いたことは事実……ゆえに私といたしましても、殿下から承った追放処分を受け入れることが妥当であると存じます。」

ジェノヴィはレイフォードが言い終わる前に、食い気味で自身の考えを述べる。
ジェノヴィとしては、ここで公爵位を回復させるようなことをされてしまうと非常に困るわけで、せっかくの夢のスローライフ実現が叶わなくなることが1番困るのである。(というか本人にとっては死活問題である。)
 
レイフォードはそんなジェノヴィの心中など知る由もなく、ジェノヴィの顕著な姿勢に、心を打たれていた。

「君は……愚かな行いをした私に対してなんと慈悲深いんだ!それゆえ謙虚……だがこれでは私の気が済まない!どうか!私に出来ることは何でもさせて欲しい!」

(それなら!!放って!!おいてください!!!!俺は!!はやく!!庶民として!!ゆるやかな!!生活を!!したいんです!!というかなにこのいつまでも先に進まないやり取り???もうはやく終わらせよ??こんなん時間の無駄っていうか、冗長的展開は漫画とか小説において打ち切りコースまっしぐらなんだから勘弁してくれよ!)

ジェノヴィはなんとか笑顔を保ちながら、レイフォードの言い分をきいている。
そして、レイフォードはひとつの結論を出したのだ。

「そうだ……!お詫びにもならないが……君にはぜひ我が王家の宰相補佐になってはくれないだろうか!」



ーそれは、ジェノヴィが夢に見ていたスローライフの終わりを告げる呪いの言葉にしかならなかったのだった。





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