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第43話 気絶後......
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セシリアとエミィが部屋から出ていった数分後、再びエミィが戻ってきた。
「エミィ、お母様とセシリアの面会はどうなった?」
「それが...... セシリアさんがまた気絶してしまいました......」
あぁ...... やっぱりそうなっちゃったか。王宮に来た時点で既にガチガチだったし、お母様は綺麗だし...... 気絶する要素だらけじゃないか。
「やっぱりそうなっちゃったか。セシリアは今はどこにいるの?」
「お母様の居室の椅子で休ませています。お兄様も来ていただいた方がいいかもしれないです。セシリアさんの心の拠り所は王宮ではお兄様だけですので」
そう言うエミィはなんだかむくれたような表情を浮かべていた。確かに、今は僕以外に頼れる人なんていないよね。支えるって言ってたのに...... 情けないや。
「そうだね。僕も行くよ」
◆
お母様の居室に着くと、心配そうにセシリアを見つめているお母様とぐったりしているセシリアの姿があった。
「ユーリ。この子はいつもこうなの?」
「そうなんです、お母様。でも、今回は王宮に来るというので既に気疲れなどもあったのでしょうが」
「確かにそうね。ユーリが近くにいてあげて。私と会うのはもう少し王宮に慣れてからにしましょう」
セシリアは徐々に慣れさせていかないといけないタイプだったことを完全に失念していた...... 反省だ。
「はい。僕の居室まで連れていくことにします」
「セシリアさんが起きたら、私がごめんなさいと言っていたと伝えておいて」
お母様は本当に申し訳なさそうだ。お母様にセシリアの顔を見せれただけでも今回は意味があったとは思う。
「分かりました。では、また後で」
「ええ」
セシリアを抱きかかえて、エミィと共にお母様の居室を後にした。
◆
僕の居室でセシリアを寝かせることにした。
僕がベッドから離れようとすると、手をぎゅっと抱きしめてきて、行かないで! って言うんだから、僕はずっとベッドに座ったままだ。この場を離れたら男として失格だと思う。
こうして見ていると、本当に愛らしい。やっぱり僕はセシリアが好きだな。
この時間がいつまでも続けばいいのにと思ってしまう。
「セシリアさんといる時のお兄様はなんだかかっこいいですね」
「そう? いつもと同じだと思うんだけど」
「私には違って見えるんです。いつものお兄様も良いですけど、今のお兄様もカッコよくて好きです」
「ありがとう。セシリアがいると守ってあげないと...... って思ってしまうからかもしれないね」
僕はこの笑顔を守りたい。だから、セシリアを傷つけたドルトスは許せない。例え、他の人が許したとしても。
◆
セシリアが目を覚ましたのは、小一時間経ってからだった。
「うぅ...... ユーリ君...? はっ!! ごめん! ユーリ君!」
セシリアはすべてを察したようだ......
「ううん。一緒についてやれなかった僕が悪かったんだ。だからセシリアが謝ることじゃないよ」
「でも、気絶しちゃって......」
「気にしてないよ!」
「イリーナ様になんて謝罪すればいいか......」
「お母様は気にしなくていいよ。ごめんなさいって伝えといてって言われたから。また会うのはセシリアが慣れてからにしよう。今日はここでゆっくり話そうよ」
「ほんと!? 良かったぁ。そうだね。今日は私、ユーリ君と居たい......」
そんなことを言われたら、キュン死しちゃうじゃないか!!
「あの~? 私は退出した方がいいですか?」
あ、エミィの存在を忘れてた。それと、そのニヤニヤしながら見てくるのやめなさい!
「あ、エミリアちゃん。ごめんね。気絶しちゃって」
「セシリアさんが気に病まれる事じゃないですよ。王宮に来ることは相当気疲れすると聞きますし」
「エミリアちゃんとも仲良くなりたいから一緒にいて欲しいな」
「え、ホントですか!? 嬉しいです! お兄様もいいですよね?」
いいですよね? と言われてもセシリアがそう言っている以上を頷かない訳には行かないなぁ...... 2人きりでいられるかと思ったのに少し残念だ。
「うん。いいよ」
「じゃあ、私達の親睦を深めましょう!」
そこからは夜になるまで色々なことを話した。
エミィに色々と暴露されたのは痛かったけど......
「エミィ、お母様とセシリアの面会はどうなった?」
「それが...... セシリアさんがまた気絶してしまいました......」
あぁ...... やっぱりそうなっちゃったか。王宮に来た時点で既にガチガチだったし、お母様は綺麗だし...... 気絶する要素だらけじゃないか。
「やっぱりそうなっちゃったか。セシリアは今はどこにいるの?」
「お母様の居室の椅子で休ませています。お兄様も来ていただいた方がいいかもしれないです。セシリアさんの心の拠り所は王宮ではお兄様だけですので」
そう言うエミィはなんだかむくれたような表情を浮かべていた。確かに、今は僕以外に頼れる人なんていないよね。支えるって言ってたのに...... 情けないや。
「そうだね。僕も行くよ」
◆
お母様の居室に着くと、心配そうにセシリアを見つめているお母様とぐったりしているセシリアの姿があった。
「ユーリ。この子はいつもこうなの?」
「そうなんです、お母様。でも、今回は王宮に来るというので既に気疲れなどもあったのでしょうが」
「確かにそうね。ユーリが近くにいてあげて。私と会うのはもう少し王宮に慣れてからにしましょう」
セシリアは徐々に慣れさせていかないといけないタイプだったことを完全に失念していた...... 反省だ。
「はい。僕の居室まで連れていくことにします」
「セシリアさんが起きたら、私がごめんなさいと言っていたと伝えておいて」
お母様は本当に申し訳なさそうだ。お母様にセシリアの顔を見せれただけでも今回は意味があったとは思う。
「分かりました。では、また後で」
「ええ」
セシリアを抱きかかえて、エミィと共にお母様の居室を後にした。
◆
僕の居室でセシリアを寝かせることにした。
僕がベッドから離れようとすると、手をぎゅっと抱きしめてきて、行かないで! って言うんだから、僕はずっとベッドに座ったままだ。この場を離れたら男として失格だと思う。
こうして見ていると、本当に愛らしい。やっぱり僕はセシリアが好きだな。
この時間がいつまでも続けばいいのにと思ってしまう。
「セシリアさんといる時のお兄様はなんだかかっこいいですね」
「そう? いつもと同じだと思うんだけど」
「私には違って見えるんです。いつものお兄様も良いですけど、今のお兄様もカッコよくて好きです」
「ありがとう。セシリアがいると守ってあげないと...... って思ってしまうからかもしれないね」
僕はこの笑顔を守りたい。だから、セシリアを傷つけたドルトスは許せない。例え、他の人が許したとしても。
◆
セシリアが目を覚ましたのは、小一時間経ってからだった。
「うぅ...... ユーリ君...? はっ!! ごめん! ユーリ君!」
セシリアはすべてを察したようだ......
「ううん。一緒についてやれなかった僕が悪かったんだ。だからセシリアが謝ることじゃないよ」
「でも、気絶しちゃって......」
「気にしてないよ!」
「イリーナ様になんて謝罪すればいいか......」
「お母様は気にしなくていいよ。ごめんなさいって伝えといてって言われたから。また会うのはセシリアが慣れてからにしよう。今日はここでゆっくり話そうよ」
「ほんと!? 良かったぁ。そうだね。今日は私、ユーリ君と居たい......」
そんなことを言われたら、キュン死しちゃうじゃないか!!
「あの~? 私は退出した方がいいですか?」
あ、エミィの存在を忘れてた。それと、そのニヤニヤしながら見てくるのやめなさい!
「あ、エミリアちゃん。ごめんね。気絶しちゃって」
「セシリアさんが気に病まれる事じゃないですよ。王宮に来ることは相当気疲れすると聞きますし」
「エミリアちゃんとも仲良くなりたいから一緒にいて欲しいな」
「え、ホントですか!? 嬉しいです! お兄様もいいですよね?」
いいですよね? と言われてもセシリアがそう言っている以上を頷かない訳には行かないなぁ...... 2人きりでいられるかと思ったのに少し残念だ。
「うん。いいよ」
「じゃあ、私達の親睦を深めましょう!」
そこからは夜になるまで色々なことを話した。
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