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第40話 セシリア、王宮へいく
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今日は王宮へいく日です。
なんでこうなったかは私にも分かりません。エミリアちゃんが私を王宮に連れてきてとユーリ君に言ったそうで、私が行くことになったのです。
今はお母様にも手伝ってもらって一生懸命お化粧をしています。
我が家はバタバタです。お父様は胃がキリキリすると言って何回もお手洗いに行くし、お母様は朝から私の一張羅を引っ張り出して、私を着付けしてくれています。
王宮に行くと言った時は、2人とも頭をポカーンとして気を失ったようにカチコチになっていました。びっくりしすぎてそうなったのかもしれません。私の家系はびっくりしたことがあるとすぐに意識が飛んでしまうので考え者です。
そんなことを考えている暇はありません! 早く準備しなければ!!
「お母様、こんな感じで大丈夫でしょうか?」
「大丈夫! どこに行っても恥ずかしくない格好です! あと、セシリア。顔が引きつっているから笑顔ね。笑顔」
お母様が私の頬をむにーっと引き延ばしています。
笑顔ね、笑顔
「セシリア‼ 準備はできたのか? 大丈夫か? 緊張していないか!?」
「大丈夫だよ、お父様。」
「ちょっと、大丈夫? あなたがそんなんじゃセシリアは逆に不安になるよ?」
「あぁ、すまんすまん」
私よりも緊張している人を見るとなんだか心が落ち着いてきました。
「それとセシリア。似合ってるぞ!」
グッっと親指を突き立てて、笑顔で私を見てくれています。こういう言葉でお母様を落としたのかな? ユーリ君にそんなこと言われてみたいなぁ……なんて。
「セシリア様! セシリア・フォン・ミリード様! ユーリ殿下の命により、お迎えに上がりましたっ!!」
「あわわわわ。どうしよう。来ちゃったよぉ」
もうすぐ王宮に行くのだと思うと、胸がドキドキして止まりません! 落ち着け、落ち着け。
「ほら、セシリア、お迎えよ。行ってらっしゃい!」
「セシリア、頑張って行ってこい!」
なんでこういうときだけお父様は緊張しないのでしょうか? 何か方法があるのなら聞きたいくらいですっ!
「行ってきます!」
出来るだけの笑顔を見せて玄関を出ました。楽しみという気持ちと不安の気持ちが入り混ざって変な感じです。
◆
「貴方がセシリア様ですね」
これでも貴族の端くれです。出来るだけどしっと構えて対応しないとっ!!
「はい。私がセシリア・フォン・ミリードです。今日はよろしくお願いしますね?」
「ええ、宜しくお願い致します。セシリア様。申し遅れました。私、ユーリ様の小間使いをさせていただいておりますアルトと申します。今日はセシリア様をお迎えするため、ユーリ様から御者兼護衛を申し付かりまして参りました。私の名前はお好きにお呼びください」
年は17歳程でしょうか。茶色の毛で髪は短く切られていて、カッコいいお兄さんのような感じです。でも所作は貴族と大差なく、洗練されていて、私よりも出来ているのではないかと思うほどです。でも、私は下級貴族なのでそこまで上手でもないですが。
「そうなのですね。では、アルトさんとお呼びします」
「ユーリ様が言っておられた通りの御方だ。では、そろそろ出発いたします」
ユーリ君が言っていた通りって、私はどんなイメージなんだろう? 聞けるのなら聞いてみたいな。
◆
王宮までは15分ほどで着きました。
アルトさんは私に気を遣って、色々な話をしてくださって、私の緊張をほぐしてくださいました。ユーリ君の言ってた通り、いい人です。
「セシリア様、もうすぐ着きますので、心の準備をお願いしますね」
これも気を遣っての言葉だと思いますが、緊張が戻ってしまいました!
「ですが、そんなに緊張しないでも大丈夫ですよ。セシリア様はユーリ様の客人なのですから、セシリア様が緊張なさられる必要はありません」
私が緊張してしまったのを分かったのか、また気遣いの言葉をかけてくださいました。ほんとに優秀な人です。こんな人を小間使いにできるユーリ君はやっぱり凄いです!
「気を遣っていただいてありがとうございます」
「いえいえ、当然のことを言ったまでですので、もう停車いたします」
それから数秒後、馬車が停車しました。
「セシリア様、お降りくださいませ」
扉が開き、アルトさんが手を差し伸べてくださいます。
「ありがとうございます」
馬車を降りてみると、そこには、ユーリ君とエミリアちゃんがいました。
2人ともいつもと違う格好で王族!! って格好をしています。ユーリ君は、いつもの制服姿より更に凛々しく、エミリアちゃんは煌びやかな服装をしていて、より華やかで、まぶしくて、会った時みたいに気がまた飛んでしまいそうです。でも、ここで気絶したら呼んでくれたユーリ君に失礼になるので、頑張って気を保ちます。
「セシリア、今日はいつもにも増して綺麗だね。似合ってるよ」
その言葉を聞いた瞬間、一度意識が飛びました。だって、言ってほしいことを言われたら誰だってそうなるでしょう?
意識を失っていたのは恐らく数秒です。でも、アルトさんには心配され、ユーリ君はいつものかな? 的な顔をしながらそれでも心配してくれました。
でも、エミリアさんは含みのある笑みを浮かべていました。
エミリアさん、その顔だけでも綺麗すぎてまた気絶しそうだからやめてっ!!
なんでこうなったかは私にも分かりません。エミリアちゃんが私を王宮に連れてきてとユーリ君に言ったそうで、私が行くことになったのです。
今はお母様にも手伝ってもらって一生懸命お化粧をしています。
我が家はバタバタです。お父様は胃がキリキリすると言って何回もお手洗いに行くし、お母様は朝から私の一張羅を引っ張り出して、私を着付けしてくれています。
王宮に行くと言った時は、2人とも頭をポカーンとして気を失ったようにカチコチになっていました。びっくりしすぎてそうなったのかもしれません。私の家系はびっくりしたことがあるとすぐに意識が飛んでしまうので考え者です。
そんなことを考えている暇はありません! 早く準備しなければ!!
「お母様、こんな感じで大丈夫でしょうか?」
「大丈夫! どこに行っても恥ずかしくない格好です! あと、セシリア。顔が引きつっているから笑顔ね。笑顔」
お母様が私の頬をむにーっと引き延ばしています。
笑顔ね、笑顔
「セシリア‼ 準備はできたのか? 大丈夫か? 緊張していないか!?」
「大丈夫だよ、お父様。」
「ちょっと、大丈夫? あなたがそんなんじゃセシリアは逆に不安になるよ?」
「あぁ、すまんすまん」
私よりも緊張している人を見るとなんだか心が落ち着いてきました。
「それとセシリア。似合ってるぞ!」
グッっと親指を突き立てて、笑顔で私を見てくれています。こういう言葉でお母様を落としたのかな? ユーリ君にそんなこと言われてみたいなぁ……なんて。
「セシリア様! セシリア・フォン・ミリード様! ユーリ殿下の命により、お迎えに上がりましたっ!!」
「あわわわわ。どうしよう。来ちゃったよぉ」
もうすぐ王宮に行くのだと思うと、胸がドキドキして止まりません! 落ち着け、落ち着け。
「ほら、セシリア、お迎えよ。行ってらっしゃい!」
「セシリア、頑張って行ってこい!」
なんでこういうときだけお父様は緊張しないのでしょうか? 何か方法があるのなら聞きたいくらいですっ!
「行ってきます!」
出来るだけの笑顔を見せて玄関を出ました。楽しみという気持ちと不安の気持ちが入り混ざって変な感じです。
◆
「貴方がセシリア様ですね」
これでも貴族の端くれです。出来るだけどしっと構えて対応しないとっ!!
「はい。私がセシリア・フォン・ミリードです。今日はよろしくお願いしますね?」
「ええ、宜しくお願い致します。セシリア様。申し遅れました。私、ユーリ様の小間使いをさせていただいておりますアルトと申します。今日はセシリア様をお迎えするため、ユーリ様から御者兼護衛を申し付かりまして参りました。私の名前はお好きにお呼びください」
年は17歳程でしょうか。茶色の毛で髪は短く切られていて、カッコいいお兄さんのような感じです。でも所作は貴族と大差なく、洗練されていて、私よりも出来ているのではないかと思うほどです。でも、私は下級貴族なのでそこまで上手でもないですが。
「そうなのですね。では、アルトさんとお呼びします」
「ユーリ様が言っておられた通りの御方だ。では、そろそろ出発いたします」
ユーリ君が言っていた通りって、私はどんなイメージなんだろう? 聞けるのなら聞いてみたいな。
◆
王宮までは15分ほどで着きました。
アルトさんは私に気を遣って、色々な話をしてくださって、私の緊張をほぐしてくださいました。ユーリ君の言ってた通り、いい人です。
「セシリア様、もうすぐ着きますので、心の準備をお願いしますね」
これも気を遣っての言葉だと思いますが、緊張が戻ってしまいました!
「ですが、そんなに緊張しないでも大丈夫ですよ。セシリア様はユーリ様の客人なのですから、セシリア様が緊張なさられる必要はありません」
私が緊張してしまったのを分かったのか、また気遣いの言葉をかけてくださいました。ほんとに優秀な人です。こんな人を小間使いにできるユーリ君はやっぱり凄いです!
「気を遣っていただいてありがとうございます」
「いえいえ、当然のことを言ったまでですので、もう停車いたします」
それから数秒後、馬車が停車しました。
「セシリア様、お降りくださいませ」
扉が開き、アルトさんが手を差し伸べてくださいます。
「ありがとうございます」
馬車を降りてみると、そこには、ユーリ君とエミリアちゃんがいました。
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「セシリア、今日はいつもにも増して綺麗だね。似合ってるよ」
その言葉を聞いた瞬間、一度意識が飛びました。だって、言ってほしいことを言われたら誰だってそうなるでしょう?
意識を失っていたのは恐らく数秒です。でも、アルトさんには心配され、ユーリ君はいつものかな? 的な顔をしながらそれでも心配してくれました。
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