38 / 43
第38話 セシリアとエミリア
しおりを挟む
入学式が終わって、今日は初めての登校日だ。エミィが一緒に登校したいと言ってきかないから、今日は、エルドとエミィとの登校だ。
校門をくぐると、ミヤとセシリアが見えた。セシリアは今日も可愛いな。うん。眼福。
「お! ユーリだ!」
「ユーリ君、おはよう!」
「おはよう、セシリア、ミヤ」
「なんで私が後に呼ばれるのよ! 私の方が先に声かけたでしょ!」
「そんな怒るなよ。妹の前だし」
「あ! エミリアさんだ!」
「セシリアさん。いつも兄がお世話になっております。エミリアと申します」
「ちょっ! 無視された!? 私は眼中にないのか……」
「ミヤ、落ち込むな。 俺は見ているぞ」
「エルド~! 君だけだよ! 私を見てくれるのは」
ごめんな。ミヤ。俺とエミリアはセシリアしか見ていないんだ。エルド、頼んだぞ。エルドの肩に手を置くと、ため息をつきながら、頷いた。エルドもミヤと話すのはまんざらでもなさそうで、僕的にはお似合いなんじゃないか? とは思うが、口には出していない。攻め手のミヤ、受け手のエルド。うん。良いと思うんだけどなぁ……
「エミリアさんっ! 一度会ってみたかったんですぅ! 可愛いっ! 尊いっ!」
あれ? セシリアさん。キャラ変わってませんか? 手がちぎれるんじゃないかという位に握手している手をブンブン振っている。これこれ、セシリアさんや。エミィが困っているぞ。
「セシリア! 戻ってこーい!」
「はっ! ありがとう。ユーリ君。私またトリップしちゃってた」
そう。セシリアは可愛い子を見てしまうとトリップしてしまう性格の持ち主なのだ。度々そんなことがあってもう慣れてしまった。この時のセシリアは少し怖いけど、そんなところがあっても僕は好きだよ。できれば治して欲しいけどね。
「エミィ、気にしないであげて。セシリアは可愛い人を見ると興奮してトリップすることがあるんだ」
「そ、そうなんですね。でも可愛いって思ってもらえてうれしいですっ!」
「はうぅぅぅぅぅ」
「大丈夫か!? セシリア! セシリアー!!!」
やばい。このトリップは長くなりそうだ。即刻目を覚まさせないと!
「……はっ! またまたトリップしてしまった! ごめんね。ユーリ君。何回も」
「いいよ。それよりエミィ。セシリアに対して笑みを浮かべるとトリップする可能性があるから慣れるまでは普通に話しかけてあげて」
「わ、分かりました。よろしくお願いします! セシリアさん!」
「あ、よ、よろしくお願いします! エミリアさん」
「嫌だなぁ、私に対してはため口で大丈夫ですよ?」
「そうだぞ。セシリア。俺に対してはため口なんだから」
「そうだよね。じゃあよろしくね! エミリアちゃん!」
「はい! セシリアお姉さま!」
「ふぇ!? お姉さま?」
「ちょ! エミィ? 何を言っているんだ?」
「だって、セシリアさんはお兄様の――」
それはまずい!!
「――」
「セシリア~? なんでもないから。じゃ! また後で」
「え? ユーリ君~~!」
「エルド! ユーリ様についていかないと」
「あ! 何してるんですかぁ。もうあの人は。じゃあまた後でな。ミヤ」
「うん!」
まじで、危なかった。咄嗟に口を塞いで正解だった。エミィには一度しっかりとオハナシしないとね。
「ちょいちょい、エミィ。何を言おうとしてるんだ!」
「だって、セシリアはお兄様の好きな人じゃないんですか?」
「そ、そりゃそうだけど…まだ告白もしてないんだぞ!?」
「え!? ご、ごめんなさい……てっきりお兄様はもう言ってるかと思ってました」
「まぁ、核心はつかれてなかったから良かったものの……」
「でも、遅すぎます! 今度セシリアさんを王宮に連れてきてください!」
「え? 絶対?」
「絶対です! エミィが絶対と言ったら絶対なんです!」
「お、おう」
ずいずいと顔を近づけて言われると断れないからやめてほしい。でも王宮か……セシリアからするとなかなかに厳しいな。
校門をくぐると、ミヤとセシリアが見えた。セシリアは今日も可愛いな。うん。眼福。
「お! ユーリだ!」
「ユーリ君、おはよう!」
「おはよう、セシリア、ミヤ」
「なんで私が後に呼ばれるのよ! 私の方が先に声かけたでしょ!」
「そんな怒るなよ。妹の前だし」
「あ! エミリアさんだ!」
「セシリアさん。いつも兄がお世話になっております。エミリアと申します」
「ちょっ! 無視された!? 私は眼中にないのか……」
「ミヤ、落ち込むな。 俺は見ているぞ」
「エルド~! 君だけだよ! 私を見てくれるのは」
ごめんな。ミヤ。俺とエミリアはセシリアしか見ていないんだ。エルド、頼んだぞ。エルドの肩に手を置くと、ため息をつきながら、頷いた。エルドもミヤと話すのはまんざらでもなさそうで、僕的にはお似合いなんじゃないか? とは思うが、口には出していない。攻め手のミヤ、受け手のエルド。うん。良いと思うんだけどなぁ……
「エミリアさんっ! 一度会ってみたかったんですぅ! 可愛いっ! 尊いっ!」
あれ? セシリアさん。キャラ変わってませんか? 手がちぎれるんじゃないかという位に握手している手をブンブン振っている。これこれ、セシリアさんや。エミィが困っているぞ。
「セシリア! 戻ってこーい!」
「はっ! ありがとう。ユーリ君。私またトリップしちゃってた」
そう。セシリアは可愛い子を見てしまうとトリップしてしまう性格の持ち主なのだ。度々そんなことがあってもう慣れてしまった。この時のセシリアは少し怖いけど、そんなところがあっても僕は好きだよ。できれば治して欲しいけどね。
「エミィ、気にしないであげて。セシリアは可愛い人を見ると興奮してトリップすることがあるんだ」
「そ、そうなんですね。でも可愛いって思ってもらえてうれしいですっ!」
「はうぅぅぅぅぅ」
「大丈夫か!? セシリア! セシリアー!!!」
やばい。このトリップは長くなりそうだ。即刻目を覚まさせないと!
「……はっ! またまたトリップしてしまった! ごめんね。ユーリ君。何回も」
「いいよ。それよりエミィ。セシリアに対して笑みを浮かべるとトリップする可能性があるから慣れるまでは普通に話しかけてあげて」
「わ、分かりました。よろしくお願いします! セシリアさん!」
「あ、よ、よろしくお願いします! エミリアさん」
「嫌だなぁ、私に対してはため口で大丈夫ですよ?」
「そうだぞ。セシリア。俺に対してはため口なんだから」
「そうだよね。じゃあよろしくね! エミリアちゃん!」
「はい! セシリアお姉さま!」
「ふぇ!? お姉さま?」
「ちょ! エミィ? 何を言っているんだ?」
「だって、セシリアさんはお兄様の――」
それはまずい!!
「――」
「セシリア~? なんでもないから。じゃ! また後で」
「え? ユーリ君~~!」
「エルド! ユーリ様についていかないと」
「あ! 何してるんですかぁ。もうあの人は。じゃあまた後でな。ミヤ」
「うん!」
まじで、危なかった。咄嗟に口を塞いで正解だった。エミィには一度しっかりとオハナシしないとね。
「ちょいちょい、エミィ。何を言おうとしてるんだ!」
「だって、セシリアはお兄様の好きな人じゃないんですか?」
「そ、そりゃそうだけど…まだ告白もしてないんだぞ!?」
「え!? ご、ごめんなさい……てっきりお兄様はもう言ってるかと思ってました」
「まぁ、核心はつかれてなかったから良かったものの……」
「でも、遅すぎます! 今度セシリアさんを王宮に連れてきてください!」
「え? 絶対?」
「絶対です! エミィが絶対と言ったら絶対なんです!」
「お、おう」
ずいずいと顔を近づけて言われると断れないからやめてほしい。でも王宮か……セシリアからするとなかなかに厳しいな。
1
お気に入りに追加
818
あなたにおすすめの小説
転生領主の領地開拓 -現代の日本の知識は最強でした。-
俺は俺だ
ファンタジー
今年二十歳を迎えた信楽彩生《しんらくかやせ》は突如死んでしまった。
彼は初めての就職にドキドキし過ぎて、横断歩道が赤なことに気がつかず横断歩道を渡ってしまった。
そんな彼を可哀想に思ったのか、創造神は彩生をアルマタナの世界へと転生させた。
彼は、第二の人生を楽しむと心に決めてアルマタナの世界へと旅だった。
※横読み推奨 コメントは読ませてもらっていますが、基本返信はしません。(間が空くと、読めないことがあり、返信が遅れてしまうため。)
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる