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第26話 遠足②
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一週間経ち、遠足の日がやってきた。
この一週間はできるだけグループでの実践訓練をしていて、Aクラス内で模擬戦をしたり、ガイトス先生対僕たちの模擬戦をしたりした。いい勝負はしたけど負けちゃった。さすがに負けるとガイトス先生の心が持たないだろうしね。
そんなこんなしているうちに遠足の日だ。
「じゃあ今から移動するからな。皆準備はいいか?」
「大丈夫です!」
「じゃあ出発する。出してくれ!」
さすがに道中は馬車での移動となった。トールは馬車に乗ったことがなかったみたいで、うひょー! って叫んでた。エレンがその様子をおちょくって逆に仕返しされてたけど。
「ねぇねぇユーリ君」
「どーした? セシリア」
「今日って確かBクラスも一緒だったよね?」
「そうだよ」
「ドルトス君もいるんだよね?」
「まだやっぱりトラウマか?」
「ちょっとね。怖いの」
「大丈夫だ。今はみんながいる。なぁ? エレン」
「あぁ! そうだぞセシリア。私が守ってやる!」
「ありがとう! エレン!」
「くっ… 可愛いなぁセシリアは」
今完全にエレンの顔が緩んでたぞ。レアだ。セシリアには甘々だからな。エレンは。
「そこは俺が守ってやるとかいえねぇのか。ユーリ」
「自分の技量は分かっているはずだよ。トール。トールこそどうなんだい? エレンを守ってやるとか言えないのか?」
「なっ/////// 別にそんなんじゃねぇし」
「トール。お前が私を守るなんか1000年早い」
「は? ふざんけんなエレン! 守ってやらねぇぞ?」
「あぁ? いいだろう。私がトールを守ってやる」
「エレンに守られなくても俺は大丈夫だ!」
また始まった。痴話喧嘩のようなものだ。もう見慣れた。2人とも完全には仲が悪くなったことがないから、これもじゃれあいの一つのようなものだ。
「お前等! うるさいぞ!」
「「す、すみません!」」
あ、ガイトス先生が気づいた。顔をぴくぴくさせている。
「でも、ガイトス先生、これはエレンが!」
「おまえっ! これはトールが悪いんです!」
「2人ともだ! 反省しろ」
「「っ! 分かりました…」」
何十回この光景を見たか。ガイトス先生も形式上言わないといけないからってもう呆れてる。
◆
馬車で行くこと数時間。目的地に着いた。見渡す限りの森だ。いつもは冒険者が立ち入ってる場所らしいけど、今日と明日は僕たちの貸し切りだ。
「これから、演習に入る。基本的にはお前たちの自由だ。ただ、森の中で一夜を過ごしてもらう。渡すのは、テント一式と食料。それと必要最低限の水だ。装備は各自持ったか?」
「「「「「はい!」」」」」
「では、ユーリの班以外出発!」
「「「「「はい!」」」」」
「ユーリたちの班にはできるだけ奥に行ってもらおうと思う。今回のキャンプの中で一番強いのはお前たちだ。だから、何か異常があったりしたら合図を送れ。魔法か弓で構わん。今日の森は少し騒がしい」
「分かりました。では僕たちはできるだけ奥に行って、魔物を狩ればいいんですよね?」
「そうだ。俺は全体の指揮に努めないといけないから、ついてはいけない。だが、レオルグらが近くにいると思うから何かあれば、レオルグに声をかけろ」
「分かりました。では行ってきます!」
「おう! しっかりとがんばれよ!」
こうして僕たちは森の奥へと入ることにした。
森では何かが起きていることをガイトスは感じ取っていた……
◆◆◆◆◆◆◆◆
ダブルスキルの者が多く出てきているので、初代国王が【ユニークスキル】の二個持ちという設定に変更致しました。通常スキルの二個持ちは稀にあるという認識で考えてください。
この一週間はできるだけグループでの実践訓練をしていて、Aクラス内で模擬戦をしたり、ガイトス先生対僕たちの模擬戦をしたりした。いい勝負はしたけど負けちゃった。さすがに負けるとガイトス先生の心が持たないだろうしね。
そんなこんなしているうちに遠足の日だ。
「じゃあ今から移動するからな。皆準備はいいか?」
「大丈夫です!」
「じゃあ出発する。出してくれ!」
さすがに道中は馬車での移動となった。トールは馬車に乗ったことがなかったみたいで、うひょー! って叫んでた。エレンがその様子をおちょくって逆に仕返しされてたけど。
「ねぇねぇユーリ君」
「どーした? セシリア」
「今日って確かBクラスも一緒だったよね?」
「そうだよ」
「ドルトス君もいるんだよね?」
「まだやっぱりトラウマか?」
「ちょっとね。怖いの」
「大丈夫だ。今はみんながいる。なぁ? エレン」
「あぁ! そうだぞセシリア。私が守ってやる!」
「ありがとう! エレン!」
「くっ… 可愛いなぁセシリアは」
今完全にエレンの顔が緩んでたぞ。レアだ。セシリアには甘々だからな。エレンは。
「そこは俺が守ってやるとかいえねぇのか。ユーリ」
「自分の技量は分かっているはずだよ。トール。トールこそどうなんだい? エレンを守ってやるとか言えないのか?」
「なっ/////// 別にそんなんじゃねぇし」
「トール。お前が私を守るなんか1000年早い」
「は? ふざんけんなエレン! 守ってやらねぇぞ?」
「あぁ? いいだろう。私がトールを守ってやる」
「エレンに守られなくても俺は大丈夫だ!」
また始まった。痴話喧嘩のようなものだ。もう見慣れた。2人とも完全には仲が悪くなったことがないから、これもじゃれあいの一つのようなものだ。
「お前等! うるさいぞ!」
「「す、すみません!」」
あ、ガイトス先生が気づいた。顔をぴくぴくさせている。
「でも、ガイトス先生、これはエレンが!」
「おまえっ! これはトールが悪いんです!」
「2人ともだ! 反省しろ」
「「っ! 分かりました…」」
何十回この光景を見たか。ガイトス先生も形式上言わないといけないからってもう呆れてる。
◆
馬車で行くこと数時間。目的地に着いた。見渡す限りの森だ。いつもは冒険者が立ち入ってる場所らしいけど、今日と明日は僕たちの貸し切りだ。
「これから、演習に入る。基本的にはお前たちの自由だ。ただ、森の中で一夜を過ごしてもらう。渡すのは、テント一式と食料。それと必要最低限の水だ。装備は各自持ったか?」
「「「「「はい!」」」」」
「では、ユーリの班以外出発!」
「「「「「はい!」」」」」
「ユーリたちの班にはできるだけ奥に行ってもらおうと思う。今回のキャンプの中で一番強いのはお前たちだ。だから、何か異常があったりしたら合図を送れ。魔法か弓で構わん。今日の森は少し騒がしい」
「分かりました。では僕たちはできるだけ奥に行って、魔物を狩ればいいんですよね?」
「そうだ。俺は全体の指揮に努めないといけないから、ついてはいけない。だが、レオルグらが近くにいると思うから何かあれば、レオルグに声をかけろ」
「分かりました。では行ってきます!」
「おう! しっかりとがんばれよ!」
こうして僕たちは森の奥へと入ることにした。
森では何かが起きていることをガイトスは感じ取っていた……
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ダブルスキルの者が多く出てきているので、初代国王が【ユニークスキル】の二個持ちという設定に変更致しました。通常スキルの二個持ちは稀にあるという認識で考えてください。
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