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第20話 入学式②
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エミリアと別れた僕は父上たちと合流することにした。
◆
「エルドはどうするの?」
「できるだけ学園内ではユーリ様の近くにいる予定ですが?」
「誰か一緒にいる人とかいないの?」
「いるにはいますけど…… その、なんというかユーリ様の迷惑になるかもしれませんので……」
だれそれ? めちゃ気になるんだけど!
「めちゃくちゃ気になるんだけど! また今度会わせてよ!」
「ユーリ様が望むのであれば会わせますが…… なかなかにしんどいですよ?」
「いいよいいよ! エルドの友達ってめちゃくちゃ気になるじゃん!」
「僕が登壇してるときはその人といていいよ!」
「そうですか? では、そうします」
「ここまででいいよ。ここからは父上とかもいるから警備は厳重だろうし」
「わかりました! では、挨拶がんばってください!」
「ありがとうエルド! いつも助かってるよ」
エルドがぎょっとした表情で僕を見てたけど、そんな言っちゃいけないこと言ったかな? 言ってないはずだよね。
それにしてもエルドの友達かぁ。気になるなぁ。出来たら話しやすい人がいいな! そう願っとこう。
あ、父上たちだ!
「父上―!」
「おう! ユーリ遅かったな。セシリアさんの所にはしっかり行ってきたか?」
「行ってきました! セシリアがものすごい可愛くなってました」
「お前…… もう狙ってるのか?」
「ね、狙ってなんかないですよ! 可愛かっただけです!」
「まぁいい。それにしても、挨拶は大丈夫か?」
「大丈夫だと思います。何回も練習してきたので」
「そうか、なら良かった」
は、はぁ。焦ったぁ。可愛いと思っただけだからね? 決して狙ってなんか……
◆
入学式が始まった。学校の基本理念や具体的なことが話された後、僕の挨拶の番がやってきた。
「それでは、次は新入生代表挨拶です。新入生代表ユーリ・アレクシオール君、宜しくお願いします」
呼ばれた。緊張はしていない。心を込めて!
「新入生代表として選ばれたユーリ・アレクシオールです。アレクシオールという名の通り、私は王族です。しかし、同時に貴方たちと同じただの人でもあります。この学園の基本理念は『身分を問わず、学を志す全ての者にとっての学び舎』です。しかし、残念なことに貴族階級に囚われ、上級貴族の者が下級貴族の者を見下しているような風潮が未だ学園に残っていることも事実です。よって今ここで、ユーリ・アレクシオールの名において宣言します! 身分を振りかざす行為をした場合、厳正な対処を行い、場合によっては退学も考慮に入れます。下級貴族の方、平民の方はそのような行動があれば、私や私に近い人物に報告してください! 私自ら罰しましょう! この学園に身分などは関係ない! 皆学を志すただの人間だ! そのことを肝に銘じて皆さんに学校生活を送っていただきたいと思います。最後に、僕に対しても、敬称はつけず、気軽にユーリと呼んでください! 皆さんと仲よくしたい! どうかよろしくお願いします! これにて新入生代表挨拶とさせていただきます」
は、はぁ。何とか言えた。所々忘れかけて、アドリブだったけど上手いこといったはずだ。脇にいる父上もレオ兄も親指をグッってやってくれてるし、大丈夫だとは思う。僕の伝えたいことはしっかりと伝わったはずだ。
これからどうなるんだろう。楽しみだ!
◆
その後も、レオ兄や父上、学園長が続いて演説を行った。父上と学園長はさすがと言ったところで、僕も思わず雄叫びをあげそうになったくらいだ。入学式は概ね成功といっていいだろう。
各々のクラスに分かれて軽くホームルームをして帰ることになっている。
どんな人がいるんだろう? 楽しみだなぁ。
◆
「エルドはどうするの?」
「できるだけ学園内ではユーリ様の近くにいる予定ですが?」
「誰か一緒にいる人とかいないの?」
「いるにはいますけど…… その、なんというかユーリ様の迷惑になるかもしれませんので……」
だれそれ? めちゃ気になるんだけど!
「めちゃくちゃ気になるんだけど! また今度会わせてよ!」
「ユーリ様が望むのであれば会わせますが…… なかなかにしんどいですよ?」
「いいよいいよ! エルドの友達ってめちゃくちゃ気になるじゃん!」
「僕が登壇してるときはその人といていいよ!」
「そうですか? では、そうします」
「ここまででいいよ。ここからは父上とかもいるから警備は厳重だろうし」
「わかりました! では、挨拶がんばってください!」
「ありがとうエルド! いつも助かってるよ」
エルドがぎょっとした表情で僕を見てたけど、そんな言っちゃいけないこと言ったかな? 言ってないはずだよね。
それにしてもエルドの友達かぁ。気になるなぁ。出来たら話しやすい人がいいな! そう願っとこう。
あ、父上たちだ!
「父上―!」
「おう! ユーリ遅かったな。セシリアさんの所にはしっかり行ってきたか?」
「行ってきました! セシリアがものすごい可愛くなってました」
「お前…… もう狙ってるのか?」
「ね、狙ってなんかないですよ! 可愛かっただけです!」
「まぁいい。それにしても、挨拶は大丈夫か?」
「大丈夫だと思います。何回も練習してきたので」
「そうか、なら良かった」
は、はぁ。焦ったぁ。可愛いと思っただけだからね? 決して狙ってなんか……
◆
入学式が始まった。学校の基本理念や具体的なことが話された後、僕の挨拶の番がやってきた。
「それでは、次は新入生代表挨拶です。新入生代表ユーリ・アレクシオール君、宜しくお願いします」
呼ばれた。緊張はしていない。心を込めて!
「新入生代表として選ばれたユーリ・アレクシオールです。アレクシオールという名の通り、私は王族です。しかし、同時に貴方たちと同じただの人でもあります。この学園の基本理念は『身分を問わず、学を志す全ての者にとっての学び舎』です。しかし、残念なことに貴族階級に囚われ、上級貴族の者が下級貴族の者を見下しているような風潮が未だ学園に残っていることも事実です。よって今ここで、ユーリ・アレクシオールの名において宣言します! 身分を振りかざす行為をした場合、厳正な対処を行い、場合によっては退学も考慮に入れます。下級貴族の方、平民の方はそのような行動があれば、私や私に近い人物に報告してください! 私自ら罰しましょう! この学園に身分などは関係ない! 皆学を志すただの人間だ! そのことを肝に銘じて皆さんに学校生活を送っていただきたいと思います。最後に、僕に対しても、敬称はつけず、気軽にユーリと呼んでください! 皆さんと仲よくしたい! どうかよろしくお願いします! これにて新入生代表挨拶とさせていただきます」
は、はぁ。何とか言えた。所々忘れかけて、アドリブだったけど上手いこといったはずだ。脇にいる父上もレオ兄も親指をグッってやってくれてるし、大丈夫だとは思う。僕の伝えたいことはしっかりと伝わったはずだ。
これからどうなるんだろう。楽しみだ!
◆
その後も、レオ兄や父上、学園長が続いて演説を行った。父上と学園長はさすがと言ったところで、僕も思わず雄叫びをあげそうになったくらいだ。入学式は概ね成功といっていいだろう。
各々のクラスに分かれて軽くホームルームをして帰ることになっている。
どんな人がいるんだろう? 楽しみだなぁ。
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