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第15話 入学試験③

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「あ、あの! 助けていただきありがとうございました。ユーリ様」

「僕のこと知ってるんだね。嬉しいよ」

「それはもちろんです!! 私からしたら雲の上のような存在で。お顔も遠目からぼんやりと見た程度で。会えて光栄です!!」

「ハハッ。それは良かった。ごめんね。もっと早く止めてあげればよかった。怪我は?」

「け、怪我はないです。ユーリ様を心配させるなんて!!」

「気にしないでいいよ。あと、学園では身分は関係ない。ユーリって気軽に呼んで!」

「で、では、ユーリさん、、、と呼ばせてもらいます。あ、申し遅れました! 私はセシリア・フォン・ミリードと申します。以後、宜しくお願いします!」

「よろしくね。セシリア! 慣れればユーリって呼んでね」

「――ッ//////////」

「どうしたの? やっぱりどこか怪我があるんじゃ――」

「な、何ともないです! この通りです!!」

 セシリアは元気な様子を表現するために、キャピキャピ動いてる。可愛い……

「また、なんかされたら言ってね。いつでも助けに行くから!」

「は、はい! では、また! 今回は助けていただき本当にありがとうございました!」

 セシリアが僕に礼をした後、去ろうとすると、遠くから聞き覚えのある声がした。

「どうしたー? 何かあったのかー?」

 レオ兄だ。確か今年4年だと思う。見回りをしてたのかな?

「ちょっと通してくれー。って、ユーリじゃないか!」

「レオ兄こそここに何でいるんだよ」

「今日は生徒代表として会場の見回りをしててな。それで、受験者の子が、ここで騒ぎがあるって教えてくれたんだよ。それで来てみたらこの有り様だ。何があった?」

「ここにいるセシリアさんが、ドルトスに言い寄られててそこを助けたんだよ」

「ドルトス? あぁ、あの公爵家のやつか。また厄介な奴に絡まれたもんだな。対処してくれてありがとうな。ユーリ。それにエルドも」

「いやっ! 滅相もない。当然のことをしたまでです!」

「それで、セシリアさんは? 怪我はない? 大丈夫?」

「ふぇ!? 雲の上の存在が二人も~~」

 やばい! セシリアが倒れそうだ!

「セシリアさん! レオ兄! 救護室の人に連絡おねがい! 後から連れていく!」

「わかった! 頼んだぞ!」

「セシリアさん! 大丈夫!? ちょっとごめんね」

 セシリアには悪いけど、お姫様抱っこするしかない。決して他意はないよ? ちょっと可愛いと思ったからとかじゃないからね?

「おうぞくのかたにだっこされてる~~」

 王族という雲の上の存在を2人も見て、そして話しかけられたセシリアは脳の処理が追い付かず、抱っこされたことで気絶するのであった。



 救護室に運ばれたセシリアはベッドで寝るとすぐに回復した。セシリアは時間に間に合いそうにないから時間をずらして試験を行うことになった。

 僕とエルドは、無事に間に合って試験を受けることができた。

 ハプニングはあったけど、筆記試験は全部かけたし、実技もそれなりに戦えたから大丈夫だろう。エルドも「大丈夫です!」って言ってたから大丈夫だ。

 セシリアも【光魔法】があるから恐らく通るだろう。

 ――こうして、僕の入学試験は終わった。セシリアとはこれから長い付き合いになる。そんな気がした。
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