上 下
12 / 43

第12話 あれから5年が経って.......

しおりを挟む
 僕のスキルを報告してから5年が経った。

 あの後僕は、これ以上やれば死ぬかもってぐらい鍛錬と勉強を詰め込まれた。幸い【人徳】のおかげで、普通の人より成果が出やすかったため、今では、兵士で【剣術】のスキル持ちには勝てるレベルになった。これだけでも僕的には大きな進歩だと思う。それだけスキルの有無の差は大きいのだ。

 鍛錬は、レオ兄とやったり、騎士団長のキースと手合わせしたりしていた。そうそう、騎士団長の息子が僕と同じ年だから、学園にはその子も一緒に側仕え的な役割としていてもらうことになった。名前はエルド。為政者としての素質を【人物鑑定】で見た。



名 前:エルド・フォン・ペドロ
性 格:真面目、実直、仲間思い
スキル:【剣豪】

演説力:80
人 望:80
武 勇:88
政 治:50



 なかなかの才能の持ち主だ。数字は最大で100だから、なかなか上の方だと思う。性格も真面目であると書かれていて、いかにも騎士団長の息子ですっていうステータスだ。人望にも厚く、将来の騎士団を任せられるような逸材だな。ちなみに、騎士団長は伯爵家だ。キースのステータスも見た。



名 前:キース・フォン・ペドロ
性 格:真面目、実直、仲間思い
スキル:【剣豪】

演説力:85
人 望:85
武 勇:92
政 治:50



 エルドより演説力、人望、武勇が高い。性格が息子と全部同じだ。この性格を見るに、ペドロ伯爵家が裏切るなんてことはなさそうだ。これからも僕たち王族を支えてくれる存在だし、真面目な性格で良かったと思った。でも、政治が低いのが少し気になるかな。しっかりと政治ができる人に街を任せているのだろう。また、今度視察に行きたいものだ。

 鍛錬は一生懸命頑張ったつもりだったけど、周りの【スキル】が凄すぎて、正直どれだけ戦えるようになってるかは分からない。でも、それなりには戦えるようになっていると思いたい。

 勉強は前世でもしっかりやってたし、今世の事情も知りたかったからきついよりは楽しいが勝ってたかな。基本的な計算処理は、前世とほぼほぼ同じだった。ほぼヌルゲーだ。他にも、ダンスの勉強、基礎教養、歴史の勉強も行った。ダンスの練習は......うん、思い出したくない......

 歴史は僕もとても興味を持った部分で、入学試験でも必要だからもう一度整理しとこう。

 まず、僕の王国が、アレクシオール王国。その周辺には3か国存在する。左にウルド帝国、下にはミレネー商国、そして、右には、レオガルド獣王国。実際はこんな感じだ。



 ウルド帝国とは、僕が生まれるくらいまで戦争をしてて、そこで、父上は戦って勝ちを収めて、王位継承に国民の支持が影響して、国王になった。大したスキルのなかったゲルドさんっていう父上の兄弟は、政争に負けて、公爵の地位についている。まだ王位を諦めてないらしく要注意人物になってる。

 ウルド帝国は、基本的に人族至上主義らしく、亜人を奴隷として扱っているひどい国だ。レオガルド獣王国とは面していないけど、ミレネー商国経由で奴隷が運ばれているって噂だ。

 ミレネー商国は、有名な商人が起こした国で、基本的に商人による治世が行われている。でもそれぞれがどこかを収めているんじゃなくて一つの共同体として運営されている。今はトップに3人いるらしくて、その3人で色々なことを議論して国を運営してるらしい。基本的に防衛は冒険者ギルドに任せている。

 冒険者ってのは、ダンジョンに潜ったりとか薬草を採取したりする言わば何でも屋だ。平民にも戦闘系の【スキル】持ちは結構いるからそのようなギルドが作られたらしい。本部はミレネー商国にあるけど、基本どの国にも支部が存在してる巨大組織だ。いつか僕も入ろうかと考えている。

 最後は、レオガルド獣王国だね。アレクシオール王国とは、国交を樹立していて、困った時は助け合うことになってる。だから、ミリアが僕のメイドなんかになったりしてるのも、アレクシオール王国とレオガルド獣王国が仲いい証拠だね。力こそパワーの国で一番強い人が国を治めることになっている。今の国王は、父上ともいい勝負をするぐらいに強い人なんだって。でも仲も良いみたい。

 ざっとこんな感じで教師の人から説明された。この教師の人は、偏見とかがないからすごく良かった。それに冗談も混ぜてくれるから楽しかったし。レオ兄がなんでこんなに拒んでいるのかが分からないくらいだ。

 そうそう、レオ兄は学園の中等部に行き始めて、早3年だ。中等部4年、高等部4年の計8年行くことになる。大体の人は8年通うんだけど、学費とか家の事情とかで4年だけの人とかもいるらしい。レオ兄は入った時から既に敵なし状態らしくて、いちびっていた貴族たちを黙らせたらしい。

 学校にはしっかりと試験を通れば平民でも通えるようになってるんだ。だから、貴族は平民をいびったりする文化があったみたいだ。その話をしてる時のレオ兄は般若だったな。それで、レオ兄が平民でも楽しめるように分からせたらしい。何でとはここでは言わないよ?

 そして、僕も10歳になったから、学園に通う年だ。今は、試験1週間前で、色々な確認をしてる所。試験は筆記と実技があって、筆記は歴史の問題とか計算とかだ。これはユーリ様なら余裕だって家庭教師の先生からは言われている。実技は、先生と模擬戦をやって、先生が判断するらしい。2つ合わせての合計点で決められる。だから、筆記だけできる人や実技だけ出来る人だけでも、頑張れば通るようになってる。だから僕は筆記の方を頑張ることにしたんだ。

 あと、1週間!!! 頑張るぞ!!
しおりを挟む
感想 58

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生領主の領地開拓 -現代の日本の知識は最強でした。-

俺は俺だ
ファンタジー
 今年二十歳を迎えた信楽彩生《しんらくかやせ》は突如死んでしまった。  彼は初めての就職にドキドキし過ぎて、横断歩道が赤なことに気がつかず横断歩道を渡ってしまった。  そんな彼を可哀想に思ったのか、創造神は彩生をアルマタナの世界へと転生させた。  彼は、第二の人生を楽しむと心に決めてアルマタナの世界へと旅だった。  ※横読み推奨 コメントは読ませてもらっていますが、基本返信はしません。(間が空くと、読めないことがあり、返信が遅れてしまうため。)

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました! 1巻 2020年9月20日〜 2巻 2021年10月20日〜 3巻 2022年6月22日〜 これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます! 発売日に関しましては9月下旬頃になります。 題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。 旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~ なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。 ────────────────────────────  主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。  とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。  これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。 ※カクヨム、なろうでも投稿しています。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

処理中です...