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現在

廉side

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西園寺 廉。Saionの御曹司を一応している。
最愛の彼女と別れ、4年間の海外への長期出張を終え実家に戻ってきた。

実家に戻ると、亡くなった兄夫婦の子どもの拓と花がいた。

両親からは、
「私たちは、老い先短い。だから結婚して拓と花の養子縁組しなさい。」と言われた。

「誰とですか?」と聞くと

「廉、そこはあなたの好きになさい。絶対反対しないから」と母。

「今更それですか……あなたたちが反対したから別れることになったことをお忘れないように……」と言った後に

「その頃は、会社のために良い縁談をと思ってたけど、あなたの兄を亡くしてから好きな人と一緒にいた方がいいと思ったのよ」と母。

「俺は、絢香以外愛しませんので!」と言い、部屋に戻ろうとした。

「こんにちはー」と拓と花。

「ああ、こんにちは。これからよろしくな。」と笑顔で言った。
兄貴の子ども、こんなに大きくなっていたんだなどと思いながら……

絢香、どこにいるんだ。電話にも出ないしメールも返ってこない……
まさか結婚してるとか……と考え勝手にイライラしていた。

絢香の写真を見て物思いにふけっていると、

さっき何も話さなかった父が母と一緒にやってきた。

「廉……言わなきゃいけないことがある」と前置きしてから

「絢香さんがどこにいるか知っている。」と言い始めた。

俺は必死になりながら

「どこにいる!なんで知っているんだ?」と攻め立てた。

「落ち着け!」と父親に言われたが、

「音信不通な絢香の居場所を親が知っているとか落ち着いてられるか!」と返した。

「それもそうだな。絢香さんはな、Saionで働いているんだ。」と言われた。

「Saionで働いている!?なぜそんな話になっているんだよ!」と言うと

「お前が飛び立ってから2年後、応募してきた。」と父。

あ、そういえばSaionの御曹司してること言ってなかったかもしれないな……

「そして、廉が帰ってきた時のために採用しておいた。…………優秀な人材だからだけど」と言われた。

「父さん、母さん、そこだけはありがとうと感謝伝えとくよ」と言った。

「行くなら明日になさい。今日は夜遅いから」と母に念押しされたため、その日は就寝した。
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