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第一章
誕生新魔王
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破壊者?
SS級?
ヤーシャの口から伝えられた自分のスキルと魔力量
何一つ理解ができなかった
凄いのか、普通なのか。
ポカーンと口を開けているしかできなかった。
「バルド説明してやっとくれ」
「はい。今回のスキル判定で魔王様のスキルは破壊者と言う、万物に対する破壊、崩壊。に特化した大変強力なスキルです。そして魔力量、こちらはSS級。等級の中での最大値のさらに上、大変珍しい等級になります。因みにヤーシャ様はS級です」
サラリと話されるが、それってもしかして…
「凄くない…?」
「はい。並大抵の魔物、魔術師・魔道士とは比になりません。
そしてコレは、先代魔王様の物を引き継いだ物で間違い無いでしょう。」
先代魔王のスキルと魔力量を引き継いだ、そして魔王の蘇生と共にこの世界に転生した。
これで俺が新しい魔王としてこの世界に存在していると言うことの説明がつく様だった。
しかし…俺に何ができるだろう
突然授かったこのトンデモスキルも扱える自信などない
まして周りは魔物。つまり俺は人に仇をなす者になるのだろう。
「俺には何も…できないですよ」
弱音が口からこぼれ落ちる
「こんな凄い力を貰っても扱える程の力も無いです」
弱い心が
「まして、魔物を救って人を傷つけるなんて」
仕舞い込んだ記憶が
「それでも私達は魔王様をずっと待っておりました。また皆で共に笑い合える世界になれる様に、私達も共に戦います」
セリンの真っ直ぐな瞳と目が合う。
燃える様な真っ赤な彼女の瞳の奥に強い思いを感じる。
現世には何の悔いもなかった。
それは俺の人生に何も深い意味も想いもなかったからだろう。
誰にも求められず、誰にも必要とされない。
しかし、今目の前にいる人ならざる物達は、俺を必要としてくれている。
俺が現世でどんなに求めても手に入らなかった物だ。
「…分かったよ。俺は何をすれば良い?」
俺は第二の人生としてこの世界で、
“魔王”として生きていくことを決めた。
生きていた頃手にできなかった物も、この世界でなら手に入れることができる様な気がした。
たとえこの世界の彼らが俺を通して別な奴の面影を見ていたとしても。
今の俺にはここで生きていくしかできないのだから。
「ありがとうございます。魔王様…これでまた我らが輝ける日が来ます」
目の前で跪き胸に手を当ててこちらを見つめるバルド。
続いて隣にセリンとヤーシャも跪く。
「そっそんな‥やめてくれ。それにその…魔王様ってのもやめてくれないかな…」
此処に来てからずっとその呼び名だ。
そういえば名前を名乗ってすらいなかった。
「俺は…山技帝。これからは皆ミカドって呼んでくれ無いかな?」
自分でも笑顔が引き攣っているのが分かった。
皆の顔が見れなくなる。
「…ミカド、ミカド様‼︎素敵なお名前ですわ‼︎」
花の様な笑顔を浮かべ喜ぶセリン。
ミカド様ミカド様と、喜びながら名前を連呼される。
「よろしいのですか?ま…ミカド様」
バルドも恐る恐る名前を呼んでくれる。
「あぁ、堅苦しいのは苦手でさ」
分かりました。と、渋々だが納得してくれた様子だ。
ヤーシャも目尻に皺を寄せ微笑んでいる。
初めは魔物だから、恐ろしいものかと思っていたが、彼らはとても暖かい。
此処での生活も悪く無いのかもしれない。
SS級?
ヤーシャの口から伝えられた自分のスキルと魔力量
何一つ理解ができなかった
凄いのか、普通なのか。
ポカーンと口を開けているしかできなかった。
「バルド説明してやっとくれ」
「はい。今回のスキル判定で魔王様のスキルは破壊者と言う、万物に対する破壊、崩壊。に特化した大変強力なスキルです。そして魔力量、こちらはSS級。等級の中での最大値のさらに上、大変珍しい等級になります。因みにヤーシャ様はS級です」
サラリと話されるが、それってもしかして…
「凄くない…?」
「はい。並大抵の魔物、魔術師・魔道士とは比になりません。
そしてコレは、先代魔王様の物を引き継いだ物で間違い無いでしょう。」
先代魔王のスキルと魔力量を引き継いだ、そして魔王の蘇生と共にこの世界に転生した。
これで俺が新しい魔王としてこの世界に存在していると言うことの説明がつく様だった。
しかし…俺に何ができるだろう
突然授かったこのトンデモスキルも扱える自信などない
まして周りは魔物。つまり俺は人に仇をなす者になるのだろう。
「俺には何も…できないですよ」
弱音が口からこぼれ落ちる
「こんな凄い力を貰っても扱える程の力も無いです」
弱い心が
「まして、魔物を救って人を傷つけるなんて」
仕舞い込んだ記憶が
「それでも私達は魔王様をずっと待っておりました。また皆で共に笑い合える世界になれる様に、私達も共に戦います」
セリンの真っ直ぐな瞳と目が合う。
燃える様な真っ赤な彼女の瞳の奥に強い思いを感じる。
現世には何の悔いもなかった。
それは俺の人生に何も深い意味も想いもなかったからだろう。
誰にも求められず、誰にも必要とされない。
しかし、今目の前にいる人ならざる物達は、俺を必要としてくれている。
俺が現世でどんなに求めても手に入らなかった物だ。
「…分かったよ。俺は何をすれば良い?」
俺は第二の人生としてこの世界で、
“魔王”として生きていくことを決めた。
生きていた頃手にできなかった物も、この世界でなら手に入れることができる様な気がした。
たとえこの世界の彼らが俺を通して別な奴の面影を見ていたとしても。
今の俺にはここで生きていくしかできないのだから。
「ありがとうございます。魔王様…これでまた我らが輝ける日が来ます」
目の前で跪き胸に手を当ててこちらを見つめるバルド。
続いて隣にセリンとヤーシャも跪く。
「そっそんな‥やめてくれ。それにその…魔王様ってのもやめてくれないかな…」
此処に来てからずっとその呼び名だ。
そういえば名前を名乗ってすらいなかった。
「俺は…山技帝。これからは皆ミカドって呼んでくれ無いかな?」
自分でも笑顔が引き攣っているのが分かった。
皆の顔が見れなくなる。
「…ミカド、ミカド様‼︎素敵なお名前ですわ‼︎」
花の様な笑顔を浮かべ喜ぶセリン。
ミカド様ミカド様と、喜びながら名前を連呼される。
「よろしいのですか?ま…ミカド様」
バルドも恐る恐る名前を呼んでくれる。
「あぁ、堅苦しいのは苦手でさ」
分かりました。と、渋々だが納得してくれた様子だ。
ヤーシャも目尻に皺を寄せ微笑んでいる。
初めは魔物だから、恐ろしいものかと思っていたが、彼らはとても暖かい。
此処での生活も悪く無いのかもしれない。
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