おきたくんの駄文(フリー台本)

君と最後の星の降る夜 一人台本(約5分)

ふあぁぁ、おはよう。
また来たんだね。

物好きだねえ君も。
こんな所に来てももう見えるものなんて何もないよ。

…君くらいさ、こんな寒い中来るなんて。
君さ、やっぱりかなりの変わり者だろう？

…違う？嘘だね。
だって僕ここから見てたよ。君が学校で除け者にされてる所。
よって囲まれてさ。ほんと漫画みたいな典型的なやつ。
ここからだとよく見えるんだよね。
情けないね。這いつくばって水かけられて挙句の果てに大切なものまで奪われて。

…なんでやり返さないんだよ、苦しいのは君じゃないか。
それに、別にあんなちょっとした出かけの時にあげたものなんて、守る必要なかったんだ。
それが原因で君がそうなってるなら、僕は悲しい。

あーはいはい。いつものお得意の無視ですか。
別に構わないですよーだ。ばーかばーか！
…はあ、君は昔からそうだ。大事なところだけ抜き取って…しまいこんで行動して、いつも誤解ばかりされて。
僕ばっかり何も知らないまま、君に生かされていた。
どんなに僕が頑張っても君は学校は辞めないし、ここへもやって来るのだろうね。

でもこんなこと続けていても君が変人に見られるだけだよ。
こんな誰もいない丘の上に夜更けに来るなんて、正直どうかしてると思うし。

ねえ聞いてるのってああ！！流れ星！
こんな時に、神様も酔狂だなぁ。
君も何か願ってみれば？…ってなに泣いてるの。
え、君がここに来てた理由ってこれ？
えええ、早く願いなよ！！ほら早く早く！！

…間に合った？そう、よかった。
一体何願ったんだか。君も意外にロマンチックなとこあるんだね。

やだな、あんまり見つめないでくれよ。思ったこと言っただけじゃないか。

ふあぁ、さっき起きたばっかなのにまた眠くなってきちゃったな。
なんだよ、別にいつ寝たっていいだろ。何さ、寂しそうな顔しちゃって。

え、願いが叶いそう？
…そっか、なるほどねぇ。大丈夫大丈夫。すぐに君に追いつくさ。むしろ今度は見下ろしてやるよ。

だから、ちょっとそれまで一眠りするだけだから。
あのさ、手を握ってくれる？…感覚でいいよ。
うん、そんな感じ。ありがと。
やっぱり君の手はあったかい…気がする。いい目覚めになりそうだ。

じゃあ、おやすみ。またすぐ君を見つけるからね。