君の姿をまだ知らない

ナタリア

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第1章真実の中身

やるせない気持ち…

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全体練習が終了し、自主練習へと切り替わった、
自分は室内練習場に移り、鏡に向かって素振りをしていた…
しかし、時刻は午後10時を回っており、その時間帯になると部員は、帰り支度し、
先輩方は、すでに下校して、
周囲には、誰もいなく、静かな空間で、
気づかずに、バットの振る音だけが、
虚しく微かに響いていた…

普段は、部室へ更衣を済ませ、駐輪場にいる時間帯なのだが、今日一日、いろいろあったせいか、時間ことすら忘れ、ただひたすらに
素振りをしていると想像以上に時間が経っていた…
当然、休みなくやっていると、体中から汗まみれになり、おまけにエアコンが設置してない室内なので、熱気がこもって、頭の中が
オーバーヒートしそうな状態だった
だが、そんなことをお構いなし…
バットを振る動作をやめた途端、自分の中で何かが壊れそうな恐怖心から、躊躇していた…

すると中々部室から帰ってこない、自分も見兼ねて、白井、マーク、秦が制服に着替えて
室内練習場に顔を覗かした…
「あいつまだやってやがる」と白井が呆れた口調で言う、それに続いて秦が…「今日は頑張るね、才は、どうしたんやろ?」と心配そうに3人が見つめる、するとマークが…「俺も今から着替えて練習しようかな」とマークは除いて、あんなに熱心にやっている自分を見たいことないらしく、奇妙な光景に写っていた…

だが、3人は流石にやり過ぎだど思い、自分に近づいて…
「おい、才、今何時だど思ってるんだ?、帰るぞ!」と白井が声を掛けたが、至近距離にもかかわらず、全く聞こえなかった、
秦も「才、そろそろ片付けて、帰ろうよ」
と再度言ったが、まるで誰もいないかのように素振りをやめない…
「おい!才、聞こえているのか?おい才」
怒鳴り口調で白井は発したが、聞こえるそぶりを見せない自分がいた、「ダメだこいつ、
自分の世界に入ってやがる…」と驚いた表情で、手の施しようないような感じに言った…

すると秦が何かを発見した様子だった…
それは自分の白いバッテイング手袋に血が付着しているのに気づいつて
「おい、、豆潰してるぞ!」と叫ぶ
「え?あ…本当だ…」と白井も後から気づいて三人は慌てて、自分を止めようとした…

秦「おい才!大会前だぞ!やめろ!」
白井「そうだぞ!とりあえず落ち着いてくれ」
マーク「…」
自分が構える瞬間に三人が止めようとし、
マークの腕力もあってか、完全に動きが静止し、しばらくして、手の痛み共に我に返って、三人が自分の身体を警察みたいに、取り押さえる形になっていることに、違和感を覚えた、
しかし室内練習場の時計を見てみると、
すでに午後10時半を回っていて、自分の感覚では、まだそこまで、時間があまり経過してないと思ったが、まさか、そこまで長い間素振りをしていたことに、驚きを隠せなかった…

自分は、呆然と突っ立っている姿を見て、
秦が…「とりあえず、手は大丈夫か?」と心配する、それに対して自分は…「結構痛い…でも左手だけだから 、そこまで重症じゃないと思う」

「そうか、わかった…ならいい…一応念のため部室で手当しようか」

「うん…」

「よし!行こう…白井、才を水道で手を洗って、綺麗にしたいから連れてってくれ、マークと俺は部室で手当ての用意しとくから」

「わかった…よし行くぞ才!」

「…」

外でてすぐそばにある、手洗い場に自分と白井は、向かい、手を洗った後、部室で秦に、
テービングをしてもらった…
器用にテープを左手の豆が潰れた部分に巻き、優しい自分に問いかけた、
「大丈夫か?才」
「うん…」
「頑張るのはいいが左手をここまでするのはあまり関心しないよ」

「ごめん…悪かった…まさかここまでなるとは思わなかった」

「バット振ってる最中は痛くなかっの?」

「いや…全然痛みを感じなかった…」

「そうか…てか俺たちの声が聞こえない状態だったから、そうなるよね」

「本当にごめん…」

素振りに労力を使いすぎたせいか…全く喋る気にもなれずただ謝るだけの自分に秦は、気を使ってくれ…

「今日は家まで送るから…いいか?」
「うん…」
「俺とマークもついてくから安心しろ」
「心配だ…行く」と白井とマークも付き添って行くと言った…

「ありがとうみんな…」

「気にするな…今は何も言わなくていい」と秦が自分の心境を察したように言ってくれ、
部室でなんとも言えない空気が流れていた…





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