10月2日、8時15分の遭遇(前編)

ライヒェル

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最後の一週間

テーゲル空港での別離

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彼は近づいて来る私を確かめるようにじっと見つめていたが、やがて、突如その目に暗い影が走り、眉間に皺をよせるのが見えた。
私は黙って、拓海の前に来た。
「拓海」
想像以上に掠れていた自分の声が聞こえた。
拓海は黙って私を見つめた。
とても、傷ついたような視線。
何も言わず、黙って私の次の言葉を待っている。
もう、彼は答えを知ったのだ。
「ごめん。貴方とは、パリに行けない。結婚は、出来ない」
絶対にしくじらない。
これだけは、はっきりと声に出すと決めていた。
泣き出したい気持ちを必死で押さえ、私はじっと拓海を見つめた。
彼は固く唇を引き結び、私の言葉を噛み締めるかのように黙って私を見つめる。怒りと悲しみが渦巻くその目に、私は自分の姿を見た。
どれだけの沈黙が続いたかわからない。
やがて、拓海は大きく溜め息をつくと、眩しそうに目を細めて私の後方へ目を向けた。
「俺は、大きな間違いをしたらしい」
そう言うと、私に手を伸ばし髪に触れた。
「あの時、無理矢理にでも北欧へ連れて行くべきだった」
彼は強い後悔の色を浮かべた顔で、苦しげにそう呟いた。
「あの時の、あいつか」
拓海はそう言って、また、私の後ろを見る。
振り返ると、離れたホールの壁に寄りかかり、ブラックデニムのポケットに両手をつっこんだヴィクターがじっとこちらを見ているのが見えた。
「わかっていたんだ、あいつは俺から理央を奪うやつだって。なのに、あぁ、俺はどうして、君を置いて行ってしまったんだ!」
拓海は押し殺すような声でそう呟いて、両腕できつく私を抱きしめた。
「こんなに愛しているのに、どうしてうまく行かないんだ!」
「ごめん、拓海……やっぱり、違ったの。拓海の運命の人は、他にいるはずだから」
「俺は、他の誰でもなくて、理央が欲しいんだ!」
「今は、そうだとしても、でも、いつか、きっと拓海も解る時が必ず来る」
激情を押し殺そうと息を震わせる拓海をなだめ、私自身も出来るだけ理性を保とうと必死だった。
「リオ」
背後からヴィクターの声がして、同時に拓海の腕が緩んだ。
振り返ると、いつの間にか私達の真後ろまで来ていた彼が、まっすぐに拓海を見つめて立っている。その視線はあくまで落ち着いたものだったけれど、何にも動じない強さを秘めていた。
拓海は黙ってヴィクターを見据えていたが、やがて私の背から手を離すと、もう一度私を見下ろした。
「滞在、延長するんだな。荷物がないし」
その目は、とても優しくて切なげだった。
「うん……あと数日、残ることにした」
「そうか」
拓海はそう言うと、一度私の頬に触れて、それから眩しそうに目を細めた。
「前よりもっと奇麗になった。その理由が俺じゃなくて、こいつだとはな」
そう言うと彼はふいにヴィクターに向き直り、いきなり肩を鷲掴みにしたかと思うと右手拳を引き、殴りかかった。
あまりにも咄嗟のことで、あっと声を上げそうになる。
が、拓海はヴィクターの頬に触れる寸前で拳を止めていた。
二人が至近距離でお互いの視線を合わせているのを、心臓が止まる思いで見つめる。
やがて、微動だにしていなかったヴィクターが、拓海をまっすぐに見据えたまま、自分の左頬すれすれで止まっている拓海の拳を掴んで下におろした。
「……さすがに、度胸がありそうなやつだ。瞬きもしなかった」
皮肉っぽくそう言うと、拓海はヴィクターの肩から手を離した。そして、黙って拓海を見据えているヴィクターを睨むように見つめ、押し殺した凄みのある声で脅しのセリフを吐く。
「理央を泣かせてみろ、すぐに取り返しに来て、おまえを再起不能にしてやる」
それを聞いたヴィクターは少しだけ微笑みを浮かべ、小さく頷いた。
「勿論、覚えておくさ。でも、その日は決して来ない。俺は永遠に彼女の側にいる」
「……っ、心底、ムカつく男だ!空港じゃなきゃ、一発くらい浴びせてたのに」
拓海は忌々しげに舌打ちして、ヴィクターから目を離すと、私に向き直った。
「それじゃ、俺はもう行く」
「うん。拓海、わざわざ来てくれて、ありがとう。そして、ごめんね」
私はやっと極度の緊張から解放され、安堵感から涙目になっていた。拓海は目を細めて微笑んだ。いつもの、挑発的な鋭い目が、急に優しく見える表情に、懐かしさを感じて私も微笑みが溢れる。
「別れは言わない。未来のことなんか、誰も知りはしない」
「拓海……」
「捩じれた糸の先がどう繋がっているか、時が教えてくれるはずだろう」
拓海は爽やかな笑顔でそう言うと、一瞬だけ私を抱きしめた。そしてもう振り返らずに、カートを押してチェックインカウンターの列のほうへと去って行く。
列に並んだ彼の後ろにまた他の搭乗客が並び、すぐにその姿は影に隠れて見えなくなってしまう。
大切な友人を失った様な喪失感と、やり直しの効かない挑戦を終らせた安堵感で、深い溜め息が出た。
拓海はどこまでも拓海のままだ。
海のように雄大で、荒々しくもあれば、時に優しさに溢れた、誠実な男。
彼は私に、いろんなことを教えてくれた。
自分の気持ちに素直になることや、欲しいものを欲しいと言える強さ。
彼の存在がなければきっと、今の私も存在しなかっただろう。
拓海は、私が愛し、人生を共にしたいと思う人ではなかったけれど、彼もまた、私の人生に大きな影響を与えてくれた、大切な人だった。
彼が、いつか運命の人と出会って幸せになる日が、一日も早く訪れてほしいと心から思った。
「あいつ、いい男だったな」
ヴィクターはそう呟いた後、チェックインカウンターから目を離した。
「一発くらい殴られる覚悟は出来てたけど」
少し冗談ぼく言ったヴィクターの目は、それが本当は冗談ではなく本心だと分る目をしていた。
「逆に、俺があいつを殴りたくなって、危なかった」
「えっ?」
殴るなんて言葉が彼の口から出るなんて信じられなくてびっくりする。
「あいつが君を抱きしめた時」
そう言えば、拓海が私を抱きしめた直後に、離れたところに居たはずのヴィクターが背後に来ていたことを思い出す。
私は、激昂して興奮気味の拓海を落ち着けようということだけ考えて特に意識していなかったけれど、ヴィクターから見たら、私が拓海を拒否しているように見えなかったのかもしれない。
「俺、こんなどす黒い嫉妬を味わったの、初めて」
明るく笑いながらそう言って、私に手を差し伸べるヴィクター。私は両手でその手を掴んで引き寄せると、その腕に抱きついて彼を見上げた。
「私も、メキシカンレストランで帰り際、オリビアが貴方の肩を抱いたの見て、直視出来なかったよ。ものすごく嫌で、逃げたくなって、それですぐにレストランを出たくらい」
「オリビア?ジョーの会社の?」
「私の分らないスペイン語で仲良さそうにずっと話してたし……そのせいで、ヤケになってマルガリータを飲み過ぎたんだと思う」
「へぇ、気がつかなかったな。俺は、最初からクリスティアンの挑発に苛ついてて、あの晩、オリビアと何を話していたのか全然覚えていない」
お互い顔を見合わせて、可笑しくなって笑い出す。
噛み合なかった歯車が、こうしてきちんと噛み合い回転を始めた今、過去はすべて共有する思い出となる。
「行こう、リオ」
「うん」
私達は一緒に歩き出した。




40分後、私達はベルリン市内の住宅街に到着していた。
通りに車を駐車すると、ヴィクターがトランクからスーツケースなど荷物を出しながら、斜め向いの建物のほうに目をやる。
「あそこの、0階」
歩道沿いに立つオフホワイトの建物の中央に、赤茶色の大きな扉があった。



ヴィクターは荷物を全て下ろすと、車のトランクを締めて、レザージャケットの胸ポケットから携帯を取り出した。
「クリーニングは終ったって、メールは来てる。とりあえず、入ってみるか」
「私、自分のスーツケースは押すから」
「オッケー」
ヴィクターが私のスーツケースを押してこちらへ移動させてくれたので、ハンドルを上げてコンクリートの歩道の上を押して行く。彼は自分のスーツケースに私のボストンバッグと紙袋を乗せて私の後からやってきて、デニムのポケットから、何本かの鍵を束ねてあるシルバーのキーホルダーを取り出した。
一つ目の鍵で、その赤茶色の共有扉を開けて、建物の中に入ると、入ってすぐ右手にまた、赤茶色の扉があり、今度はその鍵穴に別の鍵を差し込んだ。
カチャリ、と二回音がして、鍵を差したまま彼が扉を押すと、音も無く扉が開いた。
「リオ、先に入って。スーツケースは俺が入れるから」
「うん、ありがとう」
私は、ボストンバッグと紙袋を持って、一段上がった入り口から中に入った。
一見して普通のアパートのように見えるけれど、ホールには全く何もなくて、普通のアパートなら玄関口にありそうな靴や、コートハンガースタンドなどもない。壁も、絵や写真なども飾られておらず、ただ、真っ白に塗られた清潔さだけが目立つ。
ホール沿いに、バスルームがあって、その次の扉が半開きだったので押してみると、倉庫のような部屋があった。天井からは剥き出しの豆電球がぶらさがっていて、段ボール箱がいくつも山積みされて白い壁を覆い隠していた。
次の部屋を覗くと、中庭へ繋がる部屋で、赤色のペルシャ柄の絨毯が敷かれ、使い込まれたような金色のビロードのカウチに、アンティーク調のサイドテーブルがあり、低めに吊るされたアンティークシャンデリアが目線の高さにあった。
複数の赤い小さなランプシェードの下にクリスタルの飾りが沢山下げられたそのシャンデリアは、見た事もないデザインで、不思議な雰囲気がある美しいものだった。
そこだけ、何か特別な空間のような気がして、しばし立ち尽くしてその空間を見つめる。
「リオ、こっち」
ホールのほうから声がして、私はその部屋を出て、彼の声のするほうへ向かう。
彼が居たのは、キッチンのあるリビングダイニングルームだった。
黒のレザーソファが二つ、アンティーク調のコーヒーテーブルを囲って置かれている。コーヒーテーブルには、勿論、なにも置かれていない。その奥の壁の窓際寄りに、モスグリーンのソファベッドが置かれていた。
荷物のすべてをソファの間に置いて、ヴィクターがキッチンのほうへ手招きしたので、私もそちらへ行く。ピカピカに磨かれた清潔なステンレスシンクだけれど、そこには洗浄剤もスポンジも、何もない。棚を開けても、当然、空っぽで、冷蔵庫はの中はもう確認する必要もなさそうだった。
「電源入れておこう」
ヴィクターが冷蔵庫後ろのケーブルを手探りで探し当てると、その裏のコンセント穴に差し込んだ。
「確か、皿やカトラリーはそのへんの箱に入ってたはずなんだ」
キッチンの下の収納の扉を開け、彼がいくつか段ボール箱を出してフロアに置く。中を開けてみると、新聞紙に包まれた皿や、柔らかい布に包まれたカトラリーやナイフが見え、別の箱には使い込まれた感じのお鍋やステンレスのフライパンなどが入っていた。
食器や調理道具は一通りあるようなので、調味料と材料さえあれば、充分料理は出来る。
「買い出しに行けば、何かここで作れそうだね」
「それじゃ、車を返す前にスーパーへ行こう」
「そうだね。それに、お腹も空いて来た」
もう時間は、午後の1時半になっている。
「俺も腹減った。先にその辺のカフェで軽く食べて、それから買い出しに行くか」
「うん、そうしよう!」
二人で急いでアパートを出て、彼が扉の鍵をかける後ろ姿を見ると、急にドキドキしてきてしまう。
ここで二人で住んでいるような気分だ。
彼と結婚したら、こうして二人で一緒に、アパートを出たり入ったりするのだと思って、胸がわくわくする。
鍵をデニムのポケットに入れた彼が私の手を取って歩き出した。
歩調を合わせて隣同士を歩き、繋いだ手の温かさを感じて心が幸福感で満たされて行く。
アパートからほんの数件先にあった小さいカフェに入り、軽食メニューをチェックした。
ヴィクターはクロムムッシュとセイロンティ、私はトマトスープとドイツの黒パンスライスのセットを選び、炭酸水を注文。
先に飲み物が運ばれて来たテーブルの上に、私はまた、バッグから小瓶をそっと取り出して両手で影を作るように包んで眺めた。
あまり日が当たらないようにしないと、色あせてしまうからだ。
本当に、逞しい花なのは間違いないらしく、朝から水を吸っていないのに、まだ生き生きとしている。
私の手の中にある小瓶を覗き込んで、ヴィクターが微笑みながら私の手に触れた。
「リオ、月曜日に本物を買いに行こう」
「本物?」
私はびっくりして顔をあげ彼を見て、それから大きく首を振った。
「本物って、これが本物だから、他にはいらない」
「でも、これじゃ身につけることが出来ないし」
「いいの!私は、これがいいの!」
私はそう言い切って、小瓶をそっとバッグの中に仕舞い込み、代わりにバッグの内ポケットにいれてあったヴィクターからのメッセージが書かれたペーパーを取り出した。
「これも、ずっと、お守り代わりにするから」
そう言うと、ヴィクターもレザージャケットの胸のジッパーポケットから、折り鶴を取り出してテーブルに置いた。私はそれを見て、ヴィクターからのペーパーも同じように折り始めた。やがて、ふたつの折り鶴が隣同士で並び、私達は目を見合わせて笑った。
「後でこの鶴二羽と、花の指輪を一緒に、きれいなガラスの壷の中に入れるね」
私は折り鶴二羽の翼を閉じ、折り目がつかないように気をつけてバッグの内ポケットに仕舞う。
顔をあげると、とても穏やかで優しい表情をしたヴィクターが私を見つめていた。
「リオ」
向いに座っている彼の手が伸びて私の頬に触れると、そっと引き寄せてキスをした。
「愛してる、リオ。君に出会えて俺は本当に幸せだ」
熱っぽく濡れた青い目が、まっすぐに私を見つめている。
「私も……貴方に会うまで、誰かを愛するなんて、それがどういうことなのかさえ分らなかった」
手を取り合って微笑み合っていると、注文した食事を運んで来た初老の女性が笑いながらテーブルにお皿を置いた。
「貴方達、初めてのデートなんでしょ?それか、普段逢えない遠距離恋愛中。見てればわかるんだからね。二人がうまく行く様に神様にお願いしておくわ」
茶目っ気たっぷりに片言の英語でそう言って私にウインクする女性に、ヴィクターが明るい笑顔を向けた。
「初めてのデート、遠距離恋愛、ともに正解。でも、彼女は俺の婚約者さ。俺達はもう、結婚の約束済みだから」
「え、遠距離恋愛で、初めてのデートで、すでに婚約済み?」
面食らったように驚く女性が、呆れたように私達を見て、それから笑い出した。
「ハレルヤ!こんなカップルは初めて見たよ。お幸せにね」
ご機嫌で楽しげに笑いながらカウンターの向こうに消えて行く女性を見送り、私達は顔を見合わせて笑い出す。
本当に、信じられない話だってことは、自分達も実感している。
でも、それが、夢みたいな真実だということだけは、確かだった。
「じゃぁ、いただきます!美味しそう」
私が手を合わせるのを合図に、ヴィクターはナイフとフォークを、私はスプーンを持ち、同時に遅めのランチを始めた。
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