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終章 〜それらがあった意味〜
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もう夕方になってしまっていた。
たけしニキ達のところに追いつくまでにはそれほど時間がかからなかった。
だがかなり長い時間歩いているような気分だった。原因は俺の隣で腕に抱きつきながら歩いてるゆたさんだ。
今まではそんなに魅力的には見てなかったひとだが、今日、膝枕された時から彼女のことを今まで通りには見れなくなっていた。彼女が自分の周りから少しの時間いなくなってしまうだけで不安になる、あの時と一緒のことが起きてしまうんじゃないかと思ってしまう。だが、俺に迷いはもうない。彼女のことは俺が守る、2度と辛い思いをさせないと誓った。彼女が次に涙を流すのは俺たちが式を挙げた時だけにさせると、約束した。
「あ、もう少しでたどり着けそうですね」
『あの二人がそうかな?おーい!』
あ「お!やーっときたかー、遅いぞ~」
た「だいぶくっついちゃってまぁ、シエル、成功したんだな」
『たけしニキには感謝してるよ、たけしニキの言葉が俺の背中を押してくれたんだ、ほんとにありがとな』
た「そ、そう?いざ言われるとなんか照れるな~w」
「なんて言葉なんですか?」
『男なら当たって砕けろの精神だろって感じの言葉だったかな』
あまりよく覚えていなかったが、確かこんな感じだった筈だ、そうゆたさんに教えるとゆたさんは抱きしめていた手にさらに力をいれて抱きしめ
「砕けなんてさせませんよ、私が受け止めますから」
『ん"っ』
た「尊みが深い」
あ「自分リツイートいいっすか」
「も、もう!せっかく真剣に話したのにぃ!」
た「お前らはお似合いのカップルだよ、ほんとに。結婚式の時には絶対呼んでくれよなー?」
あ「あ、俺も俺もー」
た「あずくんは式の時に出る飯目当てだろw」
あ「たけしニキもしかしてエスパー伊東?」
た「伊藤はいらねえな、俺あんなガリガリじゃねぇよ」
あ「あぁ、じゃあデb」た「殺すよ?」
『はは、あの二人はほっとこう、またなんか始まった、ああなるとしばらくおわんないからな...』
「ですね...というか、なんか少し前から体の違和感がなくなったような気がするんですが、気のせいですかね?」
『え?あっ』
言われてみればたしかに胸の苦しみがなくなっている、下半身のスースーさも、消えている。息子が帰ってきたのか?
『ごめんちょっと確認させてね』
ズボンの上から触ると、たしかに息子がback to homeしていた、まるでただいま!と言っているかのように佇んでいる。
『おかえり...』
「その、アソコ触りながら何言ってるんですか?」
『いや、息子がやっと帰ってきたから嬉しくて...』
「泣くほどですか...」
え、泣いてんのか俺。
『でも、なんでいきなり治ったんだろう』
「うーん、わかりませんね...」
た「何二人して難しい顔してんの?」
『あ、たけしニキ、これは、その』
「シエルさん、もう終わったことですし、言っちゃってもいいんじゃないですか?私は気にしませんし」
『うん、そうだね』
ゆたさんと相槌をかわし、たけしニキ達の方を向き、真剣な顔で話した。
『実は俺たち今までどっちも性転換してたんだ。俺がトイレで慌ててたのも、ゆたさんがいきなり俺に膝枕してくれてたのも、そのためなんだ。』
あ「まじ?wじゃあ、シエル今まで女だったのかよ、あっははははははwww」
あずくんは大きな声で笑っていた、しかしたけしニキは真剣な顔で考え事をしていた。
そしてこうつぶやいた。
た「なるほど、ゆたさんが、その、おっ立っちゃってるのを隠すために膝枕したわけか。よく考えたもんだw」
『だろw』
「あの時の感覚は戻っても忘れられません...」
ゆたさんが困ったような顔をしながら赤面する、可愛い。
『かわいい』
あ「思ってること口に出てんぞー」
『おっと失礼』
「...///」カァー
た「んで、なんで悩んでたんだ?元に戻ったんだろ?」
『あぁ、でもその理由がわからなくてさ』
た「あーね~、うーん」
たけしニキはまたしばらく考え事をしてから、俺に質問してきた
た「昨日は一緒には寝なかったし、イチャイチャもしてないんだよな?」
「え、えぇまぁ、布団は別々でしたし、今日のために早く寝ましたし、夜は映画見ただけでしたし...」
た「なるほどな、なんとなくだがわかったぞ」
たけしニキは納得したような顔を浮かべ、関暁夫のように説明をしてくれた。
た「性転換した理由、それは君達の関係に原因があると思うんだよね、異性同士なのに一緒に泊まるほどの仲、それなのに、テンプレのようなイベントは一切なし。そしていきなり性転換した後はトイレのことでお互い恥ずかしがりながら電話したり、膝枕したり、ついには告白までしてしまった。そして、告白が済み、無事付き合うことが確定したその瞬間に君達の性転換はなんのまえぶれもなく治った。つまり、その性転換は繋がろうにも繋がれない君達2人を繋ぐために神様が与えたきっかけなんじゃないか?実際お互いを見る目が変わったろ?」
『たしかに...』
性転換して、二人で協力していくつかのトラブルを乗り越えていくうちに、俺の、彼女を見る目は明らかに変わっていた。それはきっと彼女も一緒だろう。
あ「なるほどね、キスしたら呪いが解けるおとぎ話みたいな感じか」
た「そゆこと、ただ今回の場合呪いではないと思うけどな、むしろ御加護だ」
あ「たしかにねw」
「わたしとシエルさんを繋ぐための御加護...神様って本当にいるんですね、方法は多少荒っぽいですが、結果的に私とシエルさんを繋げてくれました。感謝しなきゃいけませんね」
た「そうだな、ほら!もう暗くなりそうだしそろそろ帰るぞ!みんな送ってくから、あ、でもゆたさんちには行かないよ?」
『え?なんで?』
たけしニキが唐突に訳のわからないことを言う、反応に困りゆたさんの方を振り向くと、まるでよくわかってくれたと、褒めるような顔をしていた。
「言わなくてもわかってましたか、まぁ明日も休みではありますしね」
『え、つ、つまりどゆこと?』
あ「シエル~鈍すぎだろ~」
『いや、鈍いって言われても~』
あずくんとそんな話をしてるうちに、ゆたさんが俺に近づき、ウインクしながら言う。
「今日もシエルさんのお家に泊まらせてください、シエルさんと、一緒に寝させてください、同じお布団で...ダメですか?」
『っ!!はぁ~そういうことか...』
やっと気づくことが出来た、自分がどれだけ鈍いか、改めて実感した。
彼女の耳元に顔を寄せ、わずかに微笑みながら語りかける
『そんなの、イエスに決まってるじゃないか。』
これから、俺たちの新しい生活が始まる。
新しい、物語が始まる、今日はその新しい生活、物語に向けてのプロローグだ。
彼女を幸せにできるのは俺だけだからな。
THE END
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あ「お!やーっときたかー、遅いぞ~」
た「だいぶくっついちゃってまぁ、シエル、成功したんだな」
『たけしニキには感謝してるよ、たけしニキの言葉が俺の背中を押してくれたんだ、ほんとにありがとな』
た「そ、そう?いざ言われるとなんか照れるな~w」
「なんて言葉なんですか?」
『男なら当たって砕けろの精神だろって感じの言葉だったかな』
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『え?あっ』
言われてみればたしかに胸の苦しみがなくなっている、下半身のスースーさも、消えている。息子が帰ってきたのか?
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ズボンの上から触ると、たしかに息子がback to homeしていた、まるでただいま!と言っているかのように佇んでいる。
『おかえり...』
「その、アソコ触りながら何言ってるんですか?」
『いや、息子がやっと帰ってきたから嬉しくて...』
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え、泣いてんのか俺。
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ゆたさんと相槌をかわし、たけしニキ達の方を向き、真剣な顔で話した。
『実は俺たち今までどっちも性転換してたんだ。俺がトイレで慌ててたのも、ゆたさんがいきなり俺に膝枕してくれてたのも、そのためなんだ。』
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あずくんは大きな声で笑っていた、しかしたけしニキは真剣な顔で考え事をしていた。
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やっと気づくことが出来た、自分がどれだけ鈍いか、改めて実感した。
彼女の耳元に顔を寄せ、わずかに微笑みながら語りかける
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