私はずっと孤独だった。

歌舞伎町キャバ嬢

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「発覚」

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    高校生活に馴染めず単位をギリギリで卒業し
 私は苦痛でたまらなかった学生生活を終えた。

 卒業式の終わり一緒に帰る人もおらず
 父と母と車で帰宅した。



 《やっとこの地獄が終わった》

 その頃私はそう思っていた。




 まだこの先にある
「地獄と孤独」が続くなんて
 あの頃は思っていなかった。




 大学には行かなかった。
 理由はお金の問題とまた馴染めずまともに
 学校に行けないと思ったから。


 私はバイトしながら就職先を探した。

 高校生活はほとんど学校に行かず
 ケーキ屋さんのバイトで
    店長に気に入られていた。


 愛想だけは自分の中で一番得意だったから。
 仕事を覚えるのに毎日メモして
 仕事に行く前にその都度メモ帳を確認していた。


 時々、来店されたお客様に
「元気で明るく頑張ってるね」と
 褒められることもあった。


 仕事では愛想がよく頑張れば求められて
 評価される世界だと思った。


 学生時代から働いてバイト先で
「正社員にならないか?」と
 お誘いがあったが、私が暮らしている街は
 若い子はほとんどおらず、今どきの流行りの
 店もなく廃れていたので私は街を出たかった。

 その後、正社員にはならず
 アパレル業界へ行ったり、空港のラウンジや
 ネイルサロンのお手伝いをしたり
    その後、アニメで麻雀に憧れて
    雀荘で働くことになったが
     あまり楽しくなく、男性従業員から
    からかわれたり、体型や顔を弄られる
    相変わらず辛く退屈な毎日だった。


 そんな中ある日、小・中の頃
     マドンナ的な存在だった子と
 ひょんな事がきっかけで仲良くなった。

 その子の名前はRちゃん。

 よくご飯に行ったりSNSで人気のお店や
 東京で夜通し遊ぶ機会が増えた。

 もちろん恋愛話をする事もあった。

 Rちゃんから
「いいなと思う人とかいないの?」
 と聞かれた。


 読者の皆様は
 私は実は学生時代に2人好きになった人が
 居ると言っていたのを覚えているだろうか?

 そのうちのT君は以前話した通りだが
 もう1人恋心を抱いたことのある人がいたのだ。

 
    ひとつ年上のS先輩という中学のサッカー部の
 先輩だった。

 接点は一切無かった。

 では何故その先輩に恋心を抱いたかと言うと
 今でも本当にバカだなと思うが
 「一目惚れ」だったのである。

 中学生の頃隣の席になった
    サッカー部の男の子に
 実は恋愛相談をしていた。

 その子は小学生の頃からずっとクラスが一緒で
 勇気を出して相談したら
 S先輩のメールアドレスを持っており

「俺から聞いたって話を秘密してくれたら
 教えてやるよ。」

 と言い私はその約束を守り
 教えてもらった。

 私は勇気を出してS先輩にメールをしたが
 返ってきた言葉は

 「誰?」

 たったこの一言だった。
 それはそうだ。

 だが、S先輩は私のメールを少しだけ返しては
 返ってこなくなり、少し日が経つとまた私から
 メールをして気づいたら1年くらいしていた。

 S先輩は中学校を卒業してしまい
 高校は別の学校へ行ったが
 私の心に残っており忘れられなかったのである。

 私は地元の小さな本屋さんで偶然
 S先輩を見かけたり、行きや帰りの電車で
 偶然見かけたりもしたが
     声をかける事が出来なかった。


 何故かと言うとS先輩は
     私の顔を知らないからだ。


 いきなり声掛けても自分の容姿に
     自信の無い私は
 見掛ける事があっても 
     声を掛ける事は出来なかった。
  

 その後、私は彼に直接話をする機会がなかった。


 だが変なところだけ馬鹿な私は
    傷つきたがりなのか、早くこのもどかしい
    感情をを片付けたかったのだ。


 高校生活が終わると同時に私はS先輩に
 メールで告白をしたのだ。


 私は昔から白黒ハッキリさせたい癖があるのだ。


 もちろん返ってきた返事は 


「他に好きな人がいるんだ」
 という言葉だった。



 私の長い片思いは幕を閉じた。
 その時、私はずっと相談を聞いてくれた
 今は音信不通のアセクシャルの中学の
     同級生の友人がいた。 


 アセクシャルの友人に
「告白したけどダメだった」と
 笑いながら電話をした時


 アセクシャルの友人は電話越しで泣いていた。


 私は涙は出なかった。



「泣かないでよ~!私はやっと楽になったの。
 気持ちを伝えられてよかったよ。
    結果はダメだったけれどね。後悔はないよ。」


 と伝えてもアセクシャルの友人は
「ごめん、電話切ってもいい?」と
 泣きながら呟いた。


 私はアセクシャルの友人に

「ごめんね。心配してくれてるのかな。 
     ありがとう」
 と伝えて電話を切った。


   その日もT君に振られた時と
 同じように窓越しに照らす月を見ながら
 寝ずに朝を迎えた。


 話は戻るが、小中の頃のマドンナの
 RちゃんにこのS先輩の話を
 ファミレスで話したのであった。


「未だに忘れられない先輩がいるんだ。」

 Rちゃんは
 「確か先輩が好きだったんだよね?
 どんな人だったの?」
    と聞かれたので、全ての経緯を話した。


 そのRちゃんは突然泣き出したのだった。

 私は動揺した。

 Rちゃんから

「ごめん。確かにある先輩に片思いしてるとは
 聞いてたけどまさかS先輩だったなんて」
 

 私はその発言を聞いてどういうことなのかと
 尋ねた。



「私バイト先が同じだったの。私も気になっていた時期があったの。よくバイト終わりにコンビニで何時間も一緒に話したりお互いよく思ってたけど私には当時彼氏がいたからS先輩とはうまくいかなかったの。本当に傷つけてごめん。」





 私は言葉が出なかった。
 

 なんで?こうなるの?

 その場から消えたくなった。
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