悪役令嬢は、面倒事が大嫌い!

リカ

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目の見えない少女と従者

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「私は、私だけのものが欲しかった。ただそれだけだったのです」


必要なのは、大きな犠牲だった。

幸せな未来を掴むための投資だ。

何故なぜ、私はあなたを愛してしまったのだろう。
愛さなければならなかったのだろう。そんな、疑問が湧いては消えていった。
あなたは、私には手の届かない人。

そんな自分にも微笑んでくれる人、手を差し伸べてくれる人。きっとあなたが笑顔さえ浮かべてくれたなら、私はなんでもできてしまうのだろうと思う。



「私はただ、自分の望みをかなえたかった」


ああ、その通りだ。望みがあるのならかなえるべきなのだ。全てをかなえられるものならば。



そんなただの疑問、苦悩が人をおかしくさせたのだろう。
私は、また人を狂わせてしまったのだ。


これは、醜いただの愛の証明に違いなかったのだ。

________________________________


ちょっとおしゃれな町娘の洋服を着て私は今日、市場調査の名のもと城下町げ、遊びに来ていた。もちろん一人で。

貴族の世界とは違う空気管華やかさがあり、その社会の違い、文化の違いを感じ、人の面白さを感じるのだ。そう悦に浸るのは粋であると、ジェシカは思うのだ。
成金娘のような恰好をして私は上を出ようとした。


「やあ」


そう言って塀に寄りかかっていた体を浮かせて近づく影。
案の定だった



「なぜ、ここに…?」


まるで、どこへ行くか示し合わせた同じような恰好をしたレイがいた。


「なんとなく、かな?」


そんなわけがないだろうと言いたいが、ここで彼を相手にしてしまえば面倒ごとを背負うに違いなく、私の平穏な時間は消え失せてしまうのだから、無視をするに限るのだ。
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