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はじまりの物語

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ジェシカは皮肉を込めて、自身を探偵だと称している。
なぜなら、私がなにかをする度にどこがしかで、何らかの事件がおこるからだ。



それは例えば同級生の不審死だったり、些細な黒板事件だの、龍が突然襲ってきたり、とにかく令嬢としての責務を全うしたいジェシカにとっては煩わしいものばかりだった。


その一つ一つは、ジェシカにとって害あるものばかりだ。





ジェシカにはある呪いがかかっている。
それは3人の魔女がかけた呪いだった。


1人の白い魔女は、ジェシカが生まれる前に親友であった私の母の腹を撫でながら祈った。





「ジェシカ様には、神より幸運が舞い降りますよう」





一人の青の魔女はジェシカが産まれる前に、想い人を奪った母の腹を撫でながら祈った。





「ジェシカ様には、これからの未来でのありとあらゆる混沌に恵まれるよう」





最後の黒の魔女は、ジェシカが生まれた後に仲間の失態に気づき、想い人の子を思い森から祈った。


「ジェシカ様には、どうかすべての混沌から救ってくださるような、ナイトを。ナイトと巡り合わせてくださいませ」





そんな3人のロマンティックな呪いはそれぞれが中途半端に絡み合って、私を平穏とは遠い場所へ飛ばしてくれた。



黒い魔女の呪いは言わずもがな、王子と婚約させられた時点で諦めた。


問題は2人の呪いだ。
その2人の呪いが絡み合って、結果私の混沌は全て周りに向いてしまう。だから、私は沢山のトラブルには巻き込まれるが、運良く私は全て回避しているわけだ。



この呪いの話を初めて聞いた時、なんて自分勝手な奴らが、罪もない私を巻き込んで。。


なんて憤りもしたが、親の不始末は子供に回ってくるということを、身をもって体感したし。
まるでおとぎ話の主人公じゃないかと有頂天になったり、その話だと黒の魔女が1番ロマンチストで優しいんじゃないかと思ったり。
楽しい気分を味わえたからいいのだ。
そう完結することにした。

恋愛とは元はと言えば至極身勝手なものに違いないのだから。




そうして、私はたくさんのトラブルに巻き込まれた結果、自身を守るため探偵力を身につけることにしたのだ。



「さあ、楽しいハッピーエンドを見つけないとね」


そう自分を鼓舞して、私は令嬢に駆け寄った。

そして、願わくばこの騒動で婚約云々なんてのをみんな忘れてくれますよーになんて、この根本たる神に祈りつつ
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