2 / 26
はじまりの物語
2
しおりを挟む
これは貧乏くじを引かされた以外には説明のしようがない自体だ。
率直に言いたいのは、わたくしベビーシッターではございませんの。
大きな赤ちゃんのお世話をするほど暇ではないわと。
長女は第1王子へ嫁ぎ、次女は他国の公爵家へ嫁ぎ、長男は当主として政治に目覚め、次男は齢17で騎兵隊の隊長。
バーライト公爵家は各々がエリートの道を突き進み、権力を有してるのは分かる。
だから新聞に書かれる事も分かる。
だがジェシカは言いたい。
公爵家に権力を持たせたくないなら、貴方達が優秀であればいいじゃないと。
何人もこうして権力の近くにいなければならないのは、他に変わりとなる者がいないから。
いい女がいれば全力で、この妃候補を押し付けたというのに。とジェシカは項垂れていた。
公爵家に生まれたからには政務に社交に、家柄に伴った学力やら教養やら、何やら何やらしなければならないのは沢山積もっていく。
なのにも関わらず、なぜシッターまでしなければならないのか。
再三、国王陛下にも申し出たが伝わらない。本当に馬鹿を押し付けようという、愚鈍な考えがスケスケだった。
国王陛下、たった40年前の国王は阿呆で間抜けだったから、王政を握っていたのは私たちだった事をお忘れになられましたか。
そんなことを高らかに笑いながら言ってやろうかとジェシカは妄想していた。
お前の息子はこんなに阿呆で、間抜けで、わたくしの手には負えないわ。そういう報告書を何回送って、返答は、検討するよだったか。
検討はしなくていい、こいつをどうか私の視界の端に追いやってくれ。
それがジェシカの言い分だった。
率直に言いたいのは、わたくしベビーシッターではございませんの。
大きな赤ちゃんのお世話をするほど暇ではないわと。
長女は第1王子へ嫁ぎ、次女は他国の公爵家へ嫁ぎ、長男は当主として政治に目覚め、次男は齢17で騎兵隊の隊長。
バーライト公爵家は各々がエリートの道を突き進み、権力を有してるのは分かる。
だから新聞に書かれる事も分かる。
だがジェシカは言いたい。
公爵家に権力を持たせたくないなら、貴方達が優秀であればいいじゃないと。
何人もこうして権力の近くにいなければならないのは、他に変わりとなる者がいないから。
いい女がいれば全力で、この妃候補を押し付けたというのに。とジェシカは項垂れていた。
公爵家に生まれたからには政務に社交に、家柄に伴った学力やら教養やら、何やら何やらしなければならないのは沢山積もっていく。
なのにも関わらず、なぜシッターまでしなければならないのか。
再三、国王陛下にも申し出たが伝わらない。本当に馬鹿を押し付けようという、愚鈍な考えがスケスケだった。
国王陛下、たった40年前の国王は阿呆で間抜けだったから、王政を握っていたのは私たちだった事をお忘れになられましたか。
そんなことを高らかに笑いながら言ってやろうかとジェシカは妄想していた。
お前の息子はこんなに阿呆で、間抜けで、わたくしの手には負えないわ。そういう報告書を何回送って、返答は、検討するよだったか。
検討はしなくていい、こいつをどうか私の視界の端に追いやってくれ。
それがジェシカの言い分だった。
1
お気に入りに追加
570
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる