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はじまりの物語

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これは貧乏くじを引かされた以外には説明のしようがない自体だ。

率直に言いたいのは、わたくしベビーシッターではございませんの。
大きな赤ちゃんのお世話をするほど暇ではないわと。

長女は第1王子へ嫁ぎ、次女は他国の公爵家へ嫁ぎ、長男は当主として政治に目覚め、次男は齢17で騎兵隊の隊長。

バーライト公爵家は各々がエリートの道を突き進み、権力を有してるのは分かる。
だから新聞に書かれる事も分かる。



だがジェシカは言いたい。

公爵家に権力を持たせたくないなら、貴方達が優秀であればいいじゃないと。


何人もこうして権力の近くにいなければならないのは、他に変わりとなる者がいないから。
いい女がいれば全力で、この妃候補を押し付けたというのに。とジェシカは項垂れていた。


公爵家に生まれたからには政務に社交に、家柄に伴った学力やら教養やら、何やら何やらしなければならないのは沢山積もっていく。

なのにも関わらず、なぜシッターまでしなければならないのか。

再三、国王陛下にも申し出たが伝わらない。本当に馬鹿を押し付けようという、愚鈍な考えがスケスケだった。


国王陛下、たった40年前の国王は阿呆で間抜けだったから、王政を握っていたのは私たちだった事をお忘れになられましたか。

そんなことを高らかに笑いながら言ってやろうかとジェシカは妄想していた。


お前の息子はこんなに阿呆で、間抜けで、わたくしの手には負えないわ。そういう報告書を何回送って、返答は、検討するよだったか。



検討はしなくていい、こいつをどうか私の視界の端に追いやってくれ。

それがジェシカの言い分だった。









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