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Epilogue~side 5and11~

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「あっ、あ、ゆ、優士そこ、いい……アッ」
 シローが甲高い声をあげて、僕の背中にしがみついた。耳元で聞こえる喘ぎ声に煽られ、僕は一層強く彼の奥を突く。
「シロー、そこって……っどこ?」
「お尻の、奥……っ!」
「どうしてほしいか言ってみて」
「優士の……かけてっ」 
 シローが物干しそうに腰を揺らす。たまらなくなって、僕はシローの要望通り、彼の奥に自分の欲望を吐き出した。
「ああ、ん……イクぅ」
 言葉通りシローも達し、穴の締め付けがきつくなる。僕の残滓を残さず搾り取ってから、シローはベッドに倒れこんだ。
「優士の精液もらって気持ちよくなっちゃったのか、おまえ。……エロくてかわいい」
 僕らが繋がっているのを見ていた皐月が、舌なめずりをしてシローにキスした。シローは荒い息を吐きながら、皐月のキスに必死で応えている。
(ずいぶんエッチになったなあ)
 シローのモノをふいてあげながら、僕は改めてシローを見つめる。きちんとイクときにイクって言えるようになったし、胸でもお尻でも快感を得られるようになったし。
「シロー、愛してるよ」
「僕も……好き」
「俺は?」
「皐月も好き。二人とも……好き」
 シローの言葉に胸が躍る。シローを好きになってからずっと聞きたかった言葉だからだ。何度聞いても慣れない。シローが疲れて眠り込んでしまうまで、僕らは繰り返しシローにその言葉をねだった。

「ルル、ル、ルンルー……んー、ルンルルのがいいかなあ」
 ふと目を覚ますと、キッチンのほうからシローの鼻歌が聞こえてきた。朝食を準備する合間に口ずさんでいるようだ。
 横を見やれば、皐月もすでに起きていて、僕と同じようにじっと天井を見ている。
 やがて、ドラムに似た電子音が鳴る。シローがケータイのアプリで、ドラムの音を打ち込んでいるのだ。
 僕らの家にドラムセットはあるけれど、シローは僕らがいるときはかたくなに使おうとしない。僕らを働かせているのに、自分だけ大好きなドラムに触ってはいけないと思っているらしい。だからこっそり、僕らが外出しているときや寝ているときに、曲を作っている。
 それに気づいた僕らは、今みたいに見て見ぬふりをしながら、シローの音楽に聞き入っている。(たまにこっそりケータイをチェックして、出来立ての曲を再生することもある)
 シローがどれだけ変わって見えたとしても、音楽はまるで変わっていない。それはつまり、シローは僕らが愛したシローのままってことだ。
 優しくて、おだやかで、温かくて、何にも代えがたい。
 シローが今以上に壊れてしまったとしても手放してなんかあげられないけれど、それでも僕は、彼の根本が変わっていないことに小さく安堵する。
 シロー、愛してる。
 朝の風景のなか流れる優しい音色に耳をすましながら、僕たちは日々その思いを強くするのだった。

~END~
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