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 シローが喘いでいる。
 僕らをその目に映しながら、よだれを垂らして鳴いている。何度も想像した姿だ。でも、想像した以上に乱れている。シローのアソコは口でしごくたび、ぐんぐん大きくなり、押さえつけていた膝も、与えられる刺激に連動してびくびく揺れている。
「んあ、あ……あ、んっ!」
 皐月に乳首を噛まれて素直に鳴くシローは、もうすっかり性欲にのまれてしまったようだ。
 僕が一層強く唇でしごくと、彼はあっけなくイった。
 ごくり。
 精液をこぼさず飲み込んでから、しまったと思う。今日こそは最後までするんだから、潤滑油代わりにお尻に塗ってやれば良かった。
「ほらよ」
 そんなことを思っていたら、皐月にローションを渡される。こんな日のために、引っ越し当初からベッド脇の棚にしまってあったモノだ。
 皐月がシローの両足を持ち上げて、まるでおしめを取り替えるような態勢にする。だから僕は、ボトルの中味が空になるまで全部シローのお尻の穴にかけた。
「んッ、……なに、ッ?」
 達したことで意識がぼんやりしているシローは、緩慢な動作でローションに手を触れる。皐月がニヤリと笑って、シローの指を使って穴の縁をなぞった。その感触に震えるシローの扇情的なことといったら。
 僕は、穴の周りを濡らすローションをすくって、べちゃべちゃと音を立てながら両手に広げた。そして、シローのお尻や太元の付け根を撫で回す。体毛が薄いシローの肌は、すべすべで気持ちがいい。
「あん、あ、は、やだ、んっ!」
「はは、感じながら何言ってんだっツーの」
 シローがのたうつたび、シーツに、僕らのシャツに、ローションがべっとりとつく。それでもやめずにいたら、シローは耐え切れずに空を蹴り上げた。
 その足首を皐月はなんなくとらえ、さらにシローの身体を折り曲げさせる。
 シローの腰が浮くまで体を曲げさせ、皐月はお尻に口づけた。ジュルジュルッと、音を立てながら、穴の周りを吸って、舐める。シローはいやいやと腰を振るけれど、逆効果にしかなってない。
「やめ、て……さつ、きィ……!」
「でも、シロー。また立ってるよ?」
 ほら、と、ふたたび熱を持ち始めたシローの自身を指先でなぞれば、シローは唇を噛んでそっぽを向いた。
 強情だ。けれど、気持ち良くてしかたないって顔してる。だから、僕は皐月が舐めている穴に指を入れてみた。
「アッ……!」
「やっぱり。ねえ皐月、もう人差し指半分くらいなら入るよ」
「あ? まじかよ」
 皐月が顔をあげて、僕の指と穴を見て、驚いた顔をする。
「初めてのくせに、素質あんじゃね?」
 笑いながら、皐月はお尻の穴によだれを垂らした。糸を引いて穴に流れるそのすべりを借りて、僕の指はゆっくりゆっくり、深いところに潜る。ローションがグチャグチャと音を鳴らす。
 シローはどうしても直視したくないみたいで、顔をそらしたまま震えている。でも、この震えが恐怖によるだけじゃないことを知っているから、僕は指の数を増やした。
 ローションの粘つく音。シローの浅い息。皐月がお尻のひだを吸い上げる音。
 卑猥だ。未経験のシローを二人がかりで押さえつけて、一から教え込む。ずっと待ち望んでいた状況に、僕の自身も熱くなっているのがわかる。
「……ははッ」
 こんなに興奮するのは初めてだ。
 すぐに挿入したい気持ちもなくはないが、今はとにかく、シローが乱れる姿を目に焼き付けたい。人差し指と中指を左右に広げて、穴を開く。少し苦しそうにうめくシローだったけれど、開いたところに皐月の舌が押し入れば、すぐに身体が震えた。
 穴がひくひくと収縮するのが伝わってきて、僕の興奮はさらに高まる。シローはすっかり、女の子の身体になっている。僕たちを受け入れるために。
 それでも僕らはシローの身体を溶かすのをやめなかった。
 それからどれくらいの時間が経ったんだろう。
 シローがついに、潤んだ瞳を僕らに向けて自分から言った。
「もう、挿れて……ッ!」
 ――この言葉を待ってた。
 シローが快楽に落ちた合図。
「よく言えました」
 ご褒美のキス。赤い顔をしたシローは、鼻息を荒くしながらも必死に僕の舌に応えようとしている。その様子がかわいくてしかたない。
 うっとりシローの表情を眺めていたら、皐月の熱を帯びた声に中断された。
「おい、挿れるぞ」
 本当はもっとシローの口の中を味わいたかったけれど、挿入の衝撃で舌を噛まれるのは嫌だ。しぶしぶキスを切り上げる。銀糸がつぅと僕とシローの間を繋ぎ、それがとってもいやらしかった。
 キスでとろけた表情のシローは、なんの抵抗もなくうつぶせの状態に身体をひっくり返される。気持ちよくて力が入らないみたいだ。そのまま腰だけ上げさせられ、皐月のモノが挿入される。
「あんッ」
「中キツ……!」
 とは言うものの、挿入を果たした皐月は恍惚の表情を浮かべていた。最初の数回ゆっくりとピストンをしたのち、シローに覆いかぶさって、腰の動きを速めていく。
 パン、パンと、腰を打ちつける音と、シローの断続的な喘ぎ声が、僕の熱をさらに高める。
「あ、あん、あ、ふっ……!」
「シロー、おまえ、めちゃくちゃエロい……っ、その声反則だろっ」
「な、あ、んン、わかんっ、ないよ……あっ!」
 一際高い声をあげたシローは、目をぎゅっと閉じて何かに耐えているようだ。その間も皐月に揺すられ、身体が前後に揺れている。
「ねえ、シロー。僕の扱いてくれないかな」
 シローの正面に回り込んで、シーツを握りしめている拳を手に取った。そして、それを僕の自身にあてる。シローは目を開き、先ほどとは打って変わって、自分で手のひらを広げてくれた。
 拙くて、正直へたくそだったけれど、シローが自分から触れてくれている、それだけで僕自身はどんどん成長していく。皐月から与えられる律動にあわせて、手が前後に揺れるのも気持ちいい。イキそうだ。
「僕もやってあげるね、っ」
 シローのモノをつかんで、先端を指の腹でくすぐる。何度もいじってきたから、シローの好きな箇所は彼以上に知ってるんだ。
「ん、んああ、あん、ゆ、優士っ、そこ、や……!」
「……ぅ!」
 やだ、と言いながら、シローがまたイッた。その衝撃で僕のモノを強く握るから、僕も射精してしまう。
 シローの手に収まりきらなかった精液が彼の顔に飛んで、はからずも顔射してしまった。頬から垂れる白い液がいやらしい。
「イク……!」
 皐月が一層強くシローの腰を打ちつけた。そして、そのまま身体を押しつける。
「ひゃ……」
 イったばかりのシローは息も絶え絶えに、シーツに顔をうずめた。中出しの余韻に震えている。
「も……無理……」
(かわいい)
 そんなことを言いながら、シローのモノはまだ元気だった。それを見た僕自身もまた熱を帯びる。これで終わりになんてできそうにない。
 夜はまだこれからだ。

 冷蔵庫に水を取りに行き、ふと時計を見ると、すでに三時間以上が経っていた。クスリのせいでいつまでも熱の収まらないシローに煽られ延々体を繋げていたのだけれど、夢中だったせいで、そんなに時間が過ぎていたとは思わなかった。
「これすっげーな」
 ベッドに寝転がりながら、手にした小瓶を揺らす皐月。合法ドラッグなんて初めて使ったけれど、効果は絶大だった。いくら催淫効果があるとはいえ、処女だったシローに、一回で挿入までできるとは思っていなかったのに。鳴宮さんがとっておきと言うだけある。
 精液で汚れたまま眠るシローの顔を覗き込む。
(ぐっすり眠ってるなあ)
 最近あまり眠れていなかったみたいだから、その分眠りが深いようだ。久しぶりにシローの顔をじっくり見つめた気がする。どれだけかわいくないことをしても、やっぱり僕はシローを愛してる。だからこそ、シローを手に入れられるなら、なんでもできる。
 クスリを使うことだって、それ以上のことだって。
 だから、いいかげん、僕らのところに堕ちてきて。そうでないと、次は何をするか、僕たちだってわからないんだから。
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