じゃあ、苺のパフェで!

まりあ

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苺パフェ

苺パフェ 6

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湊くん、きっと変に思ったよなー。もう誘ってくれないかな。
私はカフェで注文した抹茶ラテが喉に詰まるような思いで考えた。
すると、ラインがきたので見てみると

18時32分
湊「今どこ?大丈夫?」

やはり何かを察したのか湊くんはラインを送ってきてくれた。

18時33分
茜「ごめんね?実は少し暑さでバテちゃったみたいで、でもいつもの事だから大丈夫」

18時34分
湊「謝らなくていいよ。誘った俺の責任だから、カフェ教えて?」

18時35分
茜「エクセルシオールカフェだけど・・」

18時36分
湊「おっけ!すぐ行くから」

え、駅まで行って歩乃華と解散しただろうにまた10分くらいかけて戻ってきてくれるの?
ただの友達なのに。
私の体調の問題で自業自得なのに。なんと、湊くんは何駅かは分からないが驚きの5分で着いた。少し息切れをしている。
けれど、それがバレないようにかいかにも、ゆっくり歩いて来ましたと言いたいような余裕で湊くんは言った。

湊「よかった。気づけなくてごめん」

茜「あ、ありがとう」

湊「俺もなんか飲もうかな。ちょっと待ってて」

この人は、なぜこんなに友達に尽くせるのだろう。
なぜ、そんなに人の心配ができるのだろう。
疑問と申し訳なさが入り交じった感情がタラタラと冷や汗と共に流れ出す。
落ち着け自分、と私は心の中で唱えた。湊くんがアールグレイティーを持ってかえってきた。

湊「暑さでバテたんだったら抹茶ラテは甘くて飲みにくいでしょ?アールグレイティー好きなだけ飲んでいいよ」

茜「あー、確かに」

湊「だって全然減ってないし」

2人とも顔を合わせて笑った。
私も、本心で笑えた。
それと同時にどうでも良くなった。
湊くんがなんで優しいとか、暑いとか、疲れたとか全てがどうでも良くなった。そこから2人は1時間位、お喋りをした。

茜「私ねー、電車が怖いの」

湊「怖い?なぜ?」

茜「私の気持ちはもっとゆっくり学校に登校してるのに電車に乗ると、そんな私の気持ちを無視してすごいスピードで、連れて行くから」

湊「どういうことよ」

湊くんは、笑った。
私も、笑った。
この時間ずっと続かないかな。

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