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百七十七話 お題:ワルツ 縛り:食い散らす
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社交ダンス教室で知り合った女性の話である。私は彼女と何度かペアでワルツを踊ったのだが、彼女はあまりステップが上手ではなく、結構な回数足を踏まれた。それに対するお詫びということで昼食に誘われたので、一緒に昼食を食べたところ、
「私、食べ方がすごいんです。驚かないでくださいね」
彼女はそう前置きをしてから、そのすごい食べ方を披露してくれた。ビュッフェ形式の店だったのだが、彼女は明らかに食べ切れないと思われる量の料理を持ってきては、それらを食べては残し、食べては残し、という食い散らすという言葉そのものの食べ方をした。私がさすがに行儀が悪いでしょう、と彼女に言うと、
「そうですよね……でも事情があって」
彼女はそう言うと、皿に残っていた料理を自分のハンドバッグの中に入れ始めた。私は慌てて止めようとしたが、ハンドバッグの中から何かが料理を咀嚼している音が聞こえてきたため、その場で固まってしまった。
「ペット、なんです。すっごくワガママなんです、この子。とにかく色んなものを食べさせないと駄目だし、私が一度口をつけないと警戒して食べてくれないんです。ほんともう困っちゃって」
私は辛うじて笑顔を作り、残り物を片づけるのによさそうですね、と言った。それを聞いた彼女は目を輝かせて、
「そうなんです、ちゃんと役に立つこともあるんですよ!」
と言った。
「私、食べ方がすごいんです。驚かないでくださいね」
彼女はそう前置きをしてから、そのすごい食べ方を披露してくれた。ビュッフェ形式の店だったのだが、彼女は明らかに食べ切れないと思われる量の料理を持ってきては、それらを食べては残し、食べては残し、という食い散らすという言葉そのものの食べ方をした。私がさすがに行儀が悪いでしょう、と彼女に言うと、
「そうですよね……でも事情があって」
彼女はそう言うと、皿に残っていた料理を自分のハンドバッグの中に入れ始めた。私は慌てて止めようとしたが、ハンドバッグの中から何かが料理を咀嚼している音が聞こえてきたため、その場で固まってしまった。
「ペット、なんです。すっごくワガママなんです、この子。とにかく色んなものを食べさせないと駄目だし、私が一度口をつけないと警戒して食べてくれないんです。ほんともう困っちゃって」
私は辛うじて笑顔を作り、残り物を片づけるのによさそうですね、と言った。それを聞いた彼女は目を輝かせて、
「そうなんです、ちゃんと役に立つこともあるんですよ!」
と言った。
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