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百四十二話 お題:薩摩琵琶 縛り:豚児
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私の伯母の話である。伯母は何年も薩摩琵琶の教室に通っているのだが、以前はそこの先生と仲がよく、お互いに家に招いたり招かれたりしたという。
「先生はご主人が亡くなられて、息子さんが一人いるんだけど離れて暮らしてるとかでね。やっぱりお一人だと寂しいだろうし、なるべく機会を見つけてお喋りするようにしてたのよ、そしたらある時ね」
先生が、今度息子と一緒に暮らせるようになった、と伯母に嬉しそうに話したのだという。
「私ももう自分のことみたいに嬉しくてね。是非息子さんに会ってみたいですって言ったら、豚児ですけどそれでもよかったら、なんて冗談を仰ってね。それで一ヶ月くらい経ってからかなぁ、ちょうど息子さんが家にいる日と先生の家に遊びに行く日が重なって。息子さんどんな子かなぁって楽しみにして行ったんだけど」
先生は伯母に、人の顔が描かれた被り物をした豚を息子として紹介してきたという。
「先生にどういうことですかって聞いたらね……見ての通りこの子は人間じゃないけど、それでも私の息子なんですって言うもんだから、私いたたまれなくなってね。逃げてきちゃった」
それから伯母はその先生と疎遠になり、今は別の先生に薩摩琵琶を習っているという。
「先生はご主人が亡くなられて、息子さんが一人いるんだけど離れて暮らしてるとかでね。やっぱりお一人だと寂しいだろうし、なるべく機会を見つけてお喋りするようにしてたのよ、そしたらある時ね」
先生が、今度息子と一緒に暮らせるようになった、と伯母に嬉しそうに話したのだという。
「私ももう自分のことみたいに嬉しくてね。是非息子さんに会ってみたいですって言ったら、豚児ですけどそれでもよかったら、なんて冗談を仰ってね。それで一ヶ月くらい経ってからかなぁ、ちょうど息子さんが家にいる日と先生の家に遊びに行く日が重なって。息子さんどんな子かなぁって楽しみにして行ったんだけど」
先生は伯母に、人の顔が描かれた被り物をした豚を息子として紹介してきたという。
「先生にどういうことですかって聞いたらね……見ての通りこの子は人間じゃないけど、それでも私の息子なんですって言うもんだから、私いたたまれなくなってね。逃げてきちゃった」
それから伯母はその先生と疎遠になり、今は別の先生に薩摩琵琶を習っているという。
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