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五十九話 お題:引き立つ 縛り:クエン酸
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女友達の話である。彼女は看護師をしているのだが、看護師になろうと思った理由が人とはかなり違っていた。
「私、人の血を飲むのが好きでさ。血をもらうには注射器で採血するのが一番いいから、採血が上手くなる仕事をしようと思って、それだとやっぱり看護師になるんだよね」
もちろんそうそう打ち明けられる話ではなく、信頼できると思った友達だけにこの話をして、その上で提供を承諾してくれた友達から血をもらっているという。
「もちろんお金は払うよ。むしろ買ってくれって友達もいるくらい。別に健康に害が出るほどたくさんもらうわけでもないし、注射後の処置も当然ちゃんとしてるしね」
血を飲むのが好き、というだけでも相当に特殊なのだが、彼女の場合更に飲み方まで変わっている。
「血をそのまま飲むのもいいんだけど、私酸っぱいものが好きでさ。レモンとかみかんとか梅干しとか。それでその酸っぱさが血に加わったらもっと美味しいんじゃないかと思って」
彼女はレモン汁を血に加え飲んでみたという。だが、
「酸味が加わったのはいいんだけど、やっぱりちょっと血本来の味が薄まっちゃうんだよね。もっといい方法ないかなーと思って色々試してったら」
市販のクエン酸のサプリメントを砕いて血に溶かして飲むと酸味が加わり、更に血の旨味も引き立つとわかったのだという。ちなみに私も彼女に何度か血を売ったことがあるが、味に関してはまぁまぁとの評価をもらっている。
「私、人の血を飲むのが好きでさ。血をもらうには注射器で採血するのが一番いいから、採血が上手くなる仕事をしようと思って、それだとやっぱり看護師になるんだよね」
もちろんそうそう打ち明けられる話ではなく、信頼できると思った友達だけにこの話をして、その上で提供を承諾してくれた友達から血をもらっているという。
「もちろんお金は払うよ。むしろ買ってくれって友達もいるくらい。別に健康に害が出るほどたくさんもらうわけでもないし、注射後の処置も当然ちゃんとしてるしね」
血を飲むのが好き、というだけでも相当に特殊なのだが、彼女の場合更に飲み方まで変わっている。
「血をそのまま飲むのもいいんだけど、私酸っぱいものが好きでさ。レモンとかみかんとか梅干しとか。それでその酸っぱさが血に加わったらもっと美味しいんじゃないかと思って」
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