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SS No.1 すべてのはじまり
逃げる敵、追えない敵
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「ふっ。今回の作戦、タキリを目覚めさせるのは成功したんやけど、手下のハイドが逃げてしもうて、結果は失敗やったな。早ようヨモツに戻って形勢立て直さなあかん。」
クイーンは、心の中で作戦について思い返して反省をした。
「ナミ。体勢立て直すやさかい。ヨモツに帰るで。」
クイーンは、仲間のナミを見つめ、悔しげな口調で言葉をかけた。
そして、クイーンは、弓で矢を空高く放った後、左腕を動かして袖を振り、先ほどの春一番のよりも強い旋風を起こしてタキリを退け、円形で黒々しい穴を開けた。
その穴は、SF小説に登場する時空間に繋がるもののように見えた。
「タキリ・トヨタマ。首を洗って待ってろや。また、来た時は、捕縛したるわな。」
彼女は、迫りくるタキリとトヨタマたちに対し、いかつい口調で言葉を放った。
その後、彼女は、ナミを連れて黒々しい穴の中に身を投じた。
「クイーン。逃げるのは、卑怯だわ。待ちなさい!!」
タキリもまた、煮え立った怒りを抑え切れず、クイーンたちのことを追うべく、同じ穴に飛び込もうとした。
そのとき、
「姫様、落ち着いてください。この穴の先は、ヨモツの国につながっています。飛び込もうものなら、地球でいう凡人がわざわざヤクザの拠点に殴りこみにいくようなものです。どうか、いかないようお願いします。」
トヨタマは、浮足立っているタキリを見つめ、諭すように言葉をかけた。
「トヨタマ。クイーンやナミを追っかけるだけで頭がいっぱいになっていたわ。ごめんなさい。」
諭されたタキリは、トヨタマを見つめ、申し訳なさそうに謝った。
「冷静になっていただけたのなら、それだけでいいんです。」
トヨタマは、顔をにこにことさせ、タキリに言葉を返していた。
そうしていると、黒々しい闇に包まれていた空が瞬く間に明るくなった。
「トヨタマ。首謀者が逃げたのは、悔しかったわ。けれど、育った故郷をめちゃめちゃにされなかっただけよかったと思うわ。」
タキリは、先程のできごとを思い返し、きりっとした顔でトヨタマに語った。
対して、
「姫様。そうですね。ヨモツのクイーンは、諦めきれず、近いうち、再びあなたのことを拉致しようと試みると思います。気をぬかず、いつでも周りに敵がいると考えていてください。私も、母方で血を分けた従妹として、いつでもあなたの助太刀をさせていただきます。」
トヨタマは、タキリをつぶらでやさしい眼差しで見つめて言葉をかけた。
二人の語り合う様子は、まさに、従姉妹らしさがより際立っているようだった。
クイーンは、心の中で作戦について思い返して反省をした。
「ナミ。体勢立て直すやさかい。ヨモツに帰るで。」
クイーンは、仲間のナミを見つめ、悔しげな口調で言葉をかけた。
そして、クイーンは、弓で矢を空高く放った後、左腕を動かして袖を振り、先ほどの春一番のよりも強い旋風を起こしてタキリを退け、円形で黒々しい穴を開けた。
その穴は、SF小説に登場する時空間に繋がるもののように見えた。
「タキリ・トヨタマ。首を洗って待ってろや。また、来た時は、捕縛したるわな。」
彼女は、迫りくるタキリとトヨタマたちに対し、いかつい口調で言葉を放った。
その後、彼女は、ナミを連れて黒々しい穴の中に身を投じた。
「クイーン。逃げるのは、卑怯だわ。待ちなさい!!」
タキリもまた、煮え立った怒りを抑え切れず、クイーンたちのことを追うべく、同じ穴に飛び込もうとした。
そのとき、
「姫様、落ち着いてください。この穴の先は、ヨモツの国につながっています。飛び込もうものなら、地球でいう凡人がわざわざヤクザの拠点に殴りこみにいくようなものです。どうか、いかないようお願いします。」
トヨタマは、浮足立っているタキリを見つめ、諭すように言葉をかけた。
「トヨタマ。クイーンやナミを追っかけるだけで頭がいっぱいになっていたわ。ごめんなさい。」
諭されたタキリは、トヨタマを見つめ、申し訳なさそうに謝った。
「冷静になっていただけたのなら、それだけでいいんです。」
トヨタマは、顔をにこにことさせ、タキリに言葉を返していた。
そうしていると、黒々しい闇に包まれていた空が瞬く間に明るくなった。
「トヨタマ。首謀者が逃げたのは、悔しかったわ。けれど、育った故郷をめちゃめちゃにされなかっただけよかったと思うわ。」
タキリは、先程のできごとを思い返し、きりっとした顔でトヨタマに語った。
対して、
「姫様。そうですね。ヨモツのクイーンは、諦めきれず、近いうち、再びあなたのことを拉致しようと試みると思います。気をぬかず、いつでも周りに敵がいると考えていてください。私も、母方で血を分けた従妹として、いつでもあなたの助太刀をさせていただきます。」
トヨタマは、タキリをつぶらでやさしい眼差しで見つめて言葉をかけた。
二人の語り合う様子は、まさに、従姉妹らしさがより際立っているようだった。
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