婚約者達は悪役ですか!?

夏目

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初体験

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「ジュディ、信じられますか? アベルは貴女に捧げるからと言って寄ってくる女をあしらい続けていたんですよ」
「カインみたいに下半身が暴走してないだけだってば。ジュディ、信じられる? カインってば女を抱いたことあるんだよ?」
「経験のない男が相手をしても、ジュディを気持ちよくさせてあげられない。がつがつ獣のように自分の欲望を吐き出すことしか考えられないようじゃだめだと思っただけです」

 言い合う二人は、それでもジュディの体を弄る指を止めることはない。
 アベルはジュディの薄紅色をした乳頭を摘み上げると、弾いて楽しんだ。軽い痒痛は甘い刺激となり、全身を駆け巡り、喘ぎ声をこぼさせる。

「ジュディ、気持ちいい?」
「へんな感じ、する」
「気持ち悪いですか?」
「体が、変だよ。ねえ、胸っ、触らないで」
「こんなに可愛いのに? それは難しいかも」

 れろっと胸の先端をアベルが舐めた。

「や、やめっ……こんなのひどいよ……っ」

 あまりのことに、ジュディの体は固定されたように動かなくなった。
 ぬるついた舌がねっとりと乳首を舐め上げ、舌裏で舐めおろす。
 何度も同じところを卑猥に突かれ、いじられ、いじめ抜かれた。
 そのせいで乳首はぷくりと山頂のように尖り、舐め上げられたところから四肢に不快感に似た痺れをもたらす。

「俺さあ、ジュディの胸をずっと舐め続けるお仕事なら真面目に出来るかも。今から、このお乳を吸える子供は殺したい気分だよ……」
「気持ち悪いですよ、アベル。ジュディもそう思いますよね?」
「子供が出来たら絶対乳母用意しなきゃ。母乳は俺が毎日飲んであげるね。出さなきゃ痛いものらしいし」

 二人が交わし合う会話が理解できない。
 そもそも、こうやって裸に剥かれ、胸を弄られ、乳首を吸われる状況になった理由だって判然としていなかった。
 二人はジュディを辱めて遊びたいのだろうか。お仕置きと称して、屈服させたいのだとしたら、軋むように胸が痛む。

「ジュディ、なんで、泣きそうなの? 痛かった? 無意識のうちに噛んでたのかな?」

 アベルはジュディの顔を覗き込んで、眉を下げた。

「気持ちよくない?」
「俺がお手本を見せてあげますよ」

 急にカインが内腿を弄る指を止めた。

「こんな時にお兄ちゃん面?」
「男の嫉妬は醜いですよ」

 カインの吐息が唇に吹きかけられた。

「大好きですよ」

 ぷっくりと膨らんだ乳頭を、根元から扱かれ、体がぴくぴくと痙攣する。どれだけ体を捻らせて逃げようとしても執拗に肉粒が捏ね回された。

「ふっ……あ、ああっ……」
「……ジュディの顔、蕩けてる」
「当たり前。もっと、もっと気持ち良くなって、これがなきゃ生きていけない体になりましょうね」
「ひっ、あ、あっ……やだ……やだよぉ……」

 自分の体が自分のものではないようだった。
 素直に快感に身を任せてしまいたいほど気持ちが良かった。

「あ、あやまるからぁ……」
「ごめんなさいしてくれるの?」

 もうこれ以上、弄られ、理性を蕩けさせられ続けたら、正気ではいられない。
 無我夢中で頷くと、カインが楽しげに首を振った。

「淫乱でごめんなさいって?」
「いんらん……? そ、そんなんじゃないっ!」

 意味はよく分からなかったが、とても卑猥な声色だった。

「へえ……胸をこりこり弄られて、舐められて、気持ちよさそうに喘いでいたのに?」

 そう言いながら、胸の突起を押し潰すようにぐりぐりと
 指をめり込ませた。痛みと同じだけ、快感が走り抜ける。

「アベルのより気持ちよかったですよね?」

 耳元で低く尋ねられた。むずがるように頷くと、アベルがいきり立った。

「本当に? ジュディは勘違いしているだけかもしれない」

 アベルがカインの指が弄っている反対側の胸に、勢いよく噛り付いた。

「ほら、どう?」
「齧った……ぁっ……まま……しゃ、べらないで!」

 長い舌が何度も胸を上下に舐め上げる。舌先が突起に絡まって擦れると歓喜の悲鳴をあげてしまう。
 それに加えてカインも愉快そうにぐにぐにと肉粒を指先で押し潰す。
 二人からの異なる快感に、ジュディの頭はショートしそうなほど熱くなった。


「びくびくしてる。俺の気持ちいいって」
「俺のが、いいんですよね? ほら、こっちももうびしょびしょだ」

 するりとカインが股のその奥に手を伸ばす。
 晒されたそこはカインの言う通り、濡れていた。
 迷わず蜜壷に指を挿し入れた。

「ひっ……」

 入り込んできた異物の感触に、息をのむ。
 戸惑う姿を堪能するように指はゆっくりと奥をかき混ぜ、蜜口のざらざらとした表面をさすった。

「こうやって、ぐちゃぐちゃになってる方がジュディも気持ちがいいし、俺達も気持ちがいい」

 カインはもう一本、指を中に入れると、アベルに解説するように熟れた襞を左右に開いて見せびらかした。
 ただでさえ胸を晒した情けない姿だというのに、誰にも見られたことがない恥ずかしい場所をじっくりと見つめられている。
 そう思うと恥ずかしくてたまらないなずなのに、股の間がじゅくりと漏らしたようにますます濡れた。

「へえ、女のここって、噂では聞いてたけど、本当に濡れるんだ」
「馬鹿ですね。普通の女はこんなにじゅくじゅくに熟れたりしない。ジュディが特別、感じやすいんですよ」
「うっわあ、ジュディったらえっちだな」

 もう消えてしまいたい。
 閉じようとした足を無理矢理左右に大きく開かせて、二人は楽しそうに顔を寄せ合った。

「この膨らんだ部分を擦ると、感電したように快感で震えるようになる。試してみますか?」
「いいね」

 カインはそういうと、見せつけるように長い舌を伸ばし、肉の襞ごと淫核を舐め上げた。肉芽を舌が這うたびに、足の先が炙られるような快感が走り抜けていく。

「あ、あっ……ああっ!」
「ほら、やっぱり気持ち良さそうでしょう?」
「俺もやりたい」

 カインを無理矢理退かして、アベルは花芯を咥え込んだ。甘露に濡れきったそこをじゅるじゅると音を立てて強く吸い上げる。

「んっー! んんっ……!」

 鼻にかかる甘い悲鳴を上げながら、ぶるぶると体を震わせる。
 ぬれぬれとした生温い口腔でいじめ抜かれると、たまらなくなってしまう。下腹部に溜まった愉悦が、下の方へと押し出されていく。

「もう、やだ…ぁっ…ごめなさ…い。ごめん…なさ…。ごめん…あっ…んなさい…ごめんなさい!」

 媚びるような嬌声とともに謝っていた。
 この地獄のような快感から早く解放されたい。その一心だった。それ以外のことは思考の外にあって、どうでもいい無価値なことだった。

「ジュディ、なにがごめんなさい?」
「わからっ……ごめんなさいっ……ちゃんと言うから、噛まないで……っ」

 ジュディの口答えをつぶすようにカインが乳首の先を歯で挟んだ。ただでさえ下の快感で蕩けている頭が、ますます真っ白になって、意味のないものに変化してしまった。

「いやらしくて、触られただけでびくびく痙攣しちゃうほど感じちゃうど淫乱でごめんなさい、だよ」
「そ、そんなの、いえな……! ――っ! あ、あぁあ!」
「口答えしちゃう悪いお口はここからなあ? 駄目だよ、ぐちゃぐちゃって音立てて唾液たらしたりしたらさ」

 マグマのように熱くなった蜜壺に指を突き入れて荒々しく掻き混ぜられる。快感と痛みが同時に沸き起こり、ジュディは甲高い悲鳴をあげて泣くことしかできなくなった。

「ほら、ちゃんと言って。いやらしくて、触れられただけでびくびく痙攣しちゃうほど感じちゃうど変態淫乱でごめんなさいって」
「ひくっ…ひっく……いやらしくて…っ……ふ、ふれられた、だけでっ…びくび……っ」
「なあに? 声が小さくて聞こえないよ」

 大粒の涙が頬を伝う。頭のなかはぐちゃぐちゃで、下腹部と頭だけが熱い。
 ぎゅっと近くにあったカインの服を握る。誰かに助けて欲しかった。

「苛めすぎですよ。……ジュディ、大丈夫だから」
「苛めてないもん。ジュディが正直者になれるように手伝ってあげてるだけ」
「処女に言葉責めって、ジュディがセックスを嫌いになったらどうするんですか?」
「好きになってくれるまで永遠にするよ。大丈夫、人は順応する生き物だから、大好きになるよ。現にここだって、もう濡れ濡れじゃん」
「アベルが酷いこと言うから嫌いになりましたよね、ジュディ?」
「カインだってやっていること俺とあんまり変わらないじゃん」

 二人の声がやけに遠くに聴こえてきた。どこにもいけない真っ赤な熱が、急に膨張し、快感に変わる。あぁと喘ぐことも出来ないまま、暴力的な快楽に押し潰された。腰を浮かしながら、ぴくぴくと激しく痙攣を繰り返す。
 二人がいったの? と甘い声で問いかけてきた。その声にさえ、肌が騒つく。
 だがすぐに倦怠感に包まれ、強烈な眠気に襲われた。
 ジュディは落ちてくる重いまぶたに抗うことなく目を閉じた。

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