どうやら私はバッドエンドに辿りつくようです。

夏目

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第一章 夜の女王とミミズク

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「ココ・リジー。仕立て屋の娘ですね。『聖塔』のなかでもまあ、お遊びの会派に属して、夢に恋する乙女。貴女にはリナリナを通して接触した。合っています?」
「ええ」

 私の行動を監視されていた。それは知っていたが、こうも無機質に情報を並べられると、末恐ろしいものがあった。

「最後に会ったのは、オリヴィア嬢の一件ですね。さて、どれぐらい覚えていらっしゃいますか?」

 オリヴィア。ハルが様を付けて呼んでいたっけ。サラザーヌ公爵令嬢が嫁ぐことになっていた子爵の娘。ココは彼女に刺された。
 ココの腹は膨らんでいて、リストに貴方の子供だと訴えていたっけ。

「ココを、子爵令嬢が刺したのよね?」
「目の前で起こったことは覚えていらっしゃるようで安心しました。では、姫様、ココの腹にいた子供は誰の子供だと思います?」
「……リスト?」
「妄言を信用するか、普通。違いますよ、子爵の子供です。オリヴィア嬢の父親ですね。サラザーヌ公爵令嬢の婚約相手」
「嫌な噂は本当だったということ?」

 イルは肩を竦ませてそうですよと短く答えた。

「ええ。かの子爵殿はクズにも若い平民を強姦する趣味はありまして。ココは毒牙にかかってしまった一人だということですね」
「そんな……」
「まあ、両親も両親ですよ。子爵に気に入られれば、貴族の仲間入りになれると、自分の娘を差し出したんだ。けれど、子爵はサラザーヌ公爵令嬢を後妻に据えると発表した。処女じゃない女の末路は悲惨ですよ。特に位が高くなればなるほど、貞操には厳しい。だってのに、腹のなかには子爵の子がいる。両親がなにを言ったのか、簡単に想像がつきますね」

 拳を握る。起こったことは変わらない。
 そもそもココのことはよく知らない。
 なのに、胸がざわめくのはなぜなのだろう。

「はっ。つっても、あんなことが起っちゃあ、脱胎させる手間が省けてよかったんですかね」
「お腹の子供は?」
「流産ですよ。母体はなんとか命を取り留めましたが。腹を痛めた子が死んで生まれた、なんて耐えられないでしょ。死んで干からびた胎児に毎日乳をやっていますよ。楽しそうに」

 言葉が出なかった。
 どうして、無性に喉を掻きむしりたくなる。
 同じ年頃の人間が子供を産もうとして、流産になって、心を病んだ。
 しかも殺そうとしたのは、自分の子供の父親の娘?
 瞼が重い。目の奥が針を突き刺したように痛む。

「両親はココのために郊外に素敵な屋敷を買ったそうですよ。近く、静養のために移すのだとか。静養って、素敵な言葉だ。お払い箱って言ってしまえばいいのに」
「お払い箱って」
「子供は自分の地位を少しでも高める存在であると思っている人間が、お姫様が思うよりずっと多いんですよ、この世界には。それどころか、それが本人にとっての幸せだって、大真面目に考えている連中が掃いて捨てるほどいる。ココの家族はそうだってことですよ」
「もし、リストにきちんと事情を話していたら、変っていた?」

 イルは無知な子供の面倒をみることになったように私を軽蔑の眼差しでみた。

「どう、変われと? リスト様を父親だととち狂ってきたときにはもうすべて終わっていたようなものでしょ。侮辱されたと思ってリスト様がココを懲罰しなかっただけましですよ。彼女にとって夢の王子様が壊れたら、自殺かましていたかもしれませんし」
「でも……」

 口ごもってしまうのは、ココとオリヴィア嬢を引き合わせたのがギスランだと知っているからだ。あの邂逅は意図して行われたものだった。それはギスランも認めていた。
 ……もしかして、イルがオリヴィア嬢にナイフを渡した?
 あの場面でオリヴィア嬢が凶器を持っているのは、おかしい。護身用でも持ち歩かないだろう。それにあのとき、イルは近くにいた。
 イルが途端に野獣に思えた。この感覚は、カンドやハルに思った感情と似ている。
 いままで見てきた表皮がずるりと剥けて、中身が晒されている。それは私が思っていた単純明快なものではなく、複雑で、理解しがたい。だから、私には恐怖の対象で、未知の知らない生き物に見える。

「だいたい、そんなたらればになんの意味があるってんです? 時間を戻せる呪文を姫が唱えれば過去に戻れるならばいいですが、それができるとでも?」
「それもそうね……」
「そうそう。ココが静養するにともない、リナリナにも校内から消えてもらうことになりました」
「消えってもらうって、殺すってこと?!」
「まさか。結婚することになったんです、官吏のロランと。まあ、二十歳以上年上ですが、とても真面目でそれなりに出世するいい男ですよ」
「ギスランが手配したの?」
「直接ではないのですが。やはり、お姫様が『聖塔』と深く付き合いがあったとなるといろいろと面倒ですから」

 髪の先を弄りながら、イルが何事もないように言い放った。

「貴女、ちょっと不注意なんですよねえ。この頃知り合いになった奴ら、全員『聖塔』に関係していたの、分かってます? 警戒さえしてないなんて、迂闊すぎる」
「『聖塔』が意図的に私の周りに集まったと言いたいわけ?」
「いいえ。カンドもハルもそういうつもりで貴女に近付いたりしない。ココもリナリナもよくは知りませんが、誰かに命令されていたならもっとうまく取り入っている。でも、結果的に貴女の周りは反王政ばかりになった。これって、客観的に見てどう思います?」
「私に反逆の意思があると捉えかねないということね」
「そうです。よく分かりましたね。だから、超法規的措置ですが、しかたないですよ。そもそもギスラン様がリナリナ程度に執着するわけないですし」

 イルは袋のなかに空になった瓶を片付け始めた。
 もうそろそろ帰る気らしい。

「あとは、サラザーヌ公爵令嬢のことかな。あの人は、……はは、愉快ですよ。最高です。かわいいし、かわいそうです」
「かわいいし、かわいそう?」
「そう。なんていうんですかね。濡れた子犬のことを可哀そうだなあって思うときがあるじゃないですか。あんな感じっていうのか」

 どういうことだ?
 サラザーヌ公爵令嬢が、かわいそう。たしかに目の前でサラザーヌ公爵が死んでしまったわけだし、心神喪失状態に陥っているだろうけれど。痛ましいが正しい表現の仕方なのではないのか?

「まあ、直接見た方がいいですよ。清族の、なんでしたっけ。あの途中で首吊りしそうになっていた奴。あいつも、側にいるんです。もう、幸せそうで。愛なんてくそみたいなもの、俺は信じてないですけど、あの形が愛だっていうなら、愛とは夢も希望もない愚かなものだ」
「幸せそう? かわいそうなのに?」
「誰かのかわいそうは、誰かの幸せだってことなのかもしれません。人って複雑怪奇で捻じれていて、暇つぶしにはいいですよね。舞台なんか観に行かなくても、現実の方が娯楽品だ」

 イルは愉快だという癖に少しも楽しそうではなかった。
 むしろぶすっとして憤っているようだ。
 深く聞くのはためらわれた。サラザーヌ公爵令嬢のことは詳しく説明してくれる気はないようだし。
 イルは帰る準備を本格的にし始めた。
 なにか話題を捜して、サガルとの会話を思い出す。

「カンド、生きていたじゃない」

 イルは荷物を持って立ち上がると、振り返った。

「あれ、おかしいですね。殺したと思ったんですけど」
「止血してあげたのね。生きてたってことは。どうして、ハルに殺したなんて言ったのよ」
「だから、殺したと思ったんですよ」
「……ハルは?」
「気になります?」

 じっとりと睨みつけると、手を上げて降参と言われる。

「まんまと逃げられました」
「逃がしたのね! だから、あのときカンドが死んだと言ったのでしょう。カンドが捕まったと聞けばハルも捕まる。それを防ぐためにわざと死んだと言ったのね」
「……なんのことだか」

 胸の奥が急にぐっと締め付けられた。
 イルは分かりにくい。優しいだけではない。むしろ半分以上が鬼畜で構成されているだろう。きっとギスランに忠誠を誓った時に良心が三割くらい消えたのだ。
 でも、悪戯がバレた子供が浮かべる照れくさそうな笑い顔を浮かべるイルはごくごく普通の青年のような顔をしていた。さっきまでのよく分からない恐ろしい顔ではない。

「お前って、心底分かりにくい。ギスランのように心が捩くれているの?」
「そうかもしれません。まあ、心の捩くれ方にかけてはカルディア姫もそう変わりないと思いますが」
「どういう意味よ」

 曖昧な笑みを浮かべて、イルが正面を向き直った。

「そうだ、貴女は王都にある『黄色い貴婦人』を知っていますか?」
「いいえ。本屋かなにか?」
「いいえ、酒場です。まあ、食い物は食えたものではないですが、酒はいいですよ」

 なんなんだ、突然。

「それに物知りな店主がいます。癖が強いが金の重みに勝るものはこの世のどこにもありませんよ」
「なんなの、さっきから」
「少しばかり治安の悪い場所にありますが、夜中になると逆に人目を避けれてよいのではないかと。店の周りは売春婦がうろうろしているので」
「ちょっと、行くことを前提にしないでくれない?」

 イルは歩き始めた。
 背中を見つめながら、追い掛けるかどうかを考える。
 イルが本気で走ったら、きっと追いつけない。

「花壇の水遣り、ここにいる奴、雑じゃないですか? これじゃあ、花が可哀そうだ」
「――え?」
「店主は代わりの奴、よく知ってますよ」

 水遣り。その単語で私とイルとが共通する人物はハルだ。
 イルは私にハルを会わせようとしているのか?
 どうしてだ。彼は逃げて、もう王都にいないかもしれないのに。
 そもそも、ギスランの部下なのだから、私とハルを会わせるのはギスランの命令に反するのではないのか。
 イルは私に何をさせたいのだろう。

「この先はお姫様が選択することだ。飼い殺しにするもよし、処刑するもよし、逃がすもよし。知らないふりをして俺から聞いたことをなかったことにするのもありですね。ギスラン様に俺が漏らしたと報告するのも面白いかもしれません。その場合、俺は死ぬことになるでしょうけど」
「ちょっと、イル! お前、何がしたいのよ!」
「なにって、施しです。偽善を振りまいて、どうなるか見たいんですよね」
「なによ、それ」

 この様子だとギスランの命令で私に教えたわけではないらしい。でも、施しが理由だなんて思えない。どうして、こんなことをするのだ。

「ハルの叔母、盗みの濡れ衣を着せられて笞刑に合ったんですよ」

 息を呑んだ。

「あ、少し前のことですよ? ハルと貴女が決別するあたりかな。ココのこともあって、店主は気が立っていたので、憂さ晴らしに。ハルはその話を聞いて以来、自暴自棄になっているようだったので。積極的じゃなかった空賊の活動にもよく参加したいと言い始めましたし」
「笞刑って」
「しかも公衆の面前で。みんなに嘲笑されて、可哀そうですよね。貧民ってそうやって懲罰を受けやすいんですよ。罪を犯していないのに、罰を受ける。高級店にいても、階級は捨てられない」

 夜会で貧民達が罰を受けていた。王都でも同じように階級によって差別される。

「……っと、今はハルではなく、水遣りの話でした」

 イルはくるりとダンスを踊るように回転する。腕に抱えた茶色の袋ががさがさと乱雑な音を出す。

「では、御前を失礼します。王都の東南にある酒場、『黄色い貴婦人』ですからね!」

 イルの背中が急に小さくなる。そして、木々が植えられた中庭の淵のような場所で消える。木を飛び移って移動しているのか、枝がしなっていた。
 普通に歩いて帰れないのか?
 地面を踏んで帰ってはいけない制約があるのだろうか。
 ……『黄色い貴婦人』か。
 イルは私にハルを剣奴として取り立てて欲しいの?
 でも、取り立ててどうするというのだ。
 ぐるぐると意味もなくハルのことを考えることを遮断するように目を閉じて椅子に寄りかかった。



 人気を感じてぱっと目を開く。
 眼前にリストの顔が映し出される。
 驚いて背凭れに寄りかかる。
 真っ赤な髪が頬にあたってちくちくする。

「無防備に寝るな」
「寝てないわよ。思慮に沈んでいただけ」
「野外でなければ押し倒していた」
「お……はい?」

 さらりと真顔で言われ絶句した。
 な、なんだ?! 幻聴か?!

「服が乱れている。きちんと服装を整えろ」

 ぎょっとしてドレスを見下ろす。
 確かにさっきイルと格闘したせいか、裾がめくり上がっていた。太腿も見えそうになっていた。
 いそいそとはだけた部分を隠す。

「……リスト。よく来たわね」
「ああ。お前はあまり元気がなさそうだな」

 顎を持たれ、じろじろと検分される。
 頬を指先でゆっくりとなぞられる。
 妙に手つきが荒っぽい。リストらしくなかった。

「食事をきちんととっていないのか?」
「さっきとったわ」

 イルに無理矢理とは言わないでおいてやる。
 だが、あいつ。覚えてろよ。

「イルに手伝ってもらって、か?」
「見ていたの?!」
「あいつが木に乗って逃げ去るところはな。あいつ、ギスランのもとにいるより軍に来ないかと誘ったら、俺に会わないように逃げ回るようになったんだ」

 謎が解けた。
 自分に制限をかけているわけではなく、リストから会わずに済むように逃げていたのか。 
 私には見えなかったが、あの時リストを目視できる距離にいたわけだ。
 リストがイルのことを軍に勧誘していたのは意外だ。イルはなんというか、雰囲気が学者のように堅いし、軍隊に入隊する性格ではないと思う。

「服が汚れている。イルはお前にまともに食事を与えることもできないのか?」

 目線を逸らす。食事をするにあたって、馬のように暴れまわったのは私だ。イルが悪いと一方的に言えない。
 チッと舌打ちをされた。
 リストが私の頬を包んで自分の顔に近付ける。

「なぜ、顔を背ける?」
「リストこそなんで顔近づけるのよ!」

 さっきから、距離が異常に近い。
 それに、リストの纏う雰囲気が不穏だ。
 いつも二人っきりになるときの独特の甘さが臭い立つように瞳にあるのに、身の危険を感じる。これは、リストの出自を知ってしまったから懸念する感情なのだろうか。

「お前の顔が見たい」

 真っ赤な瞳が魅入ったように私に視線を注いでいる。
 ごくりと唾をのみこむ。目線がリストから外せない。
 リストは急に鼻を抜けるような笑い声を出した。

「お前の部屋に行きたい」

 果実も腐って溶けてしまうほど甘い声。
 リストの手が私の胸の上にいつしかあった。
 服越しでも、その大きな手の感触に胸がどくどくと鼓動を早める。

「だめか?」

 首を振って否定する。だめでは、ない。ないけれど。
 不安が増加していく。部屋に行ったところでなにも変わりはしないはずだ。
 それなのに、なにか致命的に変わってしまう気がする。対して懸念をしているのか、自分でもうまくつかめない。
 リストはまた鼻を抜けるような笑い声を立てて、私を中庭に押し倒した。
 椅子の下は芝生だ。だから、痛くはなかった。ただ、視界いっぱいにリストが映りこんでいる。小さく空がリストの肩越しに見えた。
 芝生の草の先が頭にかゆみをもたらす。
 何が何なのか分からず、言葉を失っていた。

「カルディア、お前を抱きたい」
「だ、だだだだだい!?」

 え、私の耳ってとうとうおかしくなってしまったのか。

「……色気のない。少しは恥じらえ」
「恥じらうもなにも、これは幻聴……」

 目の前のリストがため息を吐いた。顔に吐息がかかる。
 そして、手の平を私の唇に押し当ててきた。ぎょっとした次の瞬間、リストの瞳がくっつくように私の瞳と重なる。そして、すぐに、リストの顔が遠ざかっていく。
 あれだけ近かったら、リストの手がなければ、唇が触れ合っていた。
 ということは、リストの手越しに口づけしたということ?

「次、色気のない声で俺を誘った場合、直接する」

 砂糖でできたお菓子のような声でリストが囁いた。
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