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胃袋を掴む

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屋敷の中を水浸しにした水は、デイジーの魔法ですぐに乾かしてもらった。

水をただ出すだけでなく、消すことも出来るとはさすが水の大精霊。 

感心しただけで別に怒ってはいないからそんなに頭を下げなくていいぞ。

水瓶に魔力を注いでくれたお礼に夕飯を作るから食べていってくれ。

ん? 待ち時間にできることか?

それなら、畑チームと森チームのハイエルフと協力してため池とか作れないか?

確か土魔法が使えるハイエルフがいたはずだから⋯⋯やってくれるか? よろしく頼む。

俺はさっさと料理にとりかかるとしよう。

ジャガイモ、ニンジンをひと口サイズにカット。

鍋に水とシムルグや野菜から作ったコンソメを入れ、カットした野菜を投入。 軽く火が入ったところで雄羊の肉と腸から作ったソーセージ、キャベツ、玉ねぎ、ブロッコリーを加えて更に煮る。

あく取りに手を抜かないことがポイントだ。

ジャガイモやニンジンが柔らかく煮えたら、ポトフの完成。

黒胡椒やマスタードはまだないが、メイドチームの焼いてくれたパンとの組み合わせは絶対うまい自信がある。

よし、そろそろ食べごろだからみんなを呼んできてくれ。

まだ水路もため池も出来てない? そんなの1日やそこらで出来るわけないだろ。いいからはやく呼んできてくれ。出来立てがいちばん旨いんだからな。

みんな揃ったか? それじゃあいただきます。

「あふあふ! 熱いけど⋯⋯おいしい!」

「野菜の味もとても濃いですね」

「このソーセージというもの⋯⋯なにか甘い香りがしませんか?」

お、よく気が付いたな。そのソーセージは、りんごの皮を使って燻しているからその香りだぞ。

「おかわりいる人?」

「「「「お願いします!!!」」」」

よしよし、まだたくさんあるから火傷しないようにな。

デイジーはどうだ? 気に入ってくれたか?

「⋯⋯使徒様使徒様、ここの皆さんはいつもこんなにおいしいものを食べているのですか?」

「まあ、いつもポトフというわけじゃないけどだいたいこのくらいのレベルだぞ」

「⋯⋯使徒様使徒様、わたしは決めました」

「ん?」

「わたしの仕事が終わっても、使徒様のお側でお仕えさせてください!」
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