30 / 32
救出続行
しおりを挟む
「やったのか?」
そんなフラグみたいなことを言いながら穴の中を覗き込むミリゼット。
おもわずフラグかとドキッとしたが、幸いにもオークキングは完全に生命活動を止めていたようで動きだすことは無かった。
「すさまじい威力だったな」
オークキングからはまだプスプスと煙が上がっている。
「今はそんな場合でないことは分かっているが、これではオークキングの素材を取るのは無理だな」
聞くところによると、オークキングはその皮も爪も牙も全てが魔力を帯びていて上質な素材になることと、そもそもの討伐難度と合わせて非常に高値で取引されているのだそうだ。
多少傷の付いているものでも問題なく売れる。というよりも、傷をつけないで倒せる冒険者などいないのである程度傷だらけなのが当たり前。
「いや、別に責めているわけではないぞ。むしろ全滅してもおかしくないような相手だったんだ。わたしたち全員無事でいるのが奇跡みたいなものなんだからな」
だよな? 素材目的で来ているわけじゃないんだしそこは勘弁してほしい。だから、もったいなさそうにオークキングを見続けるのはやめてくださいお願いします。
「それで、これからどうする? 砦まで戻るか?」
オークキングに急襲される前、ミリゼットは砦まで戻ると言いかけていた。
だから、当然戻るものだと確認する意味合いで聞いたのだが、ミリゼットの返答はオレの予想とは異なるものだった。
「見ろ。砦の前で見張りをしていたオークがいなくなっている。今の戦いはさすがに奴らにも気付かれただろうから、おそらくここや砦の様子を確認しにくるのだろう。ということは、だ」
「チャンス……ですね?」
ミリゼットの言葉の後をメルルが続ける。
「あれだけの争う音がしたのですから、オークたちもそれなりの数で確認に出るはずです。ということは、洞窟の守備が薄くなっているということ」
「ああ。今倒したオークキングがやつらのボスだろう。雑魚が何体かは残っているだろうが、せいぜいハイオークが数体というところでもう強敵はいないはずだ。ボスがやられたことを知れば、パニックになってキャスカに危険が及ぶかもしれん」
キャスカが生き残って無事でいるかは正直希望的観測というやつだ。
それでも、砦に死体が無かった以上生きている確率はゼロじゃないんだ。
「分かった。それじゃあ作戦を立てよう」
素早くミリゼットとメルルに作戦を伝える。
待ってろキャスカ。すぐに助けてやるぞ。
そんなフラグみたいなことを言いながら穴の中を覗き込むミリゼット。
おもわずフラグかとドキッとしたが、幸いにもオークキングは完全に生命活動を止めていたようで動きだすことは無かった。
「すさまじい威力だったな」
オークキングからはまだプスプスと煙が上がっている。
「今はそんな場合でないことは分かっているが、これではオークキングの素材を取るのは無理だな」
聞くところによると、オークキングはその皮も爪も牙も全てが魔力を帯びていて上質な素材になることと、そもそもの討伐難度と合わせて非常に高値で取引されているのだそうだ。
多少傷の付いているものでも問題なく売れる。というよりも、傷をつけないで倒せる冒険者などいないのである程度傷だらけなのが当たり前。
「いや、別に責めているわけではないぞ。むしろ全滅してもおかしくないような相手だったんだ。わたしたち全員無事でいるのが奇跡みたいなものなんだからな」
だよな? 素材目的で来ているわけじゃないんだしそこは勘弁してほしい。だから、もったいなさそうにオークキングを見続けるのはやめてくださいお願いします。
「それで、これからどうする? 砦まで戻るか?」
オークキングに急襲される前、ミリゼットは砦まで戻ると言いかけていた。
だから、当然戻るものだと確認する意味合いで聞いたのだが、ミリゼットの返答はオレの予想とは異なるものだった。
「見ろ。砦の前で見張りをしていたオークがいなくなっている。今の戦いはさすがに奴らにも気付かれただろうから、おそらくここや砦の様子を確認しにくるのだろう。ということは、だ」
「チャンス……ですね?」
ミリゼットの言葉の後をメルルが続ける。
「あれだけの争う音がしたのですから、オークたちもそれなりの数で確認に出るはずです。ということは、洞窟の守備が薄くなっているということ」
「ああ。今倒したオークキングがやつらのボスだろう。雑魚が何体かは残っているだろうが、せいぜいハイオークが数体というところでもう強敵はいないはずだ。ボスがやられたことを知れば、パニックになってキャスカに危険が及ぶかもしれん」
キャスカが生き残って無事でいるかは正直希望的観測というやつだ。
それでも、砦に死体が無かった以上生きている確率はゼロじゃないんだ。
「分かった。それじゃあ作戦を立てよう」
素早くミリゼットとメルルに作戦を伝える。
待ってろキャスカ。すぐに助けてやるぞ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています


元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です
詳細説明
生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。
そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。
そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。
しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。
赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。
色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。
家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。
※小説家になろう様でも投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる