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クレール・クール

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救出作戦開始

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「西の砦の……ああ、あそこか」

 ギルドマスターの言葉に全員が顔を向ける。

「もうずっと以前、オレがまだ駆け出しの頃のことだ。西の街道を中心にオークの大量発生があったんだが、その時に前線基地として街道から少し離れたところに作られた砦がある。もう長いこと使われていなかったはずだが……なるほど、あそこなら盗賊団の根城としては最適だな」

 忘れられた古い砦か。なるほど、魔物の動きを監視するのに使われていたであろう砦を逆に利用すれば商隊の情報も丸裸ということだな。

「そこまでの距離は?」

「約6時間といったところか。馬ならもっと早く行けるだろうが、もう陽も沈む。これから馬で向かうのは危ないだろう」

 馬か……。そのうち乗れるようになりたいと思っていたが、今の時点ではまだ練習すらしていない。

 明日の朝を待つしかないのだろうか。くそ、こんなことになるなら鉱山で使った光の魔法石をストレージに用意しておけばよかった。

 諦めかけたその時 

「ヒカリ。お前、光属性の魔法使えたよな。【ライト】の魔法は使えるか?」

 タックの言葉にオレは頷く。

「オレがお前を馬の後ろに乗せてやる。行くんだろ?」

「いいのか?」

「さっきも言っただろう、2度も言わせるな。当たり前のことだ。それにお前とメルルちゃんはオレの弟子みたいなもんだしな。後輩が困ってたら手を貸してやるのが人の道ってもんだろうが」

 オレ中でタックの株が爆上がりしていく。

 ギルドマスターと受付嬢もびっくりしたような顔でタックを見ているぞ。

「ミリゼット。あんた、馬は乗れるよな?」

「もちろんだ。それにわたしはこれでもダークエルフだからな。夜目にはそれなりに自信があるぞ」

 タックの問いにミリゼットが答える。ダークエルフって夜目が利いたんだな。はじめて知ったぞ。

「なら、お前はメルルちゃんを後ろの乗せてこい。オレもその砦の場所は知ってるからな。オレが先導するから遅れないようにしっかりついてこいよ」

「よし。タック、任せたぞ」

「ああ!」

 オレ、タック、メルル、ミリゼットの4人でコブシをがつんとぶつける。大変な時だけど、何だが心の奥が熱くなってきたぜ。

「よし。それではこれはギルドからの正式な使命依頼ということにする! 任務はキャスカの保護。盗賊共を討伐すれば報酬上乗せだが無理はするな! ベティにも連絡して、他の連中も朝になれば後を追わせる。あくまでもキャスカの安全が第一だ。いいな!」

「「「「おお!!!!」」」」




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