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怨霊を喰らう(sideルーカス)

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「墓場に仕掛けを用意したのはお前らか?」

 五年前の怨霊。それが王子を祟ろうとしたのだと、王都で噂になっている。そのせいで聖女の祈りは再開され、彼らにとってもかなり危険な状況になっているとのこと。

「違ウ。小細工などしなくトモ、アレは我ラを引き寄せル。憎しミは、憤怒ハ、簡単に変性スル」

「そうか。てっきり怖じ気づいて奴らを始末しようとしたのかと」

 流石にこいつらも、そこまで愚かじゃないと思いたい。

 確かに、あそこで全員消せたら王位は俺のものになる。まぁ、あの貴族連中のことだ。無実だとしても、確実に俺の一派が消されることになるが。

「毒の方はどうだ?」

「完成シタ。受けとレ」

 瓶に詰まった、密度の濃い闇。銀翼の王女らを殺した猛毒。万が一こぼれたりしたら死にかねないから、栓が緩んでいないことを確認してからポケットに仕舞う。

「あぁ。一週間後、シリウス王国は俺のものになる」

 ようやく掴んだ機会だ。立ち止まることなんで出来ない。父上と兄弟、そして聖女を消した後に、俺はこの国の王となるのだ――――
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